新型コロナウイルスの影響により、自宅でリモートワークに取り組む人が増えている。自宅での作業は通勤時間を節約できる反面、集中にしにくい場合やオンオフの切り替えが難しいといった課題もある。

近年、働き方が多様化していることから、新型コロナウイルス収束後もリモートワークのような働き方は増えていくと予想される。

こうした背景を踏まえ、今回は、自宅以外でリモートワークに適した場所を紹介する。また、企業がとれる1つの選択肢として、シェアオフィスの導入についても詳しく解説する。代表的なシェアオフィスサービスも紹介するので、リモートワークの運営方法に悩んでいる人はぜひ参考にしてほしい。

リモートワークが増加している背景

Zoom
(画像=Getty Images)

リモートワークとは、一般的にオフィス以外の場所で仕事をすることを指す。

東京都が都内企業1万社に対して実施した「多様な働き方に関する実態調査(2018年度)」によると、リモートワークの導入状況は以下のとおりとなっている。

導入済み:19.2%
導入を検討中:21.0%
導入予定はない:59.6%
無回答:0.2%

2018年度の時点で、東京都では5社に1社はリモートワークを導入済みだったということになる。

次に、導入が進んでいる業界と業界別の導入割合は以下のとおりだ。

<金融業・保険業>
導入済み 34.1%
導入を検討中 24.4%
導入予定はない 41.5%

<情報通信業>
導入済み 22.7%
導入を検討中 26.0%
導入予定はない 51.4%

<サービス業>
導入済み 21.7%
導入を検討中 19.7%
導入予定はない 58.4%

2019年から2020年にかけて、新型コロナウイルスの影響で、多くの企業がリモートワークを導入している。政府が「働き方改革」の一環としてリモートワークを後押ししていることからも、コロナウイルスの感染拡大が収束したあとも、この流れは加速するという見方が一般的だ。

リモートワークをまだ導入できていない企業も、コロナウイルスの影響で急きょ導入したものの、まだ運営方法を模索中の企業も、早急にリモートワークの体制を整備することが求められている。

生産性が高いのは?リモートワークに適した場所

続いて、リモートワークの選択肢となる場所を3つ紹介し、それぞれの特徴やメリットとデメリットを解説する。

自宅

現在は新型コロナウイルスが流行中ということもあり、多くの人は自宅でリモートワークをしているだろう。自宅での作業は、通勤時間がないため、時間のロスが発生しないのがメリットだ。人によっては、家族とかかわる時間が増えたり、家事を効率的にこなせたりといったよい部分もあるだろう。

一方で、自宅ならではのデメリットも多い。最大の問題点が、集中力を維持するのが難しい点だ。プライベートな空間である自宅では、どうしても仕事モードに切り替えられない人は少なくないだろう。

家族とのかかわりが増えるのも家事がはかどるのもすばらしいことだが、仕事の生産性という観点では、課題は大きい。

結果的に、企業としては日報の提出を要求したり、報告メールで仕事の進捗を確認したりと、かえって従業員の管理コストが上昇してしまう可能性がある。

生産性ダウンとコストの上昇が重なれば企業として大きなダメージになりかねない。通信環境が不十分なケースなども想定されるため、自宅以外でのリモートワークを選択肢に入れる企業も多いだろう。

カフェ

自宅以外でのリモートワークというと、カフェでの作業をイメージする人も多いだろう。受験生やリモートワーカーが多いカフェであれば、自宅と比べて集中でき、ほどよい雑音がかえって集中力アップにつながるという人もいる。

カフェで作業することのデメリットは、場所や時間帯によっては、混雑して入店できない可能性があることだ。仕事をしようと思って外出したものの、適した場所が見つからずに右往左往していては、集中力どころの話ではない。

お昼時など混みあう時間帯になると、退店を促されるケースも多い。店舗の立場から見れば長居するにしても、混んでいない時間帯をみはからって3~4時間が限度だろう。

また、周囲に人がいるため、社外秘の情報などを取り扱う際には注意が必要だ。

シェアオフィス

生産性を重視した場合、最もリモートワークの場所として適しているものの一つがシェアオフィスだ。シェアオフィスとは、複数の企業や人がオフィスを共同で利用する形態を指す。

契約者ごとに占有スペースが決められている場合や、全員が共有スペースを利用する場合などがある。占有スペースが決められている場合も、会議室やリフレッシュスペースなどは共有となっており、必要に応じて利用できるケースが多い。

シェアオフィスのメリットは、仕事に必要な機能がそろっており、生産性の向上が見込めることだ。自宅でリモートワークを行う場合、プリンターなど必要な機器や備品がそろっていない場合がある。しかし、シェアオフィスであれば、必要な機器を完備している場合がほとんどなので安心だろう。

一方デメリットは、シェアオフィスの数がまだ少ないことだ。東京都ではシェアオフィスが増えているが、地方などでは、希望する場所でシェアオフィスを借りられない可能性もある。

604_1.jpg
(画像=H¹O西新宿)

シェアオフィスでリモートワークをするメリット

仕事の生産性を重視するなら、シェアオフィスが最も望ましい選択肢と言える。ここでは、シェアオフィスでリモートワークをするメリットについて、より具体的に解説する。

オンオフの切り替えができる

自宅でリモートワークをする場合とは違い、シェアオフィスならオンオフの切り替えがしやすいと考えられる。環境が変わることで、脳が仕事モードへと自然と切り替わり、効率的に仕事に取り組めるだろう。

