先月23日頃から大きく価格を上げている暗号資産相場。主要銘柄となるビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などが年初来高値を更新し、多くの銘柄が後に続いた。

ビットコインは1日未明頃から上昇すると、そのまま右肩上がりの推移を見せ一時1万2000ドル(約127万円)を突破。1万2000ドルを突破したのは昨年8月以来、約1年ぶりとなる。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

これはイーサリアムやリップル(XRP)など、主要アルトコインが高騰したことによって追い風が吹いたものとみられる。

また、NY金先物において1トロイオンス2000ドルまで上昇したこともトリガーの1つとなったことだろう。

しかし、直近で意識されていた1万2000ドルに到達したことで安堵感が生まれたせいか、2日昼頃に128万円台まで上昇したビットコインは約10分で115万円台ほどにまで急落。取引所によっては最大100万円近くまで下落する事態となった。

執筆現在は118万円台を推移しているが、一度大きく価格が動いた後だけに、今後もボラティリティが高い波を描きそうだ。

ビットコインの暴落に、市場を牽引していたイーサリアム、リップルの両銘柄も影響を受けた。

特にイーサリアムは月末の勢いそのままに上昇し続け、1ヶ月比で約60%増となる410ドル(約4万3,400円)にまで到達。価格上昇につながる好要因が相次ぎ、連日の2桁%上昇となった。

またリップルも発行元である米リップル社主催の「Swell」開催以降、好調な推移を見せている。

リップルは上記2銘柄と違い、ドルなどの法定通貨建ではなくBTC建での高騰が先月末より目立っていた。その流れを受け、2日にBTC建で急騰したことにより、法定通貨建でも買いが増したようだ。

リップルもイーサリアム同様2桁%の高騰を見せ、2月に記録した年初来高値である35円台に大きく迫った。

現在は両銘柄ともビットコインの急落によって価格を落としている。

しかし、この一連の急落はあくまで価格の大幅上昇による利益確定売りによって生じたもので、今後短いスパンで再び上昇へ転じていくのではないだろうか。

何より世界経済が不安定さを増すなか、金(ゴールド)と同様に暗号資産市場が好調を維持していることを踏まえると、今後FOMO(取り残される恐怖)を誘発し、さらなる価格上昇を見せる可能性もあるだろう。(提供:月刊暗号資産