ワインの味は、ワイングラスで左右されることをご存知でしょうか。同じワインでもどのような形状のワイングラスを使うかによって、テイストが大きく変わります。この事実に基づいてワイングラスを製造し、世界の愛好家から支持されるメーカーが「リーデル」です。
そのリーデルがワイングラスの魅力を伝えるべく、J PRIMEと共同でワインテイスティングセミナーを開催しました。テイスティングを満喫しながら、奥深いワイングラスの世界を学ぶ充実のイベントをレポートしたいと思います。
ワインの世界を広げるためにリーデルが伝えたいこと
260年以上の歴史を誇るオーストリアのワイングラスメーカー「リーデル」。同じワインでも異なる形状のグラスで飲むと香りや味わいが変わるとことに着目して、世界で初めてブドウ品種ごとに理想的な形状のワイングラスを開発したことで知られています。いまなお世界のワイン生産者たちとテイスティングを繰り返し、最適な形状を探し当てるというこだわりから、世界中のワイン愛好家たちの絶大な支持を得ています。
今回のJ PIRMEとの合同イベントでは、ワインエキスパートでもあるリーデルの竹中信幸さんが講師を務め、青山本店で4種類のワインの飲み比べを実施しました。まず、解説されたのはワイングラスの形状の意味です。
1)卵型:香りを集める
「私たちがワインの呼吸空間と呼んでいますが、この空間が卵型のグラスは、実は香りを集める機能があります。卵型のグラスに適量のワインを入れて飲むと、自然と私たちの頭が持ち上がり、舌もしっかり上がるので、舌の上にワインが導かれます。舌先で甘み、舌の両側で酸味を感じやすいので、舌の上をワインが流れるということが非常に大事なのです」(竹中さん、以下同)
2)飲み口の大きさ:舌のどこへワインを導くか
「飲み口が狭くすぼまった形状のワイングラスは、多少傾けただけではワインは口に入らず自然と顔を上に傾けるため、ワインが舌の中心を速いスピードで流れていきます。これにより舌の両脇の酸味を強く感じる位置に接触しないので、ピノ・ノワールのような酸味が強いワインでも果実味を楽しめます」
3)薄さ:口当たり、温度が変わりにくい
「分厚いグラスはすぐにぬるくなります。ワインにはベストな温度があるので、せっかくいい温度で注いでも、分厚いグラスだと意味がありません。薄いワイングラスであることがワインを美味しくいただくうえで大切なポイントです。もちろん、リムの薄さは口当たりのよさも演出します」
4)脚の長さ:重さのバランス
「薄く軽く作れば作るほど、脚が短いと重さを感じてバランスが悪くなります。そのため、脚は長いほうが使いやすいです」
これらのポイントを押さえて、リーデルでは大きく分けて4種類、約180種類のワイングラスを用意しているといいます。また、マシンメイドとハンドメイドの2タイプがあり、ハンドメイドでしか作れない薄さを実現させたワイングラスもラインナップされています。こちらは、その薄さから極上の口当たりが楽しめるのが人気なのだそうです。
しかし、おおよそでいえば「白ワイン2種、赤ワイン2種、計4種のグラスがあれば、世界中のどんなワインでも美味しく楽しめる」と竹中さん。今回は、この4種類のグラスで、どれだけワインの楽しみ方が変わるのか、体験することになりました。
4種類のワイングラスがもたらす味の変化を体感
4種類のワイングラスがあれば、おおよそすべてのワインを楽しめる、との話から、いよいよテイスティングが始まります。グラスは次の4種類が用意されました。それぞれの特徴を紹介していきましょう。
1)白ワイン向け:Riedel Veritas Champagne Wine Glass/Koshu
爽やか、軽やかな白ワイン向け。シャンパンにもぴったりです。薄く仕上げた口径部は、ワインの流れをコントロールし、滑らかなタッチを堪能できました。日本固有のブドウとして初めて国際ワインブドウ・ワイン機構に登録された「甲州」を使う甲州ワインに最適なグラスとして名づけられました。
2)白ワイン向け:Riedel Veritas Oaked Chardonnay
こってりまろやかな白ワインに最適。シャルドネ、ピュリニーモンラッシェなどがぴったりです。とても細くて繊細な仕上がりとなっているにも関わらず、耐久性にも優れていて食器洗い機での洗浄も可能です。Riedel Veritas Koshuで飲むとアルコールの強さが意識されるシャルドネも、こちらで味わうと強くてパワフルな果実の香りを楽しめました。
