10万円なら少額なので審査なしで借りられるかもしれない、と考える人もいるかもしれません。しかし、クレジットカードのキャッシングやカードローンを使って新規にお金を借りる場合、基本的には審査があります。10万円の調達方法は、クレジットカードのキャッシングやカードローンからの借り入ればかりとは限りません。
今回は、審査なしでも10万円を借りる方法について解説します。いずれの方法も、特定の条件が付きますので、自分でも利用できる方法があるかぜひチェックしてみてください。
審査なしで10万円をキャッシングすることはできない
審査なしで10万円の調達を検討する場合、クレジットカードのキャッシングやカードローンの新規申し込みは調達方法の候補から外れます。これらの新規申し込みは、審査が必須だからです。
「クレジットカード自体持っていない」「クレジットカードを持っていてもキャッシング枠を付けていない」といった場合、どちらもキャッシング枠を付ける際に審査が必須です。また、カードローンの場合も新規申し込みの場合は必ず審査があります。
お金を貸す側からすると「借り手に返済能力があるかどうか」について審査するのは当然のことです。審査なしでの借金は、たとえ少額でも厳しいことを認識しておきましょう。
ただし、人によっては審査なしで10万円を借りる方法はある!6つ紹介
一方でクレジットカードのキャッシングやカードローンに頼らず、審査なしで10万円を調達できる方法はいくつかあります。いずれも一定の条件が必要ですが、当てはまればすぐにでも10万円の調達は可能です。ここでは、審査なしで10万円を借りる方法を6つ紹介します。
①すでにキャッシング枠のあるクレジットカードを利用:クレジットカードを持っている人
まず、すでにクレジットカードを持っている人は、「キャッシング枠がついているかどうか」を確認してください。キャッシング枠がついていれば、今すぐ審査なしで利用可能枠内でのキャッシングをすることが可能です。
ただ、キャッシング枠を0にしている場合は、キャッシング枠を申請する際に所得を証明する書類の提出を求められ審査が必要になります。
②質屋を利用:ブランド品などを持っている人
ブランド品やアクセサリーなど高価な品物を持っている場合は、質屋の利用を検討してはいかがでしょうか。
「質屋を使ったことがない」と戸惑う人もいるかもしれませんが担保として高価な品物を渡すため、審査なしでお金を借りることができます。手元に残しておきたい品物なら後からお金を返せば質に入れた品物を手元に戻すことも可能です。
特に思い入れのない品物なら質屋にそのまま買い取ってもらうのもいいでしょう。
③銀行の総合口座の自動融資を利用:総合口座(定期預金・積立定期預金)に預金がある人
銀行の総合口座を持っていて同口座に定期預金や積立定期預金などの担保預金がある場合は、総合口座の「自動融資(当座貸越)機能」を使うこともできます。
「自動融資機能」とは、定期預金・積立定期預金を担保に預金高の90%までを自動的に融資する機能です(ただし金融機関によって上限額あり)。総合口座の自動融資機能なら担保定期預金の残高が12万円以上あれば審査なしで今すぐ10万円を調達できます。
④勤務先の従業員貸付制度を利用:勤務先に従業員貸付制度がある人
会社の中には、福利厚生の一環として「従業員貸付制度」といった名称で、従業員に少額のお金を貸し付ける制度があるところもあります。
少額とはいえ10万円程度なら審査なしで借りられる可能性が高く、加えて低金利と魅力のある制度です。給料の前借りではないため、毎月の給料は通常通り支払われます。
会社側に借金を申し込むことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、審査なしですぐに10万円を調達したいならぜひ検討しましょう。
⑤生命保険の契約者貸付制度を利用:生命保険に加入している人
生命保険に加入している場合、生命保険の契約者貸付制度を利用できる可能性があります。
契約者貸付制度が利用できる生命保険は、解約返戻金のあるタイプです。一般的には、解約返戻金を担保に約7~8割を借りられます。残念ながら掛け捨てタイプの生命保険にはこの制度がないため、自分の加入している生命保険の中で解約返戻金のあるタイプがないかどうかを確認しましょう。
⑥国の制度を利用:時間がかかってもいい人
新型コロナウイルス感染症拡大で仕事に影響が出ている人のために国からさまざまな支援策が発表されています。
