• 2020年第1四半期決算:4月24日寄り付き前
  • 予想売上高:324,7億ドル
  • 予想EPS:1.23ドル

一般的に、電気通信企業は景気悪化時に保有しておきたい銘柄である。そのため、24日のベライゾン (NYSE:VZ)の第1四半期(1-3月期)決算報告に注目が集まっている。

新型コロナウイルスの影響を受け、同社の業績は不透明である。何百万人もの人々が失職する中、同社のモバイルやブロードバンド、エンターテイメントサービスがどのように影響を受けているかについて、関心の目が向けられている。

我々の考えでは、同社は新型ウイルスによる不況を、上手く乗り越えていける銘柄の1つである。

同社はM&Aなどでバランスシートを膨らませる代わりに、自社インフラの改善に注力してきた。AT&T(NYSE:T)のように、エンタメ領域での大規模なM&Aは避けてきている。

小規模なM&A

同社はネットワークサービスを向上させるために、小規模なM&Aを実施してきた。2018年にストレート・パス・コミュニケーションズを買収し、5Gのネットワーク構築で競合を一歩リードした。

また、同社は先週、ズーム (NASDAQ:ZM)の競合であるBlueJeans Network社の買収を発表した。

買収の詳細な条件は明らかにされていない。しかし、ブルームバーグによると、買収価格は約4億ドルであり、ハンス・ベストベリ氏が同社CEOに就任した2018年8月以降で最大規模の買収とのこと。

同社の小規模なM&Aを行う戦略は、それほど注目を浴びていない。しかし、この戦略が同社の成長を後押ししていることは明らかである。

同社は直近数四半期で新規顧客を獲得し、競合への乗り換えを留めることに成功している。

Investing.com
ベライゾン週足チャート(画像=Investing.com)

インカムゲインを望む投資家が重視するポイントは、変動が激しい市場における投資の収益率である。その点、ベライゾンは年初来、S&P500やAT&Tをアウトパフォームしている。

年初来でベライゾンは5.5%安であるのに対し、S&P500は13%安、AT&Tは24%安となっている。

また、同社は増配を行っている。同社は昨年、四半期配当額を2%増配し、配当額は1株当たり0.615ドルとなった。配当利回りは4%となっている。

総括

電気通信事業は、テクノロジー銘柄のような多額のキャピタルゲインを生み出すことはないだろう。しかし、不況となった際のダウンサイドリスクも限定的である。

頑健なバランスシートや安定的な配当、5Gにおいて主導的な地位を有するベライゾンは、不確実性の高い市況下において安定的なインカムゲインを望む投資家にお勧めである。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス・アンワル