「円資産ばかりでは不安なため資産に外貨建て用品も組み入れてみたい」「海外旅行・海外出張が多い」と感じている方は、ソニー銀行が向いているかもしれません。ソニー銀行は、ネット銀行の中でも外貨建て商品が豊富で手数料の優遇があるなど、外貨関連のサービスに力を入れている銀行です。今回は、ソニー銀行の特徴とメリット・デメリットを紹介しながらソニー銀行を利用する魅力について紹介します。

ソニー銀行の特徴

ソニー銀行,メリット,デメリット
(画像=PIXTA)

ソニー銀行の主な特徴として各種金利や取扱商品、利用度合いに応じて優遇内容が決まる「Club S」の概要を解説します。

ソニー銀行の各種金利

ソニー銀行の円預金と外貨預金の金利は、それぞれ以下の通りです。

【円預金の金利】

預金種別 期間 年利
普通預金金利 一律 0.001%
定期預金金利 円定期預金 1・3ヵ月 0.010%
6ヵ月・1年 0.050%
2・3・5・7・10年 0.020%
積立定期預金 1年もので運用 0.050%
2年もので運用 0.020%
3年もので運用 0.020%
(2020年4月28日時点)

【外貨預金の金利】

預金種別 期間 年利
普通預金金利 香港ドル 0.350%
ブラジルレアル 0.010%
南アランド 0.200%
上記以外の通貨 0.001%
定期預金金利 円からはじめる限定金利
(円普通預金からの預け入れ)
米ドル 1ヵ月 1.800%
英ポンド 2.500%
豪ドル
NZドル
SWEクローナ
7.000%
カナダドル 5.000%
人民元CNH 15.000%
南アランド 35.000%
外貨普通預金からの
預け入れ・自動継続
(最も金利が高い期間のうち
短い期間かつ1万通貨未満の
金利を抜粋)
米ドル 1年 0.400%
ユーロ 0.010%
英ポンド 0.050%
豪ドル 0.100%
NZドル 0.100%
カナダドル 0.150%
スイスフラン 0.001%
香港ドル 3ヵ月 0.600%
ブラジルレアル 1ヵ月 0.500%
人民元CNH 1ヵ月 0.010%
南アランド 3ヵ月 2.500%
SWEクローナ 1ヵ月 0.001%
(2020年4月28日時点)

4段階の「Club S」

ソニー銀行では、取引金額や毎月の残高の多いユーザー向けの優遇プログラム「Club S」が設定されています。本プログラムにより、さまざまな優遇や特典が受けられる仕組みです。プログラムは4段階あります。主なステージアップ条件は以下の通りです。

【シルバー】
・月末の総残高が300万円以上
・外貨預金の積み立て購入の月間合計額が3万円以上
・投資信託積み立てプランの月間合計額が3万円以上

【ゴールド】
以下全体の合計額が500万~1,000万円未満
・月末の外貨預金残高(円換算額)
・月末の投資信託残高(約定日基準)
・20日時点の「WealthNavi for ソニー銀行」の資産評価額(円換算額)

【プラチナ】
以下全体の合計額が1,000万円以上
・月末の外貨預金残高(円換算額)
・月末の投資信託残高(約定日基準)
・20日時点の「WealthNavi for ソニー銀行」の資産評価額(円換算額)

上記の他に住宅ローンや外国為替証拠金取引(FX)についても一定の基準を満たせばワンランクアップとなります。本プログラムでの主な優遇内容は、コンビニATM手数料無料、他行宛振込手数料が月最大11回無料など以下の通りです。

【各ステージの主な優遇内容】

項目 ステージなし シルバー ゴールド プラチナ
コンビニATM手数料 月4回無料
以降は110円
月7回無料
以降は110円
月15回無料
以降は110円
無料
他行宛振込手数料
Sony Bank WALLET あり
月2回無料
以降は220円
月4回無料
以降は220円
月6回無料
以降は220円
月11回無料
以降は220円
他行宛振込手数料
Sony Bank WALLET なし
月1回無料
以降は220円
月3回無料
以降は220円
月15回無料
以降は220円
月10回無料
以降は220円
為替コスト 米ドル
15銭など
(優遇なし)
米ドル
10銭など
米ドル
7銭など
米ドル
4銭など
外貨定期預金金利 優遇なし 米ドル+
0.01%など
米ドル+
0.02%など
米ドル+
0.03%など
外貨預金の手数料優遇 米ドル:
片道15銭など
米ドル:
片道10銭など
米ドル:
片道7銭など
米ドル:
片道4銭など
仕向け外貨送金
手数料無料回数
(通常1回3,000円)
0回 0回 月1回 月3回

