不動産ビジネスの新形態といえる、空間のシェアリングエコノミー。その市場をリードするスペースマーケットの現在と、今後の展望を解説します。空間シェアはコロナウイルス感染拡大の影響が大きい分野の1つですが、この試練をどう乗り越えていくのでしょうか。

設立以来、急成長。約6年で上場したスペースマーケット

ビル経営
(画像=CapturePB/Shutterstock.com)

スペースマーケットは、使われていない部屋や施設などを時間単位で貸し借りできるプラットフォームです。モノや場所を共有する「シェアリングエコノミー」の市場拡大を追い風に成長し、2014年1月の設立以来、売上高を毎年更新、2019年12月に東証マザーズ上場を果たしました。2019年12月期の売上高は8億7,300万円で、前年比2億9,500万円増となっています。

スペースマーケットのビジネスモデルは、スペースを借りたい「ゲスト」とスペースを貸したい「ホスト」をマッチングすることで両者から手数料を得るというもの。掲載されている空間のジャンルは幅広く、以下のようなものがあります。

  • 不動産(戸建、マンション、アパートなど)
  • 古民家
  • 会議室
  • 飲食店のアイドルタイム
  • スポーツ施設
  • 映画館
  • その他ユニークなスペース(廃校、お城、無人島など)

2020年4月現在、スペースマーケットには全国の1万3,000件以上のスペースが掲載されています。スペースの用途もバラエティ豊かで、パーティーや飲み会、会議などで使われています。最近では、ユーチューバーの撮影場所として使われることも多いようです。

ユニークなスペース利用もスペースマーケットの成長の理由

スペースマーケットのサービスは一見空間の単純な貸し借りのように見えますが、そこにゲストとホストの創造性や遊び心が加わることで、まったく新たな世界が広がっています。

例えば、レンタルスペース内での「インドア花見」があります。これは、桜の造花などで可愛らしくデコレーションされた室内で花見を楽しむ企画です。寒さや雨などの影響を受けず、花粉症の人でも快適に花見気分を味わえるということで、人気企画になっています。2020年春は、100以上のスペースが「インドア花見可能スペース」として登録されました。

その他ユニークな事例としては、お寺を使った社員総会、映画館を丸ごと借り切るセミナー、歴史ある古民家でのコスプレイヤー撮影会などがあります。

スペースマーケットのコロナ感染に対する対策

スペースマーケットの今後の成長は、シェアリングエコノミー市場がどこまで拡大するかに影響されると考えられます。一般社団法人シェアリングエコノミー協会によると、2018年度のシェアリングエコノミー市場規模は、1兆8,874億円。2030年度には約6倍の11兆1275億円まで拡大すると予測されています(※)。
※大きな課題がなくスムーズに成長した場合の予測

市場の拡大によって、シェアリングエコノミーをリードするスペースマーケットの成長も期待されていますが、一方でコロナウイルス感染拡大によって先行きに暗雲が立ち込めています。空間をシェアするビジネスモデルは、人が動いたり、集まったりすることで利益が生まれます。今回のように人の流れが止まってしまうと、ビジネスが成り立ちません。

この状況を受けて、スペースマーケットはゲスト・ホスト向けの「感染症対策ガイドライン」を作成。消毒液の設置や、利用ごとの清掃・消毒の徹底などを呼びかけています。ガイドラインでは「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」を保ちやすいように、最大収容人数の見直しも提案しています。

また、コロナウイルスの影響で在宅ワークを推奨する企業が増えていることから、1,000円割引クーポン付きの「テレワーク応援プラン」や、1時間500円で使える「お一人さま貸し切りプラン」を企画することで、影響を最小限に食い止める努力をしています。今回の試練を乗り越えて、スペースマーケットが中長期的にどのように成長していくかが注目されます。(提供:ビルオーナーズアイ


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