カゴメ <2811> の業績が好調だ。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、カゴメの2020年1月〜3月期決算は主力の野菜飲料や新製品の好調で46.8%もの大幅増益となった。株式市場ではカゴメの好決算を受けた買いが集まり、年初来の高値を更新する場面も観測されている。

ちなみに、厚生労働省によると日本人の野菜摂取量は1日あたり60グラム不足していることが明らかになっている。カゴメは日本人の野菜不足の解消に向けて「野菜をとろう あと60g」をスローガンにキャンペーンを展開しているが、折からの新型コロナ禍もあって健康志向が一段と高まる可能性もありそうだ。

今回はカゴメの最新動向をお届けしよう。

トマトケチャップで国内トップシェア

カゴメ,株価
(画像=NataliyaSchmidt / shutterstock, ZUU online)

カゴメの源流は1899年にまでさかのぼる。創業者の蟹江一太郎氏が名古屋の農業試験場でトマトの種子を譲り受けて栽培を開始、1903年には試行錯誤の末に国産トマトソースの製造に成功したほか、1909年にはトマトケチャップとウスターソースを製造して業績を軌道に乗せている。

トマト加工事業で100年以上の歴史を誇るカゴメは、日本国内のトマトケチャップ市場で60.9%、野菜果実ミックスジュース市場で61.2%のシェアを占めるトップメーカーに成長している。さらにカゴメは日本の緑黄色野菜消費量の17.7%、野菜消費量の4.4%を供給しており、歴史的に日本人の健康維持に深く関わってきた企業でもある。

4月30日、そんなカゴメが発表した2020年1〜3月期決算は売上が前年同期比2.6%増の408億円、本業の利益を示す営業利益は同46.8%増の24億円と大幅増益となった。主力セグメントである国内加工食品売上は4.1%増289億円、うち飲料部門は5.1%増の166億円と収益増に大きく寄与した。

翌5月1日の株式市場では好決算のカゴメに買いが集まり、一時7.4%高の2946円と年初来高値を更新している。

『野菜をとろうキャンペーン』が好業績を牽引

厚生労働省は『健康日本21』活動で、国民の健康の増進をはかり、成人で1日当たり350グラム以上の野菜の摂取等を推奨している。しかし、前述の通り「平成21年~30年国民健康・栄養調査の平均値」では約290グラムにとどまっており、60g不足しているのが実情だ。