高齢の親が1人暮らしをしていると、何かと心配なものです。同居を考える人も多いのではないでしょうか。そこで検討したいのが、リフォームです。何をすればいいか、費用はどのくらいかかるか、おおまかに把握したうえで検討してみましょう。

二世帯住宅へのリフォーム

リフォーム
(画像=Andrew Angelov/Shutterstock.com)

二世帯同居の形態は、主に3つあります。完全同居、部分共有、完全分離です。

完全同居は、個室以外の生活設備すべてを共有します。親世帯とは寝室のみ別々で、台所や風呂場などは共有します。『サザエさん』一家をイメージするとわかりやすいでしょう。母のフネと娘のサザエが一緒に台所で食事の支度をし、孫のタラちゃんが祖父の波平の背中を流す、あの生活です。

部分共有は、玄関をはじめとした一部の設備を共有します。台所や風呂場、トイレなどは別々にする場合もあります。お互いに気配を感じながらも、生活リズムや食事などはそれぞれ自分のペースで行うことができます。

完全分離では、入り口を含めて完全に別の住居に住みます。例えば、同じ建物の1階に親が住み、子の世帯は外階段を上がって2階の玄関から家に入る、といったケースです。

お互いの生活リズムや介護が必要な度合いなどによって、どれを選ぶべきかは変わります。完全同居の場合、もともとの部屋数が多ければ基本的にリフォームは不要です。ただし、寝室を増築しなければならないケースはあるかもしれません。

部分共有の場合は、間取りを変更して台所や風呂場などを設けることがあり、その場合は300万円から1,000万円ほどかかります。戸建てを完全に分離するには、1,000万円以上の予算を見ておいたほうがいいでしょう。

高齢者向けのリフォーム

親が高齢の場合や要介護状態の場合は、バリアフリー工事をしなければならないことがあります。

バリアフリーと聞くと、手すりの取り付けをイメージする人が多いでしょう。階段のほか、玄関や浴室、トイレや脱衣所などに取り付けることで、足が不自由な人を支えます。費用は、1.5メートルあたり2万円くらいです。

車椅子を利用している人であれば、玄関やトイレなどを拡張する工事が必要になるかもしれません。工事費用は、それぞれ20万円から30万円ほどかかるでしょう。

今は元気な人でも、ヒートショック対策は検討しておくべきです。ヒートショックは急激な温度変化による血圧の変化が起こす体調不良で、風呂場で高齢者が溺死する主な原因と考えられています。寒い日は風呂場を温めておくことで防止できますが、リフォームで断熱効果を高めることにも効果があります。

大阪府大東市の調査では、リフォーム後に要介護度が改善した人が、悪化した人を上回るという結果が出ました。健康維持の意味でも、親の高齢化に合わせたリフォームは有益です。

施工費用に関する減税と補助

上記のようなリフォーム工事には、国や自治体がさまざまな支援を行っています。

まず、二世帯住宅化に関する減税制度である「多世帯同居改修工事をした場合の住宅特定改修特別税額控除」を紹介します。複数世帯の同居に伴い、台所、風呂場、トイレ、玄関のいずれかを増設した場合、最大25万円がその年の税金から差し引かれる制度です。

バリアフリーに関しても似たような制度があり、玄関や風呂場の拡張、手すりの設置などの工事をした場合、最大で20万円が減税されます。この2つの制度を利用するためには、2021年末までに工事を終えて住み始めなければなりません。

リフォームに補助金を出す自治体も多いです。例えば神奈川県横須賀市には、市内の親と同居するために市外から転居する場合、リフォーム費用の半分(最大30万円)を支給する「2世帯住宅リフォーム補助金」があります。

バリアフリーについては、より多くの自治体が補助金を出しています。例えば東京都大田区では、区内の中小企業にバリアフリー化工事を発注した人に、最大20万円の助成金を出しています。

親と同居する予定の地域にどのような支援制度があるか、確認してみてください。

さまざまなリフォーム工事

同居に伴うリフォームには、数十万円から内容によっては1,000万円以上の費用がかかります。行政の補助によって、数十万円が補てんできるケースもあります。工事内容はニーズによってさまざまなものがあるので、各種業者に相談してみてください。(提供:相続MEMO


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