銀行に勤めているというと、安定していて高給取りというイメージを抱かれることも多かったかもしれません。
しかし、昨今では働き方の多様化に伴い必ずしもそうであるとはいえなくなっています。
銀行員の転職先はさまざまな選択肢が挙げられますが、ゆくゆくの資格取得を視野に入れたうえで会計事務所への転職を考える人もいるでしょう。
そこで、今回は銀行員が士業を視野に会計事務所へ転職することは可能なのか、また転職時の注意点等についてまとめてみました。
銀行員が会計事務所へ転職することは可能なのか
先に結論から述べてしまうと、銀行員が会計事務所へ転職することは十分可能です。
お金に関しての知識はもちろん、一通りの金融知識に関する資格を有していることから会計事務所へ転職した場合でもさほど業務内容にギャップを感じることなく適応することができます。
また、銀行員として融資業務や会計業務を携わっていた場合は会計事務所へ転職する際のアピールポイントとして利用できるでしょう。
事業を立ち上げようとしている人にとって資金調達は最も頭を悩ませる問題のひとつといえますが、融資の仕組みや融資をするにあたっての審査基準に詳しい税理士が少ないのが現実です。
そんなとき、銀行側の内情に詳しい銀行員が重宝されるのはいうまでもありません。
なお、上述したような業務と直接関係がないような部署であっても、日商簿記やファイナンシャルプランナーといった資格を有していることで十分カバーすることが可能です。
銀行員が税理士を視野に転職する3つのメリット
ここでは、銀行員が税理士を視野に転職するメリットを3つ、ご紹介します。
今回お伝えするメリットは以下の通り。
●受験資格を得やすい
●銀行員で培った営業経験を活かせる(営業が苦手な税理士は多い)
●銀行の仕事は税理士に通ずるものが多い
さっそく見ていきましょう。
受験資格を得やすい
税理士を取得するためには税理士試験を受験し、合格する必要があります。
とはいえ、誰でも自由に受験ができるわけではなく税理士の受験資格を満たすことが必要です。
税理士の受験資格は「学歴」「資格」「職歴」とさまざまな分野に分かれており、いずれかひとつを満たすことによって受験資格を手に入れることができます。
いくつかある要件の中で、銀行員が満たせそうなものは以下の2つ。
●大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
●銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者
もし万が一上記の条件に満たなかった場合でも、会計事務所で補助業務に2年間従事することで受験資格を得ることができます。
税理士になるための勉強期間を考慮すれば、2年間という期間は決して長いものではありません。
銀行員で培った営業スキルを活かせる
税理士と聞くと、あまり営業とは関係ないイメージを抱くかもしれません。
ですが、最近では税理士の人数が増加していることに伴い、税理士も営業活動を行って新規顧客を開拓することが欠かせなくなっています。
その際、銀行員で培った営業力が活躍することは言うまでもない事実です。
銀行員の仕事は税理士に通ずるものが多い
銀行員が税理士を目指すことをおすすめする理由のうち、銀行での仕事の中で税理士の仕事に通ずるものが数多く存在することが挙げられます。
先述したように、銀行員として融資業務を担当した経験があれば決算書や貸借対照表といった帳票に触れる機会も多く、また内容もきちんと理解しているといえるでしょう。
ほかにも税理士の仕事のひとつである決算処理においても、銀行員時代に培った経験が役に立つはずです。
税理士資格についておさらいしよう
さて、銀行員が税理士を視野に転職するメリットについて把握したところで、税理士資格について簡単におさらいしておきましょう。
税理士の資格を得るためには1年に1回行われる税理士試験に合格しなければなりません。
税理士の試験では計5科目に合格する必要がありますが、科目合格制をとっているため一度に5科目まとめて合格する必要がないのも嬉しいところ。
公認会計士は科目ごとの合格が認められませんが、税理士試験は自身のペースに応じて受験計画を考えることができます。
銀行員が会計事務所へ転職するときの注意点
メリットについて理解したところで、銀行から会計事務所へ転職する際の注意点はないのかと気になる人もいるかもしれません。
銀行員が会計事務所へ転職するときの主な注意点としては、
●年収が下がる恐れがある
●会計事務所をきちんと見極める
●未経験分野であるがゆえ30歳前に転職しておきたい
などといったことが挙げられます。
特に会計事務所の見極めにおいては、税理士試験に合格した後も当面働こうと思っているのか、それとも受かって少ししたら独立したいのかといったことも考えたうえで応募する事務所を決めることをおすすめします。
また、会計事務所とひとことで言っても業態は多種多様であることから、銀行員としての知識や経験が活かせそうな事務所を探すように心がけてもよいでしょう。
いずれにせよ士業取得を視野に入れた転職であれば、キャリア形成および資格取得にかかる時間を考慮した上で30歳より前に転職できるとベストですが、以前に比べてれば間口は広がっています。
銀行員から会計事務所への転職はエージェント利用がおすすめ
今回は、銀行員が士業を視野に会計事務所へ転職することの是非についてお伝えしました。
会計事務所の見極めが大切であると述べましたが、仕事をしながらの転職活動は思うように時間を確保することが難しく、あなた一人では何かと苦労することも多いでしょう。
そんなときMS-Japanを利用することで、転職活動にかかる諸々の手間を大幅に減らすことができ、転職活動の肝となる職務経歴書や履歴書といった書類の作成や面接対策に時間を割くことが可能となります。
それ以外にも銀行出身者が会計業界へ転職するにあたって様々なアドバイスをもらうことができ、精神面でも心強いパートナーとなってくれるはず。
今回の記事が転職に向けてあなたが一歩踏み出すきっかけとなっていたら、幸いです。