新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出や移動の自粛が要請されたことを契機に、出社せずにオンラインで業務を完結する「テレワーク」が広がりを見せています。政府による緊急事態宣言後からテレワークの実施率は急上昇しました。株式会社パーソル総合研究所の調査によると、正社員のテレワーク実施率は2020年3月9〜15日が13.2%で、4月10〜12日は27.9%と2倍以上になっています。

かねてから、国は働き方改革の一環としてテレワークの導入を推奨していました。その流れをコロナショックが一気に加速させた形となっています。本記事では、今後さらに普及が進むと見られるテレワークにおいて不動産投資家が活躍しやすくなる理由と、テレワークを味方につける生産性の高い不動産投資のあり方を解説します。

コロナショックで加速する社会のテレワーク化

テレワーク
(画像=beeboys/stock.adobe.com)

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、政府は対人接触の8割削減を要請しました。8割削減を達成するには外出を伴う出勤も削減する必要があるため、注目されたのがテレワークです。既にインターネット環境など十分なインフラは整備されていることから、テレワークの浸透に必要なのは企業の構造改革や働き方に対する価値観の変化といった、人間側の問題を残すのみといわれてきました。

そんなときに起こったのが、コロナショックです。企業は否応なくテレワークへの対応を迫られることとなり、背中を押されるようにテレワークの普及が進んでいます。その一つの結果として、テレワーク実施者の数が倍以上になっていることは、すでに述べた通りです。本業を持ちながら不動産投資をしている「サラリーマン大家」の中には、本業でテレワークが導入された人も少なくないでしょう。

そもそも不動産投資はテレワークで完結できる

不動産投資はテレワークとの親和性が高いため、テレワークでほぼすべての業務が完結可能であることをご存じでしょうか。不動産投資家の主な業務を以下にリストアップしてみました。

・物件選び
・資金計画、資金調達
・物件の購入、登記
・入居者の募集
・物件の管理、メンテナンス
・物件の売却

これらの業務を踏まえたうえで、不動産投資をテレワーク化できる理由を3つにまとめました。

1.不動産投資は業務の大半をアウトソーシング(外注)できる
2.情報収集や打ち合わせ交渉などはオンライン化が可能
3.防犯カメラなどの導入で遠隔監視が可能

不動産投資のスタート地点である物件選びについては、いくら信頼できる不動産投資会社がいるとしても最終的に自分の目で投資物件を確認することが必要になります。そのため、完全テレワーク化というわけにはいきません。それ以外については基本的にアウトソーシングができるため、オンライン上のやりとりだけで多くの業務遂行が可能です。

不動産投資を完全テレワーク化するとこうなる

すでに述べたように、物件選びの最終段階である現地内覧だけは投資家自身が赴く必要があります。しかし、それ以外の各プロセスについてはアウトソーシングが可能です。それでは、先ほど一覧にした不動産投資家の業務を、それぞれテレワーク化するとどうなるか確認してみましょう。

不動産投資家の主な業務 テレワーク化の内容
物件選び 不動産投資会社への要望、提案などのやりとりをオンライン化
資金計画、資金調達 不動産投資会社、金融機関とのやりとりをオンライン化
物件の購入、登記 司法書士などと電話やオンラインでやりとり
入居者の募集 不動産投資会社とのやりとりをオンライン化、ポータルサイトなどへの掲載を自宅PCから行う
物件の管理、メンテナンス 管理会社とのやりとりをオンライン化、防犯カメラ映像による遠隔監視
物件の売却 不動産投資会社とのやり取りをオンライン化、売却代金の入金チェックをネットバンキングで行う

不動産投資は業務の大半をアウトソーシングできるため、そのアウトソーシング先とのやりとりをオンライン化することで、ほぼ完全にテレワーク化することが可能です。内覧についても将来的にAR(拡張現実)での内覧が発展していけば、不動産投資においても省略できる一面が増える可能性があります。

テレワークで不動産投資を始めてみよう

コロナショックが起こらなかったとしても、社会全体のテレワーク化は遅かれ早かれ進行していたでしょう。国もテレワークを推奨しているため、コロナショック以前からの制度も含めると、さまざまなテレワーク化の補助金制度があります。

例えば、2020年2月17日~2020年5月31日に新規でテレワークを行う事業主には「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」として、テレワークの導入や運用にかかる費用の2分の1(上限100万円)が支給されます。

不動産投資への参入を考えている人は、このような時代の追い風を味方につけてテレワーク型の不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。(提供:Incomepress


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