人生には様々なリスクがあります。筆者のFP事務所にも様々な相談が寄せられるのですが、意外と見落としがちなのが「介護リスク」です。両親は元気だし、とりあえず「介護リスクは関係ない」と思っていませんか?

しかし、それは甘い思い込みかも知れません。「介護が必要になる時(介護リスク)」は突然やってくるのです。そして、それがいつになるのかはまったく予測できません。

実は筆者の両親にも突然、そんな日が訪れました。今回は筆者の実体験を交えながら「介護リスク」とどう向き合うべきか、具体的な対処法や心構えについて解説したいと思います。

「介護リスク」は突然やってくる!?

介護,相談
(画像=kino noko / pixta, ZUU online)

繰り返しますが「介護リスク」は突然やってきます。兆候などありません。たとえば「齢を重ねるにしたがって、身体が徐々に弱ってくるタイミングを見ながら準備すれば良いのでは?」と考える人もいるかも知れません。もちろん、それも不可能ではありませんが、多くの場合そうではありません。介護は本当に突然始まるのです。

ちなみに、厚生労働省の『国民生活基礎調査』(平成28年)によると介護が必要になった主な原因の1位が認知症で18.0%を占めています。以下、2位が脳血管疾患(16.6%)、3位が高齢による老衰(13.3%)、4位が骨折・転倒(12.1%)と続きます。2位の脳血管疾患、4位の骨折・転倒は、いつ起こるのか予測できません。文字通りある日突然起こるのです。

「母さんが倒れた」その瞬間から介護が始まった

「もしもし? いま、病院なんだけど、母さんが倒れた」筆者が父親からそんな連絡を受けたのは昨年(2019年)のことでした。第一報を聞いたときは焦りましたが、その後の連絡では軽い脳梗塞ということで、ほっと胸をなで下ろしました。

しかし、次の問題として浮上したのが「介護」でした。筆者の場合、実家が遠距離で父は94歳、母は88歳の二人暮らしなので問題が山積みでした。