その中でも収入減で困っている人は、国の制度の中でも比較的早くお金を調達できる「緊急小口資金」「総合支援資金」の利用を検討しましょう。新型コロナウイルス特別融資の申込受付は2020年12月まで(2020年10月10日時点)です。
緊急小口資金や総合支援資金なら無利子無担保でお金を借りることができます。例えば総合支援資金なら単身世帯で月15万円以内、2人以上の世帯で月20万円以内の調達が可能です。
ただし国の制度を利用するとどうしても書類作成の手間や書類確認の時間がかかります。また自治体によって対応の早い遅いにかなり差があるため、ある程度時間的な余裕が必要な資金調達方法です。
どうしてもキャッシングしたい人へ……審査を通りやすくするポイントをご紹介
どうしてもクレジットカードのキャッシングやカードローンを利用したい場合は、審査を通過しやすくするため、申し込み前にできることを試しましょう。
ここでは、審査を通過しやすくするためのポイントを5つ紹介します。いずれも時間のかかる方法ですが、実行することで審査が通過しやすくなるため、じっくりと腰を据えて取り組みましょう。
①収入が安定していることを証明する
クレジットカードのキャッシングやカードローンの審査では、申込者の返済能力を確認します。そのため「自分自身に安定した収入がある」ということが証明できれば、審査を通過しやすくなるでしょう。すでにパートやアルバイトなどで毎月給料をもらう仕事をしている場合は、所得証明書など収入を証明する書類が必要です。
申し込みするカード会社によって求める書類は違うため、必要な書類をそろえてください。無職の場合はどうしても審査が厳しくなるため、今からでも収入を得るよう行動しましょう。
➁クレジットカードやローンの返済期日は守る
クレジットカードやローンの返済状況は、過去24ヵ月(2年間)にわたって個人信用情報機関に記録されています。数日の遅れが何回か続くと金融事故として記録され審査通過ができなくなるでしょう。
そうならないようクレジットカードやローンは返済期日をしっかりと守ることが重要です。24ヵ月続けることで利用履歴は良好な状態となり審査は通過しやすくなります。
③金融事故に気を付ける
金融事故とは、2~3ヵ月の長期延滞や債務整理、自己破産など個人信用上問題のある情報のことです。金融事故が個人信用情報機関に一つでも記録されていると、貸金業者からの借り入れや銀行ローンがほとんど利用できなくなります。
特に気を付けたいのは、携帯料金を延滞した場合や奨学金を延滞した場合です。「借り入れしている」と忘れがちなものですがいずれも個人信用情報に記録が残ります。
できれば3つある個人信用情報機関(CIC、JICC、全銀協)に開示請求を行い「自分の個人信用情報がどのように記録されているか」を確認しておくと安心です。金融事故が掲載されていた場合は、その記録が消えるまでの期間はクレジットカードやローンの利用を待ちましょう。
④他社の借り入れも抑える
他社の借り入れが多い、いわゆる多重債務者は審査のハードルが上がる傾向です。できれば抑える努力が必要です。
⑤総量規制に注意する
総量規制とは、支払い能力を超える借金をしないように消費者を守るための規制です。貸金業者は、年収の3分の1以上となる貸し付けが原則禁止されています。
総量規制は、貸金業者全体で借りている合計額で確認するため、他社の借り入れで総量規制上限まで借りていた場合、新しい貸金業者からは借り入れができません。例えば年収300万円の場合、総量規制の枠は100万円です。
総量規制枠を意識するには、自分の年収と借入総額を把握しなければなりません。クラウド家計簿ソフトの中には、クレジットカードやカードローンとデータ連携して総借入額がひと目で分かるようになっているものもあります。こういったツールも活用して常に総量規制枠を確認できるようにしましょう。
キャッシングできない場合の解決方法
キャッシングやカードローンが使えない場合の解決方法として2つの方法を紹介します。
①安定した収入があるならおまとめローンを検討
ある程度安定した収入があり毎月返済できるなら銀行や消費者金融などが展開している「おまとめローン」を検討しましょう。おまとめローンは、比較的低金利かつ総量規制の対象外となっているため、借金を確実に減らすには利用しやすいローンです。おまとめローンで複数の借金を一つにまとめて「毎月の返済が楽になるか」を確認してから利用を検討しましょう。
