「現金を持たなくても買い物ができる」キャッシュレス決済の手段が増えてきました。キャッシュレス決済はポイントが付くなど利点はありますが、お金の使いすぎやセキュリティーの問題など気を付けておきたいこともあります。
子どもに持たせるキャッシュレス決済の第一歩として、大学や専門学校への進学を機にクレジットカードを作ろうと思っている人もいるかもしれません。学生がクレジットカードを作る時のポイントや注意点について確認しておきましょう。
「学生専用」のクレジットカードも選択肢の一つ
クレジットカードの申込資格は「高校生を除く18歳以上」ですので、高校を卒業して大学や専門学校へ進学後は申し込みができるようになります。とりわけ、収入額に関係なく申し込み可能な学生専用のクレジットカードなどは、検討しやすい選択肢といえるでしょう。学生専用カードは、大学、短期大学、専門学校、大学院に通う学生に申し込み資格が限定されており、ポイントアップや海外ショッピングでのキャッシュバック、海外旅行保険が無料で付帯されるなどの特典が豊富です。
また、学生専用カード以外で学生(高校生を除く18歳以上)が申し込めるカードもあります。
契約している携帯電話会社の発行しているカードや利用する鉄道会社の発行しているカードなど、生活圏で役立つクレジットカードでも学生が申し込めるものもあるので、「学生専用」カードと比較して検討するのもよいでしょう。いずれも未成年の場合は親権者の同意が必要になります。
学生がクレジットカードを作る時の注意点
クレジットカードを作る際は「ショッピング枠」の他に「キャッシング枠」も設定できます。それぞれ利用上限があり、学生の場合の利用可能額は少ないのですが、キャッシング枠に関しては念のため0円にしておくと安心です。
また、クレジットカードの中には「リボ払い専用」のカードがあります。「毎月の返済額が一定金額で計画的に返済できる」と聞くと、便利なカードに思えますが、実際は手数料などが加算されるので、返済総額は利用した金額以上になってしまいます。学生のうちにリボ払い専用カードを作ることは避けたほうがいいかもしれません。
クレジットカードは利用者の信用(クレジット)に基づき、クレジットカード会社と契約することで代金の「後払い」が可能になるものです。あくまで「借金」である認識を持ち、引き落とし日前には銀行残高を必ずチェックするなど、ルールを守っての使用を事前に話し合っておきましょう。
「家族カード」という選択肢も
もし利用明細を親がチェックしたい場合は、本人のクレジットカードではなく、「家族カード」が便利です。家族カードは、本会員の家族(満18歳以上で高校生は不可)に発行されるもので、引き落とし口座や利用明細は1つにまとめることができます。「本人に任せるのは不安」という人は、家族カードから始めてみるのもいいかもしれません。
トラブルに巻き込まれないために
クレジットカードは個人情報が詰まった重要なものです。盗難などのトラブルに巻き込まれないために、あらかじめ対策をしておきましょう。例えば、電子メールから偽サイトに誘導されてクレジットカード情報が盗まれる「フィッシング詐欺」があります。クレジットカード会社や有名企業を名乗るメールにも注意しておきましょう。
他にも、「クレジットカードのショッピング枠を現金化します」という広告なども見られます。実はこれは会員規約に抵触し、カード業界では禁止されている行為です。カード会員を退会させられる可能性もありますし、その他のトラブルに巻き込まれる危険性も高まります。
それ以外にも、「クレジットカードを人に貸さない」「紛失・盗難に遭った時はカード会社にすぐ連絡する」「身に覚えのない請求がされていないか明細をチェックする」といった管理も必要です。
家計のやりくりを親子で話し合おう
クレジットカードの導入をきっかけに、家計のやりくりや将来設計について親子で話してみてはいかがでしょうか。食費や光熱費など生活にかかる「固定費」、自由に使える娯楽費などの「流動費」、将来のための「貯蓄」という支出項目の中で、クレジットカードで支払う金額の予算を立てておけば使い過ぎ防止につながります。子供がますます広がるキャッシュレス決済と上手に付き合っていけるよう、親としてしっかりサポートしていきましょう。(提供=auじぶん銀行)
執筆者:冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)
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