クロス円取引とは、アメリカ・ドル以外の外国通貨と日本円との通貨ペアで為替取引をすること。ここでの米ドルを介さない通貨取引レートのことを「クロスレート」と言う。外国為替市場における通貨ペアは、一般的に以下のような種類に分類できる。●「ドルストレート通貨」=アメリカ・ドルと、各国の通貨の組み合わせによる通貨ペアのこと。日本円の場合は、ドル円と呼ばれる。【例】ドル/円、ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、など。●「クロス通貨」=アメリカ・ドル以外の国同士の通貨の組み合わせによる通貨ペアのこと。クロス通貨の中で、日本円が絡む「通貨ペア」を、円クロス通貨(=クロス円)と呼ぶ。【例】「円クロス通貨」の場合、ユーロ/円、豪ドル/円、NZドル/円、ランド/円、・・・など。「円クロス通貨」以外の場合、ユーロ/スイス、豪ドル/スイス、NZドル/スイス、ユーロ/英ポンド、豪ドル/NZドル・・・など。現在の外国為替市場においては、基軸通貨であるアメリカ・ドルとの通貨ペアの取引量が、圧倒的に多いと言える。そのため対米ドルにおいては、すぐに取引相手が見つかるが、取引量の少ない通貨同士の場合は、一旦通貨をドルに交換してから、お互いの通貨を交換する必要が生じる。すなわちクロス通貨の場合は、ドルをベースに取引がなされる。したがって、流通量の少ない通貨同士の「通貨ペア」のとき、米ドルを介して2度交換することになるため、売買手数料が比較的高くなったり、スプレッドの差額が大きかったりといったことが生じてくる。クロス通貨は、2度交換するという意味で「合成レート」と言われており、クロス円取引をする場合は、「取引する外貨と米ドル」・「日本円と米ドル」という2つの動向に注意する必要があると言える。