8月19日、アップルの時価総額が米企業として初めて2兆ドルを突破した。アップルの時価総額が1兆ドルを突破したのは2018年のことで、わずか2年で2倍になった。ちなみに、時価総額が2兆ドルを超えるのは2019年12月にサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」が上場直後に記録して以来、2社目である。現在、サウジアラムコの株価は原油安を背景に低迷しており、足元での時価総額は1.8兆ドル台で推移している。

米株式市場は、新型コロナ禍でハイテク株への投資マネーの流入が加速しており、アップルの時価総額2兆ドル突破はそれを象徴する出来事となった。ただ、その一方でウォール街の市場関係者からは、株式市場で一握りの銘柄の影響力が強まっていることや、若年層を中心とした株式投資ブームが過熱ぎみなことへの警戒もある。

今回は新型コロナ禍のハイテク株人気についてリポートする。

バフェット氏のポートフォリオ、アップルが約半分に

アップル,株価
(画像=st11japan / pixta, ZUU online)

8月24日、アップルの株価は年初来の高値となる515.14ドルを記録した。今年3月23日の安値212.61ドルから2.4倍となっており、新型コロナ危機はむしろ追い風となったようだ。実際、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務やオンライン授業が増えたことで、アップルのパソコンやタブレット、スマートフォンの需要が高まった。筆者の住むニューヨーク市の公立学校ではオンライン授業に伴い、希望者にはiPadが無償で貸与されている。こうした「コロナ特需」とも呼べる現象に加えて、次世代通信規格「5G」対応端末の買い替え需要への期待もサポート要因となった。さらに、7月下旬に発表した2020年4~6月期決算で、売上高と利益がともに市場予想を上回ったことも好材料となった。

もう一つ、話題を呼んだのはウォーレン・バフェット氏のポートフォリオだ。バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイのアップル株への投資額は6月末時点で1220億ドル相当となり、ポートフォリオに占める比率は約44%となった。ポートフォリオの約半分をアップル株が占めているわけで、バフェット氏に追随した買いを誘発した可能性も指摘されている。

投資マネー、ハイテク株への流入が続くか?