不動産投資を行うのであれば、将来の賃料や資産価値の上昇を期待できるエリアに投資したいもの。すでに価格が上がり過ぎているエリアは予算的に簡単には手が出せないし、手に入ったとしてもそうそう大きなリターンは得られないでしょう。

そこで注目したいのが、現在はまだ高くないが将来性が期待できるエリアです。どうすれば、そんなエリアを見つけられるのでしょうか。

住みたい街のトップは関東が横浜、関西が西宮北口

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(画像=yoshi0511/Shutterstock.com)

参考にしたいのが、リクルート住まいカンパニーが実施している『SUUMO住みたい街(駅)ランキング』調査です。関東や関西のほか、地方都市圏でも同様の調査が行われており、その地域で多くの人が住みたいと思う街(駅)はどこかが明らかになっています。

「住みたい街(駅)」では、関東圏ではJR東海道本線などの横浜駅がトップで、次いでJR山手線の恵比寿駅、JR中央線の吉祥寺駅で、関西圏では阪急神戸線の西宮北口駅がトップで、大阪メトロ御堂筋線の梅田駅、阪急神戸線の神戸三宮駅と続きます。

しかし、これらのエリアは地価や不動産価格がすでに高くなっており、投資先としてのうま味に欠けるかもしれません。多額の資金を用意でき、長期的な資産運用を考える人には魅力があるかもしれませんが、高くなり過ぎているだけに今後の利回りや資産価値の上昇は期待できないでしょう。

関東圏の穴場のトップ3は北千住、赤羽、川口

そこで注目したいのが、「穴場だと思う街(駅)」です。実はリクルート住まいカンパニーの調査では、「住みたいと思う街(駅)」のランキングのほか、「穴場だと思う街(駅)」のランキングも発表しています。

リクルートでは、穴場の条件を「交通利便性や生活利便性が高いのに、家賃や物件価格が割安なイメージがある街(駅)」としています。つまり、「その街のポテンシャルを考えると、正当に評価されればもっと高くなってもおかしくないエリア」ということになります。投資先として、将来性がかなり期待できるエリアと言い換えてもいいでしょう。

2020年版の関東圏の「穴場だと思う街(駅)」のランキングは、図表1のような結果でした。トップは東京メトロ日比谷線の北千住駅で、3年連続のトップ。2位はJR京浜東北線の赤羽駅で、こちらも3年連続の2位です。3位には、前年10位のJR京浜東北線の川口駅が入りました。

関西圏では尼崎、江坂、塚口が穴場のトップ3に

北千住駅と赤羽駅は「住みたいと思う街(駅)」ランキングの総合順位でも22位、17位とかなりの上位につけており、穴場としてのうま味に欠けるかもしれません。それよりは、総合順位が50位以下の東京メトロ副都心線の和光市駅、JR山手線の駒込駅、西武有楽町線の練馬駅、JR山手線の巣鴨駅、都営新宿線の本八幡駅などが狙い目かもしれません。

関西圏の「穴場だと思う街(駅)」のベスト10は、図表2のとおりです。こちらは2019年の調査結果ですが、トップがJR東海道本線の尼崎駅で、2位は大阪メトロ御堂筋線の江坂駅、3位は阪急神戸線の塚口駅でした。

しかし、尼崎駅は総合順位でも21位、江坂駅は9位ですから、もはや穴場とは言えないかもしれません。その点、総合順位53位の阪急神戸線の塚口駅、総合順位圏外の大阪メトロ御堂筋線の大国町駅、84位の大阪メトロ御堂筋線の東三国駅、JR東海道本線の大津駅などが本当の意味での穴場と言えそうです。

図表1 関東の穴場だと思う街(駅)ベスト10

順位駅名総合順位
202020192018
111北千住22
222赤羽17
3107川口45
444大宮4
533和光市43
679田端-
7713駒込129
82129練馬61
9-17巣鴨109
101511本八幡65

(資料:リクルート住まいカンパニー)

図表2 関西の穴場だと思う街(駅)ベスト10

順位駅名総合順位
201920182017
122尼崎21
275江坂9
315塚口53
13-草津12
5--西宮北口1
6-5大国町-
741東三国84
3-大津57
9510梅田2
10-伊丹47

(資料:リクルート住まいカンパニー)

(提供:YANUSY

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