②債務整理で根本的な解決も
根本的な解決方法としては、法律の専門家に相談して債務整理をする方法があります。債務整理の手段は、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3通りです。
・任意整理 将来利息をカットするよう交渉し元金を分割払いで支払う方法です。
・個人再生 裁判を起こして元金の大幅減額(最大で9割)を求め、残った元金を分割で支払います。
・自己破産 「すべての借金をゼロにする」という大きなメリットがある一方で自分の財産を手放すなどのマイナス面も大きくなる方法です。
債務整理を始めると個人信用情報に金融事故として記載されるため、少なくとも5年間、長い場合10年間新しい借金はできません。しかし現状が返済のために借り入れしているような自転車操業になっている場合は、根本的な解決を進めることで生活自体はかなり楽になることが期待できます。
手出し危険!こんな借り方はNG
お金を借りる手段の中でも手出ししてしまうと危険な借り方もあります。ここでは、関わるべきではないお金の借り方についてまとめました。
①ヤミ金およびソフト闇金の利用
貸金業者として登録していない、いわゆる「ヤミ金」「ソフト闇金」は、法律の規制を受けていないため、法外な金利でお金を貸し、取り立ても厳しい危険な業者です。たとえ10万円を借りるとしてもいわゆる「トイチ」(10日に1割)の利息だと10日ごとに1万円の利息を支払わなければなりません。すぐに返済が滞ることは目に見えているため、利用しないように注意しましょう。
インターネット上から貸金業者を利用する場合、少なくとも貸金業の登録業者かどうかは確認してください。またヤミ金業者は、偽りの登録番号を記載しているケースも多いため、金融庁の登録貸金業者情報検索で本当に登録してある貸金業者なのかを確認することが必要です。
②クレジットカードのショッピング枠現金化
クレジットカードのショッピング枠の現金化には、買取式とキャッシュバック式の2通りあります。買取式は、「クレジットカードで高額なブランド品などを購入して買取業者に売却する」という手法です。この方法は、実際に手にできる金額がかなり少なくおすすめできるお金の借り方ではありません。
また、キャッシュバック式とは、非常に安い商品を利用者がクレジットカードで購入し、購入金額の一部をキャッシュバックするという方法です。
いずれの方法も翌月には、多額の支払いとなるため、手にできる金額に対して割が合わない資金の調達方法と言えます。クレジットカード会社の規約では、通常ショッピング枠の現金化について禁止しているため、カード会社に現金化の事実を把握されてしまうとカードが使えなくなる危険性もあります。
③インターネットで見かける個人間融資
SNSやWebサイトなどインターネット上で個人間融資を呼び掛けている場合があります。個人間融資は、そのほとんどがヤミ金だと考えていいでしょう。
個人間融資を利用すると高利な貸し付けが行われるだけでなく個人情報を悪用されるなどのトラブルや犯罪に巻き込まれる危険性もあります。個人間融資は、どんなに経済状況が苦しくても利用しないようにしましょう。
④家族や知人に借金を申し込む
最も手軽に審査なしで10万円を借りる方法として家族や知人に借金を申し込むことを考える人もいるでしょう。しかし親しい間柄でもお金がらみになるとトラブルに発展する可能性があり、人間関係が壊れることもあります。
できれば知人からの借金は考えないようにしましょう。
審査なしでお金を借りる方法はいくつかある
クレジットカードのキャッシングやカードローンを利用してお金を借りるには、どうしても審査が必要です。すぐにお金を必要とする状態では、焦る気持ちもあって「借金」以外の方法が思いつかないかもしれません。しかし少し視点を変えてみると、10万円程度の金額を調達する方法は、貸金業者からの借金以外にもいろいろあります。
審査なしで10万円のお金を調達するなら不用品の売却や会社の従業員貸付制度などの手段もあるため、自分でもできそうな方法がないか検討してみてください。
文・藤森みすず
大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。FX・保険・不動産・フィンテックなど、金融に関する記事を多く手掛ける。
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