650ps/800N・mを発生する3.8Lフラット6ツインターボエンジンを採用した新型「911ターボS」が日本での予約受注を開始

 ポルシェ ジャパンは3月31日、8世代目に進化したポルシェ911(992)の旗艦グレード「911ターボS」の予約受注を開始した。車両価格はクーペモデルの「ターボS」が2892万円、オープンモデルの「ターボS カブリオレ」が3180万円に設定する。

CAR and DRIVER
▲ポルシェ911ターボS(写真・左)/価格:8SMT2892万円 ポルシェ911ターボSカブリオレ(写真・右)/価格:8SMT3180万円 最高速度は330km/h、0→100km/h加速は2.7秒(クーペ)/2.8秒(カブリオレ)と公表。シューズにはフロント20インチ(タイヤサイズ255/35)、リア21インチ(同315/30)の前後異形サイズをターボSで初めて装着した

 今回追加された911ターボSは、モデルコード992シリーズのトップエンドに位置する新世代のハイパフォーマンスモデルだ。搭載エンジンは可変タービンジオメトリー(VTG)を備えて対称に配置された2つの大型ターボチャージャー(タービンホイール直径は従来比+5mmの55mm、コンプレッサーホイール直径は同+3mmの61mm)を組み込む3745cc水平対向6気筒DOHCツインターボユニットで、全体の断面積が大きく空気抵抗の小さな4つのエアインテークを配する新設計のエアインテークシステムを採用。最高出力は従来ユニットより70ps(51kW)アップの650ps(478kW)、最大トルクは50N・mアップの800N・mを発生する。トランスミッションには専用セッティングの8速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせ、駆動システムには強化した4WDシステムを導入。ポルシェ トラクションマネジメント(PTM)によって、最大で500N・mのトルクがフロントホイールに供給される仕組みだ。公表された性能は、最高速度が330km/h、0→100km/h加速が従来比0.2秒短縮の2.7秒(クーペ)、0→200km/h加速が同1秒短縮の8.9秒(クーペ)。新欧州サイクル(NEDC)による燃費は11.1L/100km(クーペ)、CO2排出量は254g/km(クーペ)に達する。

CAR and DRIVER
▲3745cc水平対向6気筒DOHC・VTGツインターボエンジン 圧縮比8.7:1 最高回転数7200rpm 最高出力650ps/6750rpm 最大トルク800N・m/2500~4000rpm

 シャシー面については、いっそうスポーティに改善した新世代PASM(ポルシェ アクティブサスペンションマネジメント)シャシーを採用したことがトピック。車高を10mm低く設定するとともに、より迅速かつ正確に制御されるダンパーが、ロール安定性やロードホールディング、ステアリング挙動、コーナリングスピードのダイナミクスに大きなメリットを提供する。また、強化されたドライビングダイナミクスに合わせてボディサイズを拡大。フロントアクスル上部を45mmワイドな1840mm、リアアクスル上部を20mmワイドな1900mmに設定し、トレッド幅をフロントで42mm、リアで10mm広げる。また、シューズにはフロント20インチ(タイヤサイズ255/35)、リア21インチ(同315/30)の前後異形サイズをターボSで初めて装着した。

CAR and DRIVER
▲クーペボディの911ターボSのボディサイズは全長4535×全幅1900×全高1303mm/ホイールベース2450mm/トレッド前1583×後1600mm 車重1640kg(欧州仕様)
CAR and DRIVER
▲フルレザーインテリアおよびライトシルバーのアクセントを組み合わせたカーボントリムを採用。日本導入モデルのハンドル位置は右

 エクステリアに関しては、ターボS特有のアグレッシブなスタイリングに仕立てたことが訴求点だ。フロントセクションにはワイドなエアインテークやデュアルフロントライトモジュール、ダークインサート付LEDマトリックスヘッドライトなどの専用アイテムを装備。再設計した空気圧展開式フロントスポイラーと大型リアウイングは、ダウンフォースを15%強化する。また、エアインテークを統合するリアウイングはターボSの流線型のボディを強調する造形でアレンジ。さらに、ハイグロスブラック仕上げのターボスタイル角型テールパイプを組み込み、ワイド化したリアビューをいっそう引き立てるデザインとした。

CAR and DRIVER
▲オープンボディの911ターボSカブリオレのボディサイズは全長4535×全幅1900×全高1301mm/ホイールベース2450mm/トレッド前1583×後1600mm 車重1710kg(欧州仕様)
CAR and DRIVER
▲センター部には新しいアーキテクチャーを導入した10.9インチのPCMタッチスクリーンを配備。操作性に優れるGTスポーツステアリングホイールも装備する。日本導入モデルのハンドル位置は右

 内装については、フルレザーインテリアおよびライトシルバーのアクセントを組み合わせたカーボントリムを採用したことが特徴。また、18wayスポーツシートには初代911ターボ(タイプ930)をリスペクトしたステッチを施し、メータパネルには高品質のグラフィックエレメントと専用のロゴを配した。さらに、センター部には新しいアーキテクチャーを導入した10.9インチのPCMタッチスクリーンを配備。ほかにも、操作性に優れるGTスポーツステアリングホイールや新しいポルシェ トラックプレシジョンアプリを統合したスポーツクロノパッケージ、BOSEサラウンドサウンドシステムなどを採用している。

Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER