前回のコラムでは、筆者の実体験を交えながら「介護リスク」とどう向き合うべきか、対処法や心構えについて解説しました。「介護リスク」はある日突然始まります。しかし、「もしもの時」に何をすれば良いのか理解していれば精神的な負担を軽減することが出来ます。

「介護リスク」のシチュエーションは様々です。たとえば、母親が倒れた場合と父親が倒れた場合では、必要なサービスが変わりますし、「要介護度」によっても受けられるサービスが変わってきます。しかし、基本となる介護保険の仕組みさえ理解できれば大丈夫です。

今回は、介護保険の手続きや、介護サービスの仕組みについて解説しましょう。

介護保険の基本の「き」

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(画像=マツ / pixta, ZUU online)

40歳以上の人は原則「介護保険料」を支払っていますが、そもそも介護保険っていったいどんな保険なのでしょうか?

介護保険とは「介護サービスを原則1割負担で受けることができる保険」のことです。具体的に受けられる介護サービスは「要介護度」で変わります。すなわち、「要支援1・2」と「要介護1〜5」の7段階に分かれており、どの段階に該当するするかによって受けられるサービス、支給限度額が決まります。また、前述の通り、自己負担額は原則1割ですが、所得によって2〜3割の負担になるケースもあります。

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繰り返しますが、「介護リスク」はある日突然始まります。ですから、できるだけ早く、そして効率よく介護サービスを受けたいものです。

前回のコラムでは、筆者の母親が軽い脳梗塞で倒れ、介護サービスを受ける等のエピソードを紹介しました。ちなみに、母の入院期間とリハビリ期間はあわせて2カ月でした。その後は自宅療養となるのですが、筆者の実家は遠距離で父は94歳、母は88歳の二人暮らしです。いわゆる「老老介護」になるのですが、高齢の父に料理や家事はできません。介護サービス無しには生活が成り立たないので、退院時に迅速に介護サービスをスタートさせる必要がありました。