投資商品の一つで、証拠金(保証金)を業者に預託し、原資産となる国内外の株価や金価格など金融商品の価格や指数を参照して通貨の売買を行なう取引をいう。証拠金を預け、レバレッジをかけて取引を行うことから、外国為替証拠金取引(FX)も差金決済取引の一つと言える。ただし、一般には、外国為替のものをFX、それ以外の株式や株価指数等のものはCFDと呼ぶ。対面取引とは異なり、インターネット取引が中心のため、一般に低い手数料で、自分の判断で瞬時に注文を出せるという特徴がある。株式市場の場合、多くの個人投資家は就労時間と株式市場の取引時間が重なってしまうが、例えばニューヨーク金融市場の取引時間は日本時間の深夜になるなど、会社員などでもリアルタイムに取引を行うことが出来ると言える。また、指数が上昇する場面でも、下降する場面でも「売り」、「買い」のポジションを使い分けることにより利益を狙うことが出来る。これは株式の信用取引における空売りやFXも含めた各種商品先物取引と同様である。なお、株式の現物取引の差金決済取引は禁止されており、それゆえ、買い付け余力が残っていない場合は、同一銘柄を一日に何度も取引することは出来ないが、CFDでの株式取引は現物取引ではないので、同一銘柄を一日に何度も取引できる。株式の場合、様々な銘柄を組み合わせて売買するには資金も労力も必要だが、CFDでは株式指数商品などにおいてレバレッジをかけて取引が出来るため、少額から投資が出来る。ただし一般にハイリスク・ハイリターンな取引になることに留意する必要がある。これはFX同様、一般にレバレッジをかけて取引することで証拠金の数倍から数百倍の額を取引することが可能となるため、少ない元手で短期に多額の利益を上げることが出来ることがある一方、予想と反対の値動きをした場合には多額の損失を被るためである。ロスカット制度がない、あるいは市場の混乱、システムトラブル等で正常に取引できなかった場合は、証拠金以上の被害を受け、追加保証金の差し入れを要求されることもある。歴史は比較的古く、CFDと同様のものは、もと「バケットショップ(Bucket shop)」と呼ばれ19世紀末頃から20世紀初頭にかけて自然発生的に登場した。これは場外取引店(Consolidator)の一種で、取引所の会員権をもたない仲買人が小口投資家を相手におこなう不正規のもので、1929年の株式暴落の際に詐欺行為として全面禁止された。現代のCFDは1990年代前半に、ロンドンで始まったものが最初である。アメリカでは1997年の法改正によりCFDが開始された。