3)赤ワイン向け:Riedel Veritas Old World Pinot Noir
金魚鉢のような形状が印象的なこちらは、世のなかのほとんどの赤ワインに合うグラスです。甘い香りがしっかり届くことから、ピノ・ノワールやブルゴーニュに最適です。「シラー、グルナッシュ、マルベックなどの南仏のワインや、スペインのテンプラニーリョなどマニアックな品種がお好きな方にも、ぜひこのグラスをおすすめします」とのことでした。
4)赤ワイン向け:Riedel Superleggero Bordeaux Grand Cru
世界で最も売れている赤ワイン用グラスです。ハンドメイドならではの薄いリムからは、これまでのどのリーデルグラスとも違うまったく新しい極上の口あたりです。ボルドーワイン特有の酸やタンニンを、甘く、しなやかに表現してくれました。いわゆるフルボディの赤ワイン用にぴったりです。「カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランがおすすめ」とのことでした。
ワイングラスそれぞれに、適したワインとそれ以外を注ぎ、ゆっくりとスワリングをしながら、テイスティングします。味わってびっくり。その変わりようは実際に驚くものでした。また、比較としてゴブレットタイプのグラスと飲み比べてみると、味わいはまったくことなります。ワインを飲むなら、まずはしっかりワイングラスで。そして、ワインに適したグラスでなければ、ワイン本来の味わいは楽しめないことを、自分の舌で知ることができました。
オーパス・ワンで味わう、デカンタージュの魅力
ワイングラスでの味わいの違いを体験したら、続いては2015年のオーパス・ワンで、デカンタージュした状態としていない状態でのテイスティングをしてみます。
「二酸化炭素を抜き、酸素を入れ込んで、香りと味を引き出すデカンタージュ。これに使うデカンタは、その形状にも意味があります」と解説する竹中さん。2種類のデカンタを用意してくれました。しっかりと薄く広くワインが広がって、酸素にたくさん触れさせることができる「フェイストゥーフェイス」、リュートをイメージした「アマデオ」です。リーデルではデカンタの種類も豊富です。
覚えておきたい、いち押しのデカンタージュテクニックとして紹介されたのが、「ショックデカンティング」です。しっかりと泡立つくらいにデカンタを振る方法で、たっぷり含まれている二酸化炭素がすべて泡にして出し切ります。こうすることで一気に酸素が流入し、ワインの香りや味わいが開いていくのだそう。
実際にショックデカンティングしたワインをグラスに注いでいただき、その香りと味の変化を存分に楽しむことができました。このショックデカンティングは「若いカベルネとか若いピノ・ノワールに向いています」とのこと。素敵なデカンタで、ぜひ自宅でも使ってみたい味わいでした。
イベントの最後には、ワイングラスのケアについて丁寧な解説もありました。繊細なワイングラスは、汚れが残りやすい口元をスポンジで軽く洗い、他の部分はかるくゆすぐ程度で汚れをとれるそうです。スポンジを使用する際はボウル部分を挟んでしまうと、破損しやすいので縦に軽くあてるようにするのがおすすめ。
すすいだあとは、クロスを2枚使用して、左右の手に1枚ずつクロスを当てて、2枚のクロスで包むようにグラスを拭くのだ、と竹中さんは実演しながら教えてくださいました。
ワインを楽しむために、じつは重要なワイングラス。実際にテイスティングをすることで、ワイングラスの重要性を舌で理解することができました。そして、このイベントを通して、なぜ世界のワイン愛好家がリーデルのワイングラスを選ぶのか、その理由がわかりました。
ワインだけでなく、その美味しさを引き出すワイングラスにもこだわれる、奥深いワインの世界。またひとつ本質を知ることができた、J PRIMEならではの貴重なイベントとなりました。(提供:JPRIME)
【オススメ記事 JPRIME】
・超富裕層が絶対にしない5つの投資ミス
・「プライベートバンク」の真の価値とは?
・30代スタートもあり?早くはじめるほど有利な「生前贈与」という相続
・富裕層入門!富裕層の定義とは?
・世界のビリオネア5人が語る「成功」の定義