自分に万が一のことがあった場合に備え、生命保険に加入されている方は多いと思いますが、配偶者ができ子供が大きくなる40代になると、その必要保障額はどんどん大きくなります。家族のためのお金なので保障額をむやみに減らすわけにはいかないのですが、できれば保険料は安く抑えたいものですよね。今回は日本人がどれだけ保険をかけているのか、そして保険料を抑えるポイントをご紹介します。
40代の死亡保障額は3,000万円
周りの家族はどれぐらいの生命保険に加入しているのでしょうか。公益財団法人生命保険文化センターが2018年に発表した「生命保険に関する全国実態調査」によると、1世帯当たりの普通死亡保険金は表1のようになっています。
上記の表は個人が加入している生命保険の死亡保険金額ではなく、世帯全体での合計、つまり一般的には夫と妻の死亡保険金額の合計になります。
結婚や出産というライフイベントが多い30代から死亡保険金の額は上昇し、40代の世帯で平均額が3,000万円強となっています。その後、50代前半でピークを迎え、子供が成人するであろう50代後半からは保険金額は減少していることがわかります。
保険料を抑えるには定期型がおすすめ
定期型と終身型
生命保険には、加入時に定めた一定期間だけ保障を受けられる「定期型」と死亡するまで一生涯保障が続く「終身型」があります。
終身型の保険は残された家族に必ず保険金が支払われる上、途中で解約しても大きな金額の解約返戻金を受け取ることができるので、貯蓄としても利用できます。一方、定期型は途中で解約してもお金が返ってこず、また一定期間を過ぎると保障もなくなるため、「掛け捨て」の保険といわれていますが、その分、終身型に比べて少ない保険料で大きな保障を受けることができます。
例として、日本生命の生命保険「ニッセイみらいのカタチ」の定期型と終身型の保険料を比べてみましょう。どちらも30歳契約し、60歳で払い込みを終えます。保険金額は1,000万円とします。
<契約内容の例>
・性別:女性
・保険金額:1,000万円
・払込方法:月払い
・契約年齢:30歳
・払込満了:60歳
・保険料
ニッセイみらいのカタチ定期保険 月々2,240円(30歳から44歳)、3,810円(45歳から59歳)
ニッセイみらいのカタチ終身保険 月々2万9,630円
同じ1,000万円の死亡保障でも、定期型と終身型では保険料に10倍近い差があることがわかります。もちろん終身型は払い込みが終わった60歳以降も保障を受けることができ、また途中で解約してもお金を受け取ることができます。しかし、子供が独立するまでといった限られた期間であれば定期型で十分ですし、残された家族の生活費や教育費をすべて終身保険で準備することは、家計にとっても大きな負担になります。
定期型には更新型と全期型がある
定期型の生命保険にはさらに、保障される期間が10年、20年と決まっている「更新型」と、保障される年齢が60歳、65歳までと決まっていて更新がない「全期型」があります。
更新型は加入時の保険料が安く、更新のたびに高くなっていきます。全期型は加入時の保険料は更新型に比べて割高ですが、更新がないので加入時の保険料で当初決めた年齢まで保障を受けることができます。
どちらが良いかは保険が必要になる年齢やライフプランにもよるのですが、更新型は初期費用が安く、更新の時期を迎えたとしても必ずしも更新をする必要がありません。そのため、例えば子供が18歳になるまでなど保険の目的が決まっているのであれば、更新型の方が保険料を安く抑えられる場合が多くなります。
収入保障保険とは?
自分に万が一のことがあったときに備える保険には、定期型、終身型の生命保険だけではなく、収入保障保険もあります。収入保障保険とは、保険の加入者が亡くなった場合、毎月10万円というように年金形式で家族に保険金が支払われる保険のことです。
例えば、保険の被保険者が65歳になるまでに亡くなった場合、その人が65歳になっていた時点まで毎月10万円が家族に支払われるという収入保障保険に加入したとします。もし保険に加入していた人に40歳の時点で万が一のことがあった場合、家族は25年間月々10万円ずつ受け取れるので、保険金の合計は3,000万円です。一方、60歳の時点で亡くなった場合、保険期間は5年ですので家族が受け取れる保険金は600万円ということになります。
このように、収入保障保険では保険の加入者が亡くなった時点での残りの期間に応じて、家族が受け取れる保険金は少なくなっていくので、いつ加入者が亡くなっても高額の保険金が受け取れる定期型よりも保険料は割安に設定されています。
自分に必要な保障額を知ることが保険加入の第一歩
世帯主が40代の家庭では保険金額の平均は3,000万円強でしたが、必要な保険金額はそれぞれの家庭によって変わります。大切なのは、まず自分たちがどれぐらいの保障が必要なのかを知ることです。しかし、万が一のときの保障だけではなく、今の生活ももちろん大切です。もし保険料が負担になっているなら、今回ご紹介した割安の保険を比較して検討してみてください。
文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle
【こちらの記事もおすすめ fuelle】
>せこくない、苦しくない、続く「節約術」まとめ
>これで10%オフ!デパコスのオトクな買い方3選
>免税店でさらにお得に買い物する3つの裏ワザ
>イオン系列の株主優待「徹底活用術」生活費を浮かせる3つのポイント
>えっ、知らないの?ヨーロッパでオトクに買い物できる「デタックス」活用法