国連経済社会局(UNDESA)は10日、国連加盟国193カ国を対象に、行政のデジタル化を示す「電子政府」の調査結果をまとめた「世界電子政府ランキング」を発表した。
このランキングは「オンラインサービス」「通信インフラ」「人的能力」の3つの観点から指標を算出する「電子政府発展指数(E-Government Development Index:EGDI)」もとに構成されたものだ。
指標は0.0〜1.0の範囲で点数化され、2020年の世界平均は0.60で、前回2018年の指標が0.55、2016年は0.49であったことを鑑みると、着実に伸びていることがわかる。
以下はそのランキングだ。
- デンマーク 0.9758
- 韓国 0.9560
- エストニア 0.9473
- フィンランド 0.9452
- オーストラリア 0.9432
- スウェーデン 0.9365
- イギリス 0.9358
- ニュージーランド 0.9358
- アメリカ 0.9297
- オランダ 0.9228
なお最下位は南スーダンで、EGDIは0.0875であった。
日本は前回ランキングよりも4つ順位を落とし、14位(0.8989)という結果になっている。アジアだけで見れば韓国に次ぐ2位となる。
しかし点数自体は前回の「0.8783」よりも上がっており、さらに2018年のランキングであれば5位に相当することを踏まえると、世界的に電子政府としてのレベルが向上したことになる。
実際、EGDIが「0.75」以上のグループを示す「Very high and high EDGI groups」は2018年が40カ国であったのに対し、2020年では57カ国にまで増えている。
UNDESAが出したレポートには各国の電子政府における現状や評価をまとめた項目が記載されており、日本は電子政府の総合窓口となる「e-Gov:イーガブ」について紹介された。
また、「政府がデジタルトランスフォーメーション(DX)の計画に関して、新技術の活用や人材育成を中心にガバナンスの強化および国民生活の向上を目指している国だ」と称された。
行政の電子化とブロックチェーンの親和性というのは極めて深い関係にある。日本よりも上位にランクインしたエストニアやオーストラリアなどはブロックチェーンの導入に対し積極的な国で、国家的に推進している。
現状、日本では業界団体などが政府に対してブロックチェーンへの取り組みを強化するよう求めている状況だ。ブロックチェーンの導入が電子政府における順位上昇や国の電子化を推し進めるものとは一概に言えない。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大によって浮上した「ハンコ文化」等を鑑みれば、システムの合理化を図るために次世代技術の導入を積極的に検討していく姿勢は極めて重要だ。(提供:月刊暗号資産)