特にソニー銀行は、為替コストや外貨預金金利、外貨預金の手数料など外貨サービスに関連する優遇・特典が多い点が大きな特徴です。

ソニー銀行のメリット5点

ソニー銀行のメリットについて、順番に解説していきます。

無条件で月4回ATM手数料無料

優遇プログラムでステージアップをしなくても無条件で月4回ATM手数料が無料の点は大きな魅力です。他行宛の振込手数料も月1回無料に。Sony Bank WALLETというプリペイドカードを所持している場合は、月2回無料になります。無料回数を使い切った後も振込手数料は一律220円と比較的リーズナブルです。

外貨預金は12通貨と豊富に対応しており為替手数料も低め

外貨預金の対応通貨数は12で主要通貨の米ドルやユーロから高金利通貨として知られている南アランドなど高金利が魅力の通貨までラインナップ。優遇プログラム「Club S」でゴールドやプラチナまでランクアップすると為替手数料も優遇され米ドルの場合だと15銭から4銭へと大幅に下がります。また、外貨建て商品間で資金を移動させたい場合、移動手数料が無料となる点も大きなメリットです。

ソニー銀行には豊富な外貨建て金融商品があるため、魅力的な商品やサービスが出てきた場合にすぐ乗り換えることができます。外貨建て商品を都度円に戻すと為替手数料がかかりますが、この仕組みを利用することで為替手数料を節約できるでしょう。ただし外貨の定期預金では「円からはじめる限定金利」が用意されており円預金口座から外貨の定期預金を行うとかなり大きな金利の優遇があります。

外貨定期預金に入金したい場合は、「円預金口座から」「外貨建て商品間での資金移動」のどちらがお得かについて事前に確認しましょう。

貯めた外貨を活用しやすいシステム

デビットカード「Sony Bank WALLET」を持っていると海外旅行で外貨預金口座から手数料無料でキャッシュレス即時決済ができます。Sony Bank WALLETで対応している通貨は以下の通りです。

・米ドル
・ユーロ
・英ポンド
・豪ドル
・NZドル
・カナダドル
・スイスフラン
・香港ドル
・南アランド
・SWEクローナ

一般的なクレジットカードの場合、海外で決済をすると事務手数料として数%かかります。利用金額が大きくなると数%も大きな負担となりますが、Sony Bank WALLETなら手数料を気にする必要はありません。このように豊富な外貨建て商品で外貨を貯めていくだけでなく、貯めた外貨を活用しやすいシステムを用意している点もソニー銀行を利用するメリットの一つです。

5件まで設定できる「おまかせ入金サービス」

おまかせ入金サービスとは、指定の他行からソニー銀行宛に手数料無料で入金できるサービスです。手数料がかからず、他行から振り込みができるため、給与振込用の銀行口座からソニー銀行へ毎月自動的に入金して預金する、という使い方ができます。おまかせ入金サービスの使用は以下の通りです。

・他行からの引き落とし日:毎月5日または27日で選択(休業日の場合は翌営業日)
・利用金額:1万円以上1,000円刻み
・ソニー銀行円普通預金口座への着金日:引落金融機関での引落日の4営業日後

利用可能な金融機関は、主な都市銀行・ネット銀行・地方銀行・信用金庫・労働金庫が可能です。一部、利用不可能な金融機関もあるため、自分の銀行は利用可能かどうか、事前に公式サイトで確認しましょう。

デビットカード「Sony Bank WALLET(Visa)」でキャッシュバック

Sony Bank WALLET(Visa)は、世界200以上の国と地域のVisa加盟店でショッピング利用可能なデビットカードです。本カードで決済すると優遇プログラムのステータスに合わせて0.5~2.0%までのキャッシュバックが受けられる点も大きなメリット。比較的達成しやすいシルバーなら1.0%、ゴールドで1.5%ものキャッシュバックが受けられます。

また、Sony Bank WALLET(Visa)は、海外利用だけではなく国内でもVISA加盟店で利用可能です。海外だけでなく国内利用でキャッシュバックを受けたい人も問題なく使えます。

