資産形成からみるマイニング

まずは簡単に筆者の自己紹介をさせていただきます。

  • マイニング歴: 6年
  • パソコン自作歴: 20年

マイニングを始めたきっかけ:マイニングする機械が自作PCで作れることをネットで知って、社員が研究してみたいと言われて始めてみました。

マイニング関連のエピソード: ブログ等を公開することでいろいろな方と知り合いになれたり、マイニング関連の仕事につながったりしたことです。

これからマイニングを始める人に一言: マイニングにはいろいろな楽しみ方があるので、利益だけを追求することなく暗号資産の仕組みを勉強しながら楽しんでほしいです。

月刊暗号資産
(画像=月刊暗号資産)

マイニングとは

マイニングとは、ブロックチェーンを繋ぐ為の計算作業を行う代わりに、暗号資産を報酬として受け取ることです。

たとえばビットコイン(Bitcoin)では、1回のマイニングに成功すると2020年現在6.25BTC、日本円で約625万円ほどを受け取ることができます。ビットコインの場合約10分に1回、ブロックが生成されますので、1日に受け取れるマイニング報酬の総額は約9億円になります。この報酬を効率よく獲得するために、マイニングのための計算だけを行う専用のマイニングマシン(ASIC)も販売されています。これらマイニングマシンを数多く集めて、大量の電力を引き込み、昼夜問わず稼働させるデータセンターなどの施設を「マイニングファーム」と呼びます。

しかし、なぜ機械で計算を行うことによって利益が出せるのでしょうか。これを理解するためには、そもそもブロックチェーンがどのような仕組みになっているかを知る必要があります。興味がある方は別途ブロックチェーンの仕組みをご参照ください。

ビットコインマイニング事業は、専用のマイニングマシンを購入し、電気代がとても安く供給され、寒冷な地域(海外)に設置し、マイニングを行うことで利益を出すことができます。

例えば1,000万円を投資する場合、マイニングマシンを750万円分購入し、送料と関税の支払いに150万円、100万円を設置手数料や初期費用に充てます。 このマイニングマシンから生み出されるビットコインは現在のビットコイン価格に換算すると約80万円になり、費用としてかかる電気代が約40万円ぐらいかかりますので、毎月の収入を差し引きおおよそ40万円残ります。つまり年間収入が480万円になります。おおよそ3年間は利益を生み続けると仮定すると1年間あたりの減価償却費、334万円を差し引き、毎年146万円の利益を得ることができます。毎年同じ利益と仮定しますと、累計利率は「1年目14.6%」「2年目29.2%」「3年目43.8%」となります。

以上、簡単に計算を行いましたが毎年同じ利益が出ることはまずありません。実際は初年度の利益が大きい為1年目が利益率が高く、2年目以降は競争が激化して下がる傾向にあります。2019年の場合はタイミングよく年始にマイニング投資を開始できた方は投資時期よりもビットコイン価格がその後大幅に上がった為、1年目年利110%(投資全回収) 2年目以降は投資額の1%前後(年利12%前後)を毎月貰える状況にあります。

月刊暗号資産
(画像=月刊暗号資産)
1000万円投資時の予算配分
月刊暗号資産
(画像=月刊暗号資産)
1000万円投資時の月間・年間予想収益

また例えばビットコイン価格が現在の1.5倍の価格になった場合は月間利益は「120万円-40万円-28万円=52万円(月利率5.2%)」となり驚異的な利率となります。

つまり現時点でビットコインの将来的値上がりも加味すると

月利1.2%〜5.2%
年利14.8%〜62.4%の収益を得ることが可能な投資内容となります。
(2020年実測値)

もちろんリスクとしてビットコイン暴落時は最悪赤字に転落します。

ただし赤字の場合でも5年間を通して投資額と同額の減価償却費として節税ができます。
(5年間毎年減価償却費として計上)

マイニング事業は2015年,2016年,2017年は順調にビットコイン価格が上がった為黒字で推移し,2018年は1月のビットコイン価格が最高値を付け、その後価格が落ち込んでいった為大赤字という結果になりました。

2019年も価格がある程度上がった為1月〜4月までに投資された方は2020年すでに元本回収して全て利益、それ以降の方も月利1〜5%程度の収益を得ています。

マイニング投資とビットコイン現物を購入することとの大きな違いは3点ありまして、

  • 相場が安定していても収益が出る
  • ビットコインブロックチェーンのインフラ創りに貢献できる
  • 法人で投資した場合は5年間でのマイニングマシンの減価償却か1年単年度一括償却(マシン1台あたりの値段が10万円未満の場合)として投資した分が節税できる。

ということになります。

投資開始に適した時期はビットコイン価格が低迷している時期がマシンも安く、非常にマイニング投資に向いております。

例年の事ですがビットコインが盛り上がっていない時にマイニング投資した方が大きな収益を得ています。それは様々な点において競争が少ないからです。

ビットコインが値上り注目される前の段階の今が1番狙い目と考えております。ビットコイン価格が上がってしまってからのマイニング投資はオススメ致しません。最近また暗号資産への期待が膨らむニュースが増えてきましたので期待して良いと思います。

今回はマイニングを投資の観点から簡単にご紹介させていただきました。次回からはマイニングの環境や種類等の詳細を紹介して参りたいと思います。(提供:月刊暗号資産

木村 武弘(きむら たけひろ)
福井県出身。慶應義塾大学環境情報学部卒業。
在学中に株式会社ケイビーエムジェイ(現株式会社アピリッツ)を設立し、取締役副社長に就任。大学の教授陣や楽天創業メンバー等の支援を受ける。
大学卒業後、2002年に代表取締役社長に就任。
「世界中の人々に愛されるインターネットサービスを創り続ける」を経営理念に掲げ、レコメンデーションエンジンやSNSエンジンをはじめ、様々なシステム・サービスの開発に着手。
2009年にスマートフォンアプリケーション開発を専門とする株式会社KBMJiを改組設立し、代表取締役に就任。
2015年からブロックチェーンの研究開発に取り組み、翌年よりブロックチェーンマイニングを開始する。
2018年には海外でブロックチェーンマイニング拠点を設立。