世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルスは、日本を含む世界経済に多大な影響を及ぼしています。日本は、地震や台風などの自然災害も多いため、夏から秋にかけて複合的な経済変動要因が考えられます。また、長期的視点では、少子高齢化による労働人口の減少などの社会環境も大きな課題として存在します。
短期、長期の両方の環境を考慮し、予期せぬ事態に備えて資産を守る必要があります。その際のキーワードの1つと言えるのが「分散投資」です。ここでは、分散投資の中でも、思わぬ円安による日本円の価値消失に備える意味で、外貨建て資産に注目します。
日本の債務が1,000兆円を超えるなど危機的状況
日本の債務は2019年度末1,114兆5,400億円までに膨れ上がり、過去最大の額になっています。国民1人当たり約885万円の債務を抱えていることになるのです。さらに、新型コロナウイルスに対する経済対策のために、多大な資金が費やされることが予測され、日本の債務はさらに増加する見通しです。
さらに大きな問題点は、債務増加のスピードが加速している点です。日本の債務額を時系列で見てみると、1981年度に100兆円を超え、19年後の2000年に500兆円を超えました。1,000兆円を突破したのは2016年6月、2019年が1,114兆5400億円ですので、増加スピードが加速していることが分ります。債務は歳出削減や増税でまかなえるものではなく、日本経済が順調に成長していくことが、問題解決の大前提です。
国の経済危機の可能性もゼロではない
日本を取り巻く近年の社会環境の変化として、高齢化、グローバル化、情報化が挙げられます。3つの変化の中で世界各国と比べて突出しているのが高齢化です。欧米の先進諸国においても高齢化は進んでいますが、日本の高齢化の規模とスピードは他の国では例を見ません。
日本経済成長の突破口であった東京五輪が延期され、新型コロナウイルスによる影響によって、見込んでいた経済成長率は大きくマイナスに修正されています。円安や株高を背景に推進されてきたアベノミクスにも陰りが見えてきています。すぐではなくても、将来的に国の経済が危機を迎える事態も頭の片隅に置いておきたいところです。
円が信用力を失えば円預金の価値は下がる
将来的な見通しを正確に予測することが困難な中、価格変動リスクを低減させるためには、資産を分散することが有効です。そして、資産の分散の基本的な手法の1つが通貨の分散です。通貨の分散とは、円だけでなく外貨で資産を保有することで、外貨預金をはじめ、外国株式、外貨建てMMF、外国の投資信託、外国債券などの金融商品を活用します。円が信用力を失い、円預金の価値が下がるリスクを低減できます。
仮に、日本円への信用が失われて円安になると、原材料など外国からの輸入にかかるコストが上がります。そうした事態から過度のインフレが起きたりすれば、缶コーヒー1本が1,000円になるような事態も考えられなくはありません。そのとき、いま手持ちの日本円の価値は大きく失われるわけです。
ドル建て資産は値上がりする
万が一のそうした事態への対応方法として、外貨建て資産が有力です。たとえばドル建てで資産を保有していれば、円安に向かった際に資産の値上がりが期待できます。また、高金利の外貨建て資産を保有することで、利息収入が期待できます。もちろん、円高に向かった際にはドル建て資産の価値は下がるので注意が必要です。
リスクヘッジにつながる外貨建て資産をポートフォリオに
資産を増やすことは重要ですが、守りも同じように重要です。運用商品を購入する際は、プラス面を見て判断することが多いかもしれませんが、不測の事態などマイナス面が起きた際の対応もよく考えておく必要があります。
通貨の分散は、不足の事態が起きても資産ポートフォリオを守る有効な手段です。資産のある程度の割合をドルなど外貨建てで持っておくことは、リスクヘッジという意味で有力な選択肢となります。(提供:JPRIME)
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