オーストラリアも、アフリカも、トルコについても日本にはなかなか情報が入ってきません。

しかし、 トルコリラの暴落などでも世界中のマーケットに影響が出たり、状況を知っておく事は、投資にとってプラスになります。

そこで今回は、3つの国について話をしていきたいと思います。

それでは今日もお付き合い下さい。

オーストラリアは資源も労働力も豊富

オーストラリアは、鉄鉱石や石炭を軸に、金や銅ウランなども豊富な資源大国です。

その中でも最近では輸出拡大に大きく貢献しているのが、LNG(液化天然ガス)です。

世界のエネルギー消費は、ここ30年ほど毎年1.7%ほどずつ増加しているのに対して、環境への負担が少ないなどの理由で天然ガスの需要はそれを上回る、2.1%ずつ上昇していると言われています。

オーストラリアのLNGの輸出量は2012年の段階では2430万トンでしたが、2017年の輸出量は7000万トン以上となっています。

そして、専門家の間では近い将来カタールに次いで世界2の輸出国になるのではないか?と予想されていました。

ところが2019年は、なんと世界第1位の輸出国になりました。

2019年のオーストラリアのLNG輸出量は7,750万トンに上った報道がありました。

輸出額は490億豪ドル(約3兆6,858億円)。

これに対して、19年のカタールのLNG生産量は7,500万トンだったそうです。

このように、豊富な資源がオーストラリアにはあってそれが、オーストラリア経済の基盤になっていると覚えておきましょう。

中長期目線

オーストラリアは、柔軟な政策によって移民政策を背景にして構造的な人口の増加で内需が拡大して、今後も景気は堅調に推移するとみられています。

そして、オーストラリアは人口ボーナス期に入っています。

15歳から64歳の生産年齢人口がそれ以外の人口の2倍を上回っていて、経済を押し上げる要因になっているということです。

政策

さらに、オーストラリアの魅力は政策運営が柔軟であるということです。

1990年代には民営化の推進と、政府債務の削減、インフレターゲットの導入、確定拠出年金制度の導入など先進的な金融財政政策が実施されてきました。

オーストラリア政府は2012年末にアジア白書を発表しました。

2011年時点で世界13位だった一人当たりGDPを、2025年までには10位以内に引き上げる計画がされています。

(ちなみに2018年データは、14位でした)

そして企業は、配当による株主還元に積極的な会社が多く、オーストラリア株の配当利回りは世界でも高水準にあるという事からも、世界中の投資家から注目されています。

アフリカは資源・工業国

日本ではあまり扱われませんが、アフリカに対しての投資家からの注目度が年々高まっています。

アフリカは、経済が低迷しているというのはもう一昔前の話で、既に成長期に入っています。

アフリカ全体としてのGDPが、毎年のように拡大していて10%以上の拡大をしている国もたくさんあります。

経済の世界では、「最後の巨像」と呼ばれていて、アフリカが本格的に動き出したと言われています。

南アフリカ

アフリカ大陸の最大の経済国である南アフリカは、金やプラチナなどの資源に恵まれた国です。

1990年代に人種隔離政策(アパルトヘイト)が撤廃されて国際社会に復帰しました。

そのタイミングで、海外からの直接投資が増加しました。

資源の開発投資だけではなく、自動車や製造業の投資も活発になっていて、資源国と工業国の両面を持ち合わせるように成長していきました。

BIRICs→BRICS

このような経済発展を受けて、2011年にBRICs結成の首脳会議に招待されました。

そこで、南アフリカが加わったこの会議をBRICS首脳会議(SはサウスアフリカのS)と称されるようになりました。

南アフリカ以外のアフリカはインフラ整備がまだまだ未発達で、経済成長の足かせとなっていますが、潜在力はかなり高いです。

その理由の1つが、大幅な人口増加が見込まれていることです。

国際連合は、アフリカの人口が2010年から50年間のうちに2倍以上になると予想していて、巨大な消費市場に成長する可能性があると考えています。

また、豊富な資源を持っている国が多いことも魅力です。

近年では、世界の主要国がアフリカで資源権益の確保を進める、資源争奪戦の動きが活発になっていて、日本もアフリカへの政府開発援助(ODA)を強化しています。

民間企業でも、特に総合商社などが資源権益の確保などの動きが見られます。

トルコは平和外交

ヨーロッパやアジア、中東、北アフリカに囲まれたトルコは、大昔から東西文明の十字路として栄えてきました。

トルコ経済の特徴は、政府が貿易拡大にとても積極的なことです。

2012年11月にトルコは22カ国と自由貿易協定(FTA)を終結しました。

さらに、EUとは別で関税同盟を結んでいて、一部を除いて関税が撤廃されました。

さらに、トルコ国内に20カ所以上に自由貿易地域を設けて、税制面などからも国内輸出企業を支援するようになっています。

エルドアン大統領

エルドアン大統領は、独裁政権だなんて批判されることも多いですが、2002年のエルドアン内閣発足時には、周辺地域との和平と安定を目指す外交方針を打ち出しています。

これを、ゼロ・プロブレムと呼びます。

アフガニスタンやイラクへの支援に関与するなど多角的な平和外交を展開して、周辺国との経済的な結びつきを強めてきました。

トルコ国内の経済

トルコの個人消費は堅調に推移しています。

国際連合のデータによると、トルコの平均年齢は約28歳で、日本の約45歳に比べるととても若く、人口が約8200万人(2019年)のトルコでは、人口ボーナス期になっています。

今後も、人口の拡大と所得の増加、個人消費の拡大も期待できます。

JETROのデータによると、トルコに現地法人を持つ日本企業の数は197社(2017年10月1日時点)。

これからも経済成長が見込まれる、中東や北アフリカ向けの輸出拠点となることや、トルコ国内でも人口ボーナス期を迎えて消費市場の拡大を考えると、今後も日本企業の進出が増えていくでしょう。

まとめ

今回は、国の事情が株価を動かす第4弾として、オーストラリア、アフリカ、トルコについて話をしてきました。

日本にいるとなかなか情報が入って来ませんが、これから伸びる地域や、消費拡大が見込まれる地域は人口ボーナス期に入っているのが一般的です。

詳しくその国について調べた方が良いとは思いますが、この地域は大体こんな感じだなと大まかにわかっていれば充分だと思います。

そして、投資家は今後成長が見込まれる国や、投資先を見つけるのが得意なので、一般の人がこの地域の投資が熱いと言い始めたときには、既に投資は終わっていると考えておきましょう。

トルコリラなどまだまだ不安定な部分はたくさんありますが、人口増加や経済の成長を考えると投資対象として考えるのも面白いかもしれませんね。

投資は自己判断でよろしくお願いします。

今日も、読んでいただきありがとうございました。(提供:Investing.comより)

著者:せんと