不動産投資を始めるときには「投資物件と不動産会社、どちらを先に決めるか」という選択があります。初心者の場合は「不動産会社を先に決める」とよいでしょう。本記事では、両者の契約までの流れやメリット・デメリットを比較したうえで、初心者が不動産会社を先に決めたほうがよい理由について解説します。
「投資物件を先に決める」場合の流れとメリット・デメリット
「投資物件を先に決める場合」と「不動産会社を先に決める場合」の契約までの流れを比べてみましょう。同じ不動産投資でも両者の流れやメリット・デメリットは異なります。まず投資物件を先に決める場合、基本的な流れは以下の7ステップです(ローン利用の場合)。
- 物件検索サイトや広告などで物件情報を収集する
- 収集した物件情報を比較する
- 気になる物件を扱う不動産会社に問い合わせをする
- 不動産会社との面談や現地訪問などを行う
- 「購入したい!」と思ったら買い付けを入れる
- 物件を抑えられたら売買契約・ローン申し込みなどを行う
- 融資の実行や物件引き渡し、登記など
「投資物件を先に決める」のメリットは、たくさんの候補の中から気に入った物件を選べることです(上記のフローの1と2の部分)。一方ムダが多くなりがちなことはデメリットといえるでしょう。情報収集には時間と手間がかかったり、せっかく買い付けを入れても他の投資家に物件を抑えられていたりすることもあります。
「不動産会社を先に決める」場合の流れとメリット・デメリット
不動産会社を先に決める場合の基本的な流れは以下の5ステップです(ローン利用の場合)。
- セミナーや紹介などを通して不動産会社と接する
- 不動産会社から投資物件の提案を受ける
- 「購入したい!」と思ったら買い付けを入れる
- 物件を抑えられたら売買契約・ローン申込などを行う
- 融資の実行、物件引き渡し、登記など
先に紹介した「投資物件を先に決める(7ステップ)」と比べるとステップ数が2つ少なくなりました。不動産会社を先に決めるメリットは、手間が少ないことです。自分で物件情報を収集しなくて済むため、手間がかかりません。デメリットは不動産会社が提案してくる限られた投資物件の中から選ばなくてはならないことです。
初心者は「不動産会社を先に決める」ほうが向いている
投資物件と不動産会社のどちらを先に決めるかの選択は、「こちらが絶対によい」ということはありません。なぜなら不動産投資をする人の知識や経験によっても選ぶポイントが異なるからです。例えば中・上級者の不動産投資家であれば、どちらが先でも問題ないでしょう。自分で収集した物件情報と不動産会社から提案された物件情報を合わせてチェックしながら、投資基準(得意なジャンル、エリア、利回りなど)にあった物件が出てくれば買い付けを行うと効率的です。
しかし不動産投資の初心者の場合は「不動産会社を先に決めるほうがよい」といえるでしょう。なぜなら初心者は、投資基準があいまいなため誤った物件選択をしてしまう可能性があるからです。プロフェッショナルな不動産会社の提案・アドバイスを受けながら投資物件を選ぶほうが安心といえるでしょう。ただし注意点をしっかりと押さえておくことが大切です。
信頼できる不動産会社を選ぶためのチェックポイント例
不動産会社を先に決める際の絶対条件は「信頼できる不動産会社を選ぶこと」です。そもそもアドバイザーの不動産会社が悪徳であったり、コンサルティング能力がなかったりすれば元も子もありません。信頼できる不動産会社を選ぶコツは、「営業パーソンが好印象」といった感覚ではなく不動産会社の信用力にフォーカスすることです。例えば以下のようなチェック項目が考えられます。
- 歴史のある会社か
- 販売(開発)実績数が多いか
- 管理業務もしているか
- 管理物件の稼働率はどれくらいか
- 売却したくなったときにフォローしてくれるか
創業からの歴史や販売物件数の多さは、数多くの顧客に貢献してきた証です。例えば、数十年以上といった歴史があり、数千戸レベルの売買実績があったりする不動産会社が理想です。また販売後の管理業務もしているということは「売りっぱなし」ではないということです。あわせて管理物件の稼働率が高ければ、入居者ニーズに合った収益性のある物件を取り扱っているということになります。
稼働率に絶対的な基準はないものの、都心であれば90%台半ば以上が目安です。また投資物件を売却するときにフォローをしてくれるかも重要なポイントといえるでしょう。老後資金のためにずっと運用しようと思っていても、事情が変わって売却する可能性もゼロではありません。そんなときに責任を持ってフォローしてくれる不動産会社なら安心です。
その会社の管理物件の稼働率や売却フォローの確認は、公式WEBサイトでチェックしたり、営業担当をヒアリングしたりするのがよいでしょう。稼働率については管理物件がトータルで何件あり、直近の稼働率がどれくらいかを、また売却フォローについてはどれくらいの実績があり、具体的にどのようなサービスが受けられるのかをチェックしましょう。
信頼できる不動産会社を探すための方法は?
「どのように信頼できる不動産会社を選ぶのか」については以下のようなさまざまなパターンが想定されます。
- ネット上で複数の不動産会社を比較して選ぶ
- 知人から紹介してもらう
- セミナーに参加して選ぶなど
どの方法で選ぶときも大事なことは、不動産会社の信用力を数字(販売実績数や稼働率など)で確認することです。HP上で公開されていないような情報は電話やメール、訪問で問い合わせることで目安を知ることができます。やや手間がかかるプロセスですが、同時に不動産会社の応対についても確認できるため押さえておきたいポイントです。
不動産投資を行う場合に選定する不動産会社は、生涯の資産運用をサポートしてくれる存在だけにファクト(事実)をベースに慎重に選ぶようにしましょう。(提供:Incomepress )
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