新型コロナウイルスの感染拡大により、日本でもマスクや防護服などの医療物資不足が深刻化しつつある。安倍首相はメーカーに増産を呼び掛け、余剰が生じた場合は国が備蓄用に買い取る考えを示した。これまで値を飛ばしてきた関連株だが、まだまだ人気が蒸し返される機会がありそうだ。
新型コロナの感染者は国内で8000人を超え、政府は緊急事態宣言の対象地域を従来の7都府県から広げると伝わった。患者の増加に伴い、医療現場ではマスクや防護服、手袋などの備蓄が底を付き始め、追加分の確保は急務となっている。
新型コロナの収束時期の見極めづらさから、医療物資の増産投資に及び腰だったメーカーも少なくなかった。しかし、国が在庫リスクを背負う姿勢を示したことで、ネックは弱まる。また、将来的に在庫がだぶつく可能性が低下したことは、関連銘柄にとって大きな意味を持つ。
新型インフルエンザが大流行した2009年度には、過剰生産によってメーカー在庫が通常の3倍超に膨らんだ。同業界はその後長い生産調整を余儀なくされた苦い経験を持つ。国の備蓄用購入は、こうした懸念を後退させる。
主な医療物資の関連銘柄を表(画像クリックで拡大)にまとめた。今年の高値時点上昇率(昨年比)は、アゼアス(3161・(2))が236%、マスクの川本産業(3604・(2))が795%、医療用マスクの興研(7963・JQ)が223%、消毒用アルコールのニイタカ(4465)が77%などとなっている。(4月17日株式新聞掲載記事)
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