この記事では、アメリカでの新型コロナウイルスの感染状況とワクチン開発状況をまとめているサイトをいくつか紹介します。

いまやFRB議長までもが今後の経済の行方は「ウイルス抑制の成否に大きく左右される」と言っている状況なので、米国の経済を占う意味でも、ちゃんと状況を把握する必要があります。

サイトを紹介するだけでなく、数字をどのように見ると良さそうかも含めて、各サイトに触れていきます。

この記事で紹介するサイト

この記事で紹介しているサイトはいずれも英語のサイトですが、各サイトともグラフや数字が中心なのでそれほど英語力は必要ではありません。

もしも、英文の意味がどうしても文の意味がわからずPCでChromeブラウザを使っている場合は、以下のサイトの方法でページごと翻訳してみると、なんとなく意味がわかることもあります。

Google Chrome – 翻訳ツールの表示設定(オン/オフ)

最新の感染状況をするダッシュボード

1つ目は世界中のニュースサイトでも参照されている米国ジョンズ・ホプキンス大学のCOVID-19ダッシュボード(PC版,スマホ版)です。

Investing.com
米国ジョンズ・ホプキンス大学COVID-19ダッシュボード(画像=Investing.com)

このサイトは日々、最新の新型コロナウイルスの感染状況を追いかけています。このダッシュボードの詳しい見方は以下ページも解説しています。

感染増加傾向を視覚的に見るサイト

最新情報を追いかけるなら上のダッシュボードでも十分ですが、感染の増加傾向を視覚的にパッと把握したいなら以下のサイトも有用です。

worldometersの世界ページ
worldometersの米国ページ

このサイトの一番素晴らしい点は、新規感染者数などのグラフにボタン一つで「7日間移動平均(直近7日間の平均値)」の線を表示できて、増加傾向があるのか見ることができます。

Investing.com
青線がアメリカの新規感染者数の7日移動平均(画像=Investing.com)

「日曜日は新規感染者の増加が少なくなる」などの曜日ごとに見られる影響を除いて、感染の増加傾向を見ることができます。

また2003年に中国でSARSが流行したときには、新規感染者数のピークを迎えたところで、香港株が底値をつけました。

Investing.com
SARS流行時の香港株(灰線:新規感染者数、青線:株価)(画像=Investing.com)

今後、新型コロナウイルスの感染拡大で米国株が下がる局面があるならば、新規感染者数がいつピークをつけるのかをグラフから傾向を掴んで、投資のタイミングを図るのも1つのアイディアです。

アメリカの州ごとに経済再開状況を見るサイト

アメリカの州ごとの経済活動再開の状況を調べるならCOVID Exit Strategyというサイトがおすすめです。

Investing.com
州ごとに安全に経済活動再開ができているか色分けしている(画像=Investing.com)

2020年6月30日時点で上の図のように、既に多くの地域で赤く染まって、新型コロナウイルスを抑えながらの経済活動再開に失敗している状況なのですが、このサイトの良い点は「どの州の感染拡大が深刻かを掘り下げるデータが揃っていること」にあります。

州ごとの増加傾向と陽性率

COVID Exit Strategyには様々なデータ一覧があり、感染状況が悪化している州を多角的に調べることができます。

たとえば、以下の図の一番下に表示されたアリゾナ州(Arizona)は感染者数が2週間で倍に増えていて、なおかつ陽性率も23.9%と極めて高い水準にあり、深刻な状況になっていることがわかります。(陽性率は5%を超えると警戒すべき水準と言われています)

投資家やアナリストの中には「4月に比べて6月に新規感染者数が増えているように見えるのは、検査数が多いからだ」と株価を楽観視する動きもありますが、一部の州では、陽性率を見る限り、検査数も増えているだけでなく感染者も増えていることがわかります。

ICUや病床の空き状況

新型コロナウイルスの感染者が増えると、しだいにICU(集中治療室)に空きがなくなります。そして、いよいよICUの空きがなくなって都市封鎖をせざるをえなくなると、その地域の経済に多大な影響がでます。

つまり、アメリカ経済は都市封鎖とその原因となるICUの空き状況にかかっているのですが、ICUの空き状況から都市封鎖が近い州を調べることもできます。

以下はICUの空き状況を州ごとに見ていますが、ここでもアリゾナ州はICUの空き状況は21%と低く、かつ2週間で入院患者は増加傾向にあるので、都市封鎖に向かっていることがわかります。

Investing.com
ICU空き状況ICU空き状況(画像=Investing.com)

ワクチン開発状況

新型コロナウイルスの感染が広がる中での、希望の光はワクチンの開発です。

世界中で新型コロナウイルスのワクチンの開発が進んでいますが、ニューヨーク・タイムズのコロナ・ワクチントラッカーは、新型コロナウイルスの有望なワクチンをピックアップして、会社ごとに開発状況・試験状況をまとめています。

(このサイトは英文での解説がメインなので、必要であれば前述の翻訳ツールを活用してください)

一般に、薬やワクチンは、第1相(Phase1)から第3相試験(Phase3)までの3段階の試験をパスし、米国食品医薬品局(FDA)と呼ばれるアメリカの機関が安全性と効果を認めたものだけが使用可能になります。

2020年6月末の段階では、アストラゼネカなどのいくつかの企業が既に第3相試験を開始しリードをしています。

ワクチン開発状況は夏から秋にかけて、各社進展があるはずなので、要チェックだと思っています。(提供:Investing.comより)

著者:YUTA