15日の日経平均は前週比774円53銭安の2万1530円95銭で取引を終え、今月2日以来となる2万1000円台を記録した。
株価下落の波は先週木曜から押し寄せており、国内および各国における新型コロナウイルスの第2波到来を懸念したものとなった。
米国では11日にダウ平均株価が急落し、史上4番目の下げ幅となる1861ドル安を記録。
12日の取引では反発したものの、再び急降下する不安は拭えていない。
また15日、中国・北京市政府は市内最大規模の食品卸売市場で79人が新型コロナウイルスに集団感染したと発表し、警戒心を強めている。
前日14日の時点で「非常時に入った」と市政府が宣言していたことから、株価は早い段階で値を下げた。
一方、ビットコインを筆頭とした暗号資産も大きく価格を落としている。
ビットコインは先週木曜に1万ドル付近から9200ドル台に価格を落とすと、その後は上向く要因を見つけられず軟調な推移をたどった。
その間、インドで再び「暗号資産禁止令」が検討されているという報道や、ハッシュレートが急回復したビットコインにおいて次回のディフィカルティ調整が2桁%以上難化される可能性が示唆されるなど、上値を重くするニュースが相次いだ。
その結果、ビットコインは15日朝方に9400ドル付近を推移していたが、日経平均に連動するようにジリジリと価格を落とし、一時は9000ドル台を割ることとなった。
執筆現在、9000ドル付近でサポートが働き徐々に価格を戻しつつあるが、油断はできない。
先週の木曜、そして今年3月中旬の急落を振り返れば、ダウ平均株価の取引開始前後に暗号資産市場で大きな価格変動を起こす可能性は否めない。
しかし暗号資産にとってはポジティブな要素もある。
中東レバノンで、法定通貨であるレバノン・ポンド(LBP)の急落が止まらず、P2P取引等を通してビットコインがプレミアム価格を記録。
さらにインフレが進む南米諸国でも新型コロナウイルスの感染拡大頃から資産避難を目的とした暗号資産投資が増加しており、経済不安を抱える国を中心に暗号資産需要が日に日に高まっている。
直近では世界経済に連動した値動きを見せている暗号資産市場だが、デジタルゴールドと称されるビットコインを中心に、暗号資産が資産逃避の大きな受け皿になる可能性は十分高いと見ていいのではないだろうか。(提供:月刊暗号資産)