アクセスのしやすい場所にいくつかシェアオフィスを借りれば、従業員は自宅から近いシェアオフィスに出勤できる。そうすれば、通勤時間のロスも最小限に抑えることができ、従業員の満足度も向上するだろう。

仕事に必要な機能がそろっている

シェアオフィスにはリモートワークに必要な機能がそろっている。セキュリティや通信環境、会議室や複合機の利用など、リモートワークに特化した環境だからこそのメリットが数多くある。

自宅やカフェと比較すれば、シェアオフィスは従業員にとって仕事がしやすい環境であり、会社としてもセキュリティなどの面で安心と言えるだろう。

また、仮に本社とは別に新しくオフィスを借りようとすると、さまざまな初期コストがかかる。敷金や礼金、内装費などを含めると、数百万円超の初期コストが必要になるケースも少なくない。空調や複合機などの電化製品の購入費用、デスクやチェアなどの家具の購入費用や選定作業などの手間もかかる。

その点シェアオフィスなら、初期コストを抑えてリモートワークの環境を整えることが可能だ。

集中力がアップし、生産性が上がる

従業員にとっても企業にとってもメリットとなるのが、集中力が上がり生産性が向上することだろう。自宅やカフェは、長時間仕事をするのに適した場所ではない。リモートワークに切り替えることで、集中力が落ちて生産性が下がってしまえば、企業にとっては大ダメージだ。

リモートワークを導入するにあたりシェアオフィスを活用することで、従業員の生産性を高め、事業へのマイナス影響を最小限にできるだろう。

シェアオフィス導入に向けた下準備

続いて、シェアオフィスを導入するための手順を紹介する。

従業員を巻き込む

シェアオフィスを導入するときは、従業員を積極的に巻き込むようにしたい。自分たちも関与したと思えば、それだけで従業員のモチベーションアップにつながる。

シェアオフィスの導入についての考えや、どういう点を重視したいのか、といった点をアンケートなどで意識調査するといいだろう。すべての要求に応える必要はないが、従業員との間で認識の食い違いが起きないよう、配慮しながら進める姿勢が大切だ。

ツールを導入する

シェアオフィスを活用するなら、これを機にさまざまなツールを導入しておきたい。新型コロナウイルスの流行によって、すでに取り入れている企業も多いと考えられるが、チャットツールや勤怠管理ツール、Web会議ツールなどを導入しておくと、シェアオフィス活用後もスムーズに仕事ができるだろう。

単にツールを導入するだけでなく、従業員が使いこなせるようサポートすることも大切だ。勉強会などはもちろんだが、経営者が積極的にツールを利用するなど、意識改革を行う必要がある。

シェアオフィスを比較検討する

シェアオフィスにはいくつか種類がある。そのため、自社に合ったシェアオフィスを選ぶことも重要だ。立地は従業員の利便性を考え、駅近物件が望ましい。また、シェアオフィスを利用するなら、サービスオフィスを選ぶとよいだろう。

サービスオフィスとは、仕事に必要な機能がひととおりそろったシェアオフィスだ。複合機があったり、受付スタッフが配置されていたりするなど、すぐにシェアオフィスを稼働させたいと考えている経営者に向いている。

代表的なサービスオフィスを紹介

続いては、サービスオフィスの代表的なサービス内容を紹介する。

Lounge_016.jpg
(画像=H¹O日本橋小舟町)

H¹O(エイチワンオー)

H¹Oは、セキュリティに強みを持つサービスオフィスだ。生体認証システムによるキーレス・非接触のスムーズな入退館が可能で、カードキーの紛失や複製リスクも排除されている。最大5段階のセキュリティ構造で、第三者が無用に立ち入ることはできない。

さらに、個室空間のサイズや内装をカスタマイズできるのも特徴だ。間仕切り壁が動かせるので、利用人数に応じて広さを変えることができる。家具も必要に応じてあり・なしを選べるため、使いたい家具がある人もそのままシェアオフィスを稼働させたい人も満足できるだろう。

受付スタッフがいるため、受付対応や来客対応、不在時の宅配物対応なども一任できる。清掃費なども月額料金に含まれているため安心だ。複合機やシュレッダー、ウォーターサーバー、コーヒーサーバーなどの設備も整っている。

このほか、会議室や応接スペース、リフレッシュスペースなどもあり、利用者同士でシェアすることで、効率的にスペースを活用できる。

生産性向上は企業の成長発展につながる

働き方に対する価値観は大きく変わりつつある。そんな時代に、従来のやり方にしがみつくのは、企業の成長や発展の観点からもよい選択とは言えないだろう。時代の変化を受け入れ、自社に合ったやり方でリモートワークを取り入れることが大切だ。

生産性を考慮すれば、リモートワークを自宅以外でできるよう、早急に環境を整備することが望ましい。サービスオフィスを賢く活用すれば、リモートワークで生産性向上を図ることも可能だ。

生産性が向上して企業が成長すれば、企業にとっても従業員にとっても望ましい結果と言えるだろう。