一定期間の通貨の交換取引。店頭取引(相対取引)による取引で、事前に設定した取引条件において金融資産の購入や売却をするという合意のこと。フォワード取引は現物決済が原則となっており、実際に現物商品の受け渡しを行うため、100%相当額の資金が必要となる点に特徴がある。フォワード取引(先渡取引)の例としては以下のようなものがあげられる。
「ある会社が、数ヵ月後に輸入した素材の代金として10万ドルを支払う必要があります。しかし、ドル円相場が不透明です。そこでリスクヘッジのため、この会社は銀行と数ヵ月後に1ドル100円で購入する契約を結んでおきます。3ヵ月後には会社が銀行に10万ドル分(1000万円)を支払います。」
この契約がフォワード取引(先渡取引)となる。なお、フォワード取引(先渡取引)と類似した取引として「先物取引」があり、フォワード取引(先渡取引)と先物取引が混合されやすい。両者の間には以下のような違いがある。フォワード取引(先渡取引)の特徴は、「相対取引(店頭取引)である」、「2者が直接取引する」そして「実際に現物商品の受け渡しが行われる」(例外的に差金決済が行われるものもある)「証拠金は不要。契約に基づく」などがある。先物取引の特徴としては「取引所取引である」「取引所を通じて取引をする」「原則として差金決済となる」(ただし現物を引き受けることも可能)「取引総額の一定割合を証拠金として預託する必要がある」となどである。