日本にいても外貨建て資産を持っておいたほうが良い理由

ソニー銀行のデメリット3点

ソニー銀行のメリットを紹介してきました。しかし、そんなソニー銀行にもデメリットは3点ほどありますので順番に解説します。

優遇プログラム「Club S」条件達成のハードルが高い

「Club S」の条件について説明しましたが、特にシルバーからゴールドへの条件達成はかなりハードルが高いといえます。シルバーへの条件達成は、投資信託または外貨預金に毎月3万円ずつ積み立てるか、住宅ローンの利用で達成可能です。しかし、ゴールドとなるとこれらの条件に加えてソニー銀行に500万円以上預金できる資金的な余裕が求められます。

円定期預金の利息はあまり高くない

外貨建て商品には魅力の多いソニー銀行ですが、円定期預金ではあまり金利が高くありません。6ヵ月・1年ものが最も高い金利で0.05%ですが、優遇プログラムでも特に優遇特典はない状態です。円定期預金よりも利率の良い仕組み預金は用意されています。しかし、中途解約はできず外貨建て商品に比べると資金移動の自由度が低い点がデメリットです。

公共料金の引き落としサービスがない

ソニー銀行には、公共料金の引き落としサービスがありません。「Club S」のステップアップ条件にもないので公共料金の引き落としは、優遇サービスのある他行や給与振込口座にしておくと良いでしょう。または、ソニー銀行を引き落とし口座に指定したクレジットカードから公共料金を自動引き落としとすることで間接的にソニー銀行から公共料金を引き落とせます。

ソニー銀行をお得に利用するポイント

ソニー銀行をお得に利用するポイントは、以下の3点です。

1.「Club S」ステージダウン判定は3月・9月だけという点を利用
2.Sony Bank WALLET(Visa)の所持はメリット多し
3.住宅ローンとFXの売買実績でステップアップ

「Club S」は、ステージアップ判定は毎月行っていますが、ステージダウン判定は3月と9月と半年に1回だけです。このタイミングだけステージダウンとならないように資金を預け入れるようにすることでゴールドやプラチナなど高いステージを維持することもできます。またSony Bank WALLET(Visa)を所持することでキャッシュバックや海外利用でのメリットが多く受けられる点も見逃せません。

海外に行く人はもちろんのこと「Club S」でゴールドやプラチナの場合は、国内の各種クレジットカードの平均的なポイント還元率0.5~1.0%よりも多くキャッシュバックを受けられます。さらに「Club S」では、住宅ローンの利用残高があれば最長5年は1ランクアップ、FX取引 月間取引枚数が1,000枚(1,000万通貨単位)以上ある場合翌月1ランクアップする仕組みです。

住宅ローンを利用する予定があるならソニー銀行を選ぶことで優遇・特典を多く受けられます。FX取引については、かなり多くの資金を動かさなければ難しい達成条件ですのでFX取り引きに不慣れな人や資金の少ない人には達成しづらい条件です。

ソニー銀行の利用に向いている人

ここまでの解説を総合してソニー銀行の利用に向いている人の特徴は以下の通りです。

・海外に出かける機会の多い人
・外貨預金など外貨関連の資産を持ちたい人
・ある程度まとまった金額の預金ができる人
・住宅ローンの利用予定がある人

海外へ旅行や出張に出かける機会の多い人は、外貨を使う機会が多くソニー銀行およびSony Bank WALLET(Visa)を利用すると手数料などの面でお得です。「円資産だけでなく外貨でも資産を持ってリスクを分散したい人にもソニー銀行の豊富な外貨建て商品は利用しやすいでしょう。また、「500万円以上のまとまったお金をソニー銀行に預けることができる」「これから住宅ローンを借りる予定」という人にもソニー銀行はおすすめです。

優遇プログラムでより高いステータスが獲得できて、よりお得にソニー銀行を利用できます。

外貨資産を持ちたい方におすすめ

ソニー銀行は、資産のリスク分散のために円資産だけでなく外貨資産も持ちたい人や海外への渡航が多い人におすすめのネット銀行です。自分の資産状況や海外に行く機会が多いかなどを検討することでソニー銀行が自分に向いている銀行かどうかが見えてくるでしょう。自分のライフスタイルに合ったネット銀行を見つけて上手に活用してくださいね。

文・藤森みすず/fuelle

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