2020年8月27日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

本日27日(木)は、米ワイオミング州・ジャクソンホールで行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演に関心が集まっている。市場には、議長がインフレ目標の見直し(平均物価目標)に言及するとの期待が根強い。これは、米インフレ率が将来的にFRBの目標である2%を上回っても、これを下回っていた期間と平均して2%に収まっていれば利上げは行わないとする考え方であり、事実上の緩和長期化宣言だ。講演タイトルが「金融政策の枠組み見直し」であるだけに、議長が平均物価目標に全く触れない可能性は低く、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での導入が示唆されれば、ドルを圧迫する事になるだろう。ただ、平均物価目標の導入は、FRBが将来的な米経済の過熱を黙認すると宣言したも同然となるため、米国株の続伸を後押しする事で円売り要因にもなりやすい。また、市場はFRBの平均物価目標導入をかなりの割合で織り込んでいる。このため、米長期金利の低下が進まないようなら、二次反応はドルの買い戻しとなっても不思議ではない。ただし、この場合は米国株が崩れる可能性が高く、円も買われる公算が大きい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日27日(木)のパウエルFRB議長の講演が米ドル/円相場に与える影響は、総合的に考えると、米長期金利や米国株の動向に左右されるものの、それほど大きなものにはならないのではないだろうか。一方、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円は、ドルと円が同じ方向に動きやすくなる事で大きく変動する可能性があるため注意が必要だろう。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。