ビジネスカードを持ちたいと思っても、種類が多すぎてどれを選べばいいか悩んでしまう個人事業主も多いだろう。
今回は、個人事業主にオススメのビジネスカードを紹介する。ビジネスカードを初めて持つ事業主や、ビジネスカードへの切り替えを検討している事業主はぜひ参考にしてほしい。
ビジネスカードとコーポレートカードの違い
クレジットカードは、個人カードと法人カードに分けられる。法人カードという名称には、個人事業主も含まれている。プライベート用カードを個人カードと呼び、事業用カードを法人カードと呼ぶと考えれば分かりやすいかもしれない。
法人カードはさらにビジネスカードとコーポレートカードに分かれている。一般的には、代表者名義でも申し込むことができ、主に中小企業、個人事業主、フリーランスなどが利用するものを「ビジネスカード」、法人格を持つ大企業向けのものを「コーポレートカード」と呼ぶことが多い。
ただし、法人カード、ビジネスカード、コーポレートカードといった定義はあいまいで、クレジットカード会社によって名称が異なる場合もある。大枠のイメージとしてとらえ、入会資格などを満たしていれば、好きなカードに申し込むといいだろう。
個人事業主がビジネスカードを選ぶ際のポイント
続いては、個人事業主がビジネスカードを選ぶ際のポイントを紹介する。
年会費で選ぶ
年会費がすべてではないが、判断材料の一つとしては重要だ。
ビジネスカードといえば、必ず年会費が発生すると考えている事業主もいるかもしれない。しかし、年会費無料のビジネスカードや、1,000円台の年会費で一定のサービスを受けられるビジネスカードもある。逆に、ステータスの高いプラチナカードであれば、年会費が3万円、5万円というケースもある。
ビジネスカードを比較するうえで大切なのは、単純に年会費が安いか高いかより、サービス内容や享受できるメリットと見合った年会費かどうかだ。
何事もそうだが、「安かろう悪かろう」では意味がない。年会費無料にこだわりすぎることも、見栄のために年会費の高すぎるカードに申し込むようなこともなく、サービス内容やステータス性をよく比較検討することが大切だ。
サービス内容で選ぶ
サービス内容も、ビジネスカードを選ぶうえで重要なチェック項目だ。
ビジネスカードの代表的なサービスとして、ポイント還元がある。一般のクレジットカードにもある仕組みなので、あまり説明はいらないだろう。要は、利用額に応じてポイントが付与され、それをカードでの決済にあてたり、商品やギフト券と交換したりすることができる。
一般のクレジットカードでも、節約のためにポイントを貯める人が多いのと同様、ビジネスカードで決済することで、経費を削減できる効果がある。
また、国内外の旅行傷害保険や、ショッピング保険などがビジネスカードにつくことが多い。国内外を飛び回ることが多い事業主は、1つの判断材料として補償額を比較するのもいいだろう。
さらに、プラチナカードなどステータスの高いカードの場合、ホテルの予約や航空券の手配を頼めるコンシェルジュサービスや、国内外の空港ラウンジを利用できる権利など、さまざまなサービスを受けることができる。
中でもコンシェルジュサービスは、忙しい事業主とって心強い存在であり、コンシェルジュサービスを目的にビジネスカードを選ぶ事業主もいるほどだ。
マイル還元率で選ぶ
ビジネスカードによっては、ポイントをお得な還元率でマイルに交換できるケースがある。セミナーや懇親会、海外出張などで国内外を飛行機で移動することが多く、マイルを貯めているという事業主も多いだろう。
業界最高水準でいえば、1.125%という高いマイル還元率を誇るビジネスカードも存在する。ビジネスカードでは利用限度額も個人カードより高く設定されることが多く、経費の支払いに使うとなれば、ポイントも貯まりやすい。マイルを貯めているなら、マイル還元率はぜひチェックしておきたい項目だ。
ステータスで選ぶ
ビジネスカードを所有するなら、ステータスも大切だ。ビジネスカードのステータスは、「プラチナカード>ゴールドカード>一般カード」となっている。
日本ではクレジットカードのステータスが海外ほど浸透しておらず、ゴールドカードがもっともステータスが高いと勘違いしている人も多い。しかし、貴金属でもプラチナがゴールドより高価なのと同様、ビジネスカードにおいても、プラチナカードのほうがゴールドカードよりステータスは高い。
また、クレジットカードのステータスを決めるのはプラチナやゴールドといったランクだけではない。どのカードを所有しているかも、ステータスに大きくかかわってくる。例えば、アメックスカードは知名度が高いため、海外でも一目置かれるだろう。
付帯サービスでビジネスカードを選ぶのもオススメ
ビジネスカードにはさまざまな付帯サービスや特典、キャンペーンが用意されている。そういった付帯サービスなどで選ぶのも一つの選択肢だ。
例えば、提携店舗の商品・サービスを優待価格で利用できるサービスがある。提携店舗がよく商品を購入する仕入先なら、大きな経費削減効果が得られる可能性が高い。経費を削減したいが価格交渉は面倒だという事業主にとって、優待価格はありがたい付帯サービスだ。
個人事業主にビジネスカードがオススメな理由
続いて、個人事業主がビジネスカードを持つメリットを3つ紹介する。
プライベートの出費と区分できる
