要旨

金融サービス仲介,フィンテック法
(画像=PIXTA)

第201通常国会で成立した「金融サービスの提供に関する法律」は、主には電子決済代行業者等のフィンテック会社に、銀行商品、保険商品、投資商品等の販売の仲介を認めるものである。現行法では、一般的に、金融機関からの委託を受け販売を行うこととされており、所属金融機関からの指導監督を受け、不適正な行為に関する賠償責任は所属金融機関が負うこととされている。

金融サービスの提供に関する法律は、新たに金融サービス仲介業を認めた。金融サービス仲介業者は、登録することにより、銀行業、保険業、金融商品取引業、貸金業の仲介を業として行うことができる。金融サービス仲介業者は金融機関から独立した事業者として、金融機関から指導監督を受けることなく、また賠償責任は金融サービス仲介業者自身が負うこととなる。

金融サービス仲介業者は、各業法を、金融サービスの提供に関する法律が準用することにより、行為規制が行われる。また、賠償責任を負う可能性があることから、一定の財産規制を受け、かつ顧客資産の預け入れを受けることはできない。

電子決済代行業者や資金移動業者などが金融サービス仲介業者となることで、日本におけるフィンテックが一層加速することが期待される。