英タイムズ紙の高等教育情報誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)』による「アジア大学ランキング2020」が発表され、トップ10を中国・香港(各3校)、シンガポール(2校)、日本・韓国(各1校)が占めました。注目はトップ2の中国と、トップ50に食い込んだマカオの2校。その強みや日本のトップである東京大学と違いも見てみます。

THEアジア大学ランキング、第7位に東京大学がランクイン

THEアジア大学ランキング
(画像=zhang yongxin/stock.adobe.com)

ランキングは5つの領域(学習環境・研究・被引用論文・国際性・産業の収入)における13のパフォーマンス指標に基づき、アジア30カ国・地域の大学ほぼ500校を評価したものです。トップ10校は以下の通りとなりました。

▽THE「アジア大学ランキング2020」Top 10
10位:中国科学技術大学(世界順位80位)
9位:ソウル大学校(64位)
8位:香港中文大学(57位)
7位:東京大学(36位)
6位:南洋理工大学(48位)
5位:香港科技大学(47位)
4位:香港大学(35位)
3位:シンガポール国立大学(25位)
2位:北京大学(24位)
1位:清華大学(23位)

日本からは5校がトップ50入り。第7位の東大の弱点とは?

日本からは東京大学がトップ10入りを果たし第7位となっています。ランキング全体では110校がエントリーしており、2019年に引き続き国別では最多数を維持しました。東京大学が1ランクアップしたほか、京都大学(12位)、東北大学(30位)、名古屋大学(41位)、東京工業大学(42位)がトップ50入りしています。

一方、81校がエントリーした中国は清華大学が2年連続で首位に輝いたほか、北京大学が3ランクアップで2位となりました。両校は世界ランキングでも、トップ25に選ばれています。

評価項目中「国際性」の低さが最大の弱点となっている東京大学と比較すると、この国際性のスコアは両校ともに高く、被引用論文や産業による収入などでも評価が高くなっています。

中国トップ2校は科学・工学に注力

1898年に中国初の国立校として創設された北京大学(当時の京師大学堂)は、2000年に北京医科大学と合併して新たに医療コース分野が追加されたほか、理学部、情報科学および工学部、人文学部、社会科学部、経済およびマネージメント学部で構成されています。

英語で受講可能なコースも提供するなど国際化にも積極的であり、教員のうち53人が中国科学院のメンバー、7人が工学アカデミーに属しています。科学・工学分野における強みを感じさせるものです。

1911年に設立された清華大学は「国内で最も権威と影響力のある大学の1つ」として、現在・未来の世界のリーダー育成に注力しています。習近平国家主席を筆頭に数々の著名人を輩出しており、トニー・ブレア元英首相やビル・クリントン元米大統領などを講演ゲストとして招聘したことでも知られています。

日本でいう学部に相当する20の学院と57の学科で構成されており、科学、工学、芸術、文学、社会科学、医学などの幅広い分野で学習の機会を提供しています。

注目株のマカオ。その魅力とは?

トップ50を見てみると、2校ランクインしているマカオの大学に注目です。今回初登場ながら32位のマカオ科学技術大学(澳門科技大學)と、2019年から5ランクアップで37位となったマカオ大学(澳門大学)です。

2000年に設立されたばかりのマカオ科学技術大学は教育環境、研究環境、業界の収入の分野で改善点が必要とされているものの、社会科学から物理科学、法律、経営学、ビジネス、医学、薬学、観光、芸術、コミュニケーション、言語まで幅広い分野をカバーしており、国際的な展望と被引用論文では突出した評価を得ています。

一方のマカオ大学は1981年に私立東アジア大学として設立され、1991年に公立化されています。総合的にはまだまだ成長過程にあるものの、「国際的な展望」は世界9位と世界の教育の土俵で競うことができる可能性を評価されています。

130以上のプログラムを提供するしており、特に工学、化学、コンピューターサイエンス、薬理学、材料科学、臨床医学、精神医学、社会科学の8科目が、科学分野におけるトレンドや研究者・機関、論文、ジャーナルなどのデータソースであるESIのランキングでも高評価を得ています。

また10の寄宿寮を有する「アジア最大かつ最も完全な大学システム」を誇るなど、留学生の受け入れ体制でも高い評価を得ています。

近くて優秀なアジアの大学は、子どもの将来の留学先候補にも

「将来、子どもを海外の大学に留学させたい」と考えている親は多いことでしょう。このTHEアジア大学ランキングを見ていると、国際競争力に富んだ大学やこの先成長する可能性を秘めた大学は、欧米だけではなくアジアにもたくさんあることがわかります。子どもの得意分野と将来への希望を考慮しながら、検討してみてはいかがでしょうか。(提供:JPRIME


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