個人のクレジットカードで経費も精算している場合、後から明細を見て、経費をピックアップすることになるだろう。また、ピックアップの作業を配偶者や経理担当者、会計事務所などに任せているケースもあると考えられる。しかし、よくよく利用明細を見返すと、経費計上が漏れてしまっていることも少なくない。
ビジネスカードを作れば、経費の支払いがプライベートの出費と明確に区分されるため、経費計上への漏れを防ぐことができる。
経費精算を効率化できる
従業員に支払いを任せている場合、一度立て替えてもらい、後から精算することが多いだろう。この立て替え精算は、意外と手間がかかる。従業員は領収書を保管し、明細を作らなければならない上に、事業主はそれをチェックしなければならない。
ビジネスカードの追加カードを従業員に渡すことで、こういった経費精算の手間を省くことができる。追加カードの利用分は、本カードの利用分と合わせて請求されるが、明細上区分されているので、確認もしやすい。
いざというときの出費に備えられる
事業を営んでいると、キャッシュフローが厳しい状況に陥ることもあるだろう。売掛金の回収が滞る、取引先が倒産するなど、事業主としてはコントロールしづらいリスクも数多く潜んでいる。
そんなとき、ビジネスカードを利用し、リボ払いに切り替えれば、急場をしのぐことができるだろう。ビジネスカードの中には、法人税の支払いなどに関して利用限度額を大きくしてくれるケースもある。ビジネスカードを賢く活用し、経営に生かすよう心がけたい。
個人事業主にオススメのビジネスカード
費用対効果が優れているのは「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®カード」
ビジネスカードの中で圧倒的な人気を誇るのが、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®カードだ。2019年下半期の価格.comのランキングでは、法人カード部門でもプラチナカード部門でも1位を獲得している。
プラチナカードならではとも言える、国内外1300ヵ所以上の空港ラウンジの利用や、24時間365日のコンシェルジュサービスといったラグジュアリーなサービス内容が魅力だ。コンシェルジュサービスを利用すれば、電話一本で航空券やホテル、レストランの手配が完了する。
また、SAISON MILE CLUBに無料登録すれば、マイル還元率が業界最高水準の最大1.125%になる。ほかにも、海外の飛行場のラウンジが利用できるプライオリティ・パスが無料で登録(通常年会費429米ドル)できたり、提携店舗での商品・サービスの購入が優待価格で受けられるビジネス・アドバンテージなど、事業主にとってうれしいサービスが盛りだくさんだ。
プラチナカードという最高のステータス性を持ちながら、インビテーション(招待)が必要なく、個人事業主や中小企業の事業主であれば、誰もが申し込める。
また、年会費が2万円と手ごろで、他のビジネスカードと比較してコストパフォーマンスに優れている。年間200万円以上のカード利用があれば、年会費は次年度より10,000円(税抜)に優遇される。家族や従業員に発行する追加カードは、3,000円(税抜)で発行可能だ。
サービス内容・ステータス性・年会費などのバランスがよく、それゆえ多くの事業主に愛用されているビジネスカードだと言えるだろう。
費用を抑えて賢く使いたいなら「セゾンコバルト・アメリカン・エキスプレス®カード」
個人事業主であれば、配偶者や信頼のおける従業員に、消耗品の購入やセミナーの予約、仕入れ管理などを任せているケースも多いだろう。追加カードを発行して配偶者や従業員に渡せば、経費精算をビジネスカード1つで完結できる。
追加カードの発行を前提として、ビジネスカードへの申し込みを考えているなら、追加カードを無料発行できるセゾンコバルト・アメリカン・エキスプレス®カードがオススメだ。
セゾンコバルトは、圧倒的人気を誇るセゾンプラチナビジネスとの差別化が図られた新しいビジネスカードだ。コンシェルジュサービスや空港ラウンジの利用がついていない代わりに、年会費が1,000円(税抜)と安く、追加カードも4人まで無料で発行できる。
セゾンプラチナビジネスにはない特徴として、提携店舗でカードを利用すると有効期限のないポイントが4倍つくといううれしい特典もある。もちろん、セゾンプラチナビジネス同様、さまざまな商品・サービスを優待価格で利用できるビジネス・アドバンテージもついている。
コンシェルジュサービスをさほど重視していない場合や、飛行機の利用が多くない場合、セゾンコバルトを選ぶのもいいだろう。ETCカードを無料で発行できるのも、セゾンコバルトのメリットだ。
また、2つのカードは、登記簿謄本や決算書は不要で、WEB申込で完結できるのも、忙しい個人事業主にはおススメのメリットだ
個人事業主こそビジネスカードの導入を
ビジネスカードに興味があるものの、つい個人カードで経費の支払いをすませてしまっている個人事業主も多いだろう。
しかし、ビジネスカードに切り替えれば、たまったポイントによる経費削減や経理業務の効率化といった効果が期待できる。さらに、さまざまなサービスを享受できるなど、メリットは大きい。
一度切り替えてしまえばあとは楽なので、機会損失が生まれる前に、早めに切り替えを検討するといいだろう。