11月4日、東証1部上場のファナック <6954> の株価が2年5カ月ぶりの高値を付けた。ファナックは産業用ロボットの世界的なリーディングカンパニーで、スイスのABB、ドイツのKUKA、日本の安川電機 <6506> とともに「世界4強」の一角でもある。

ファナックが提供する産業用ロボットは、世界の製造業の自動化・効率化に多大な貢献をしてきた。人間の腕に近い構造の垂直多関節ロボット、工作機械用CNC(数値制御)装置等で世界最大のシェアを誇り、高収益で無借金経営の超優良企業として海外投資家の人気も高かった。

そんなファナックの業績も2015年をピークに減速(詳細は後述)を余儀なくされていたが、ここにきて復活への期待が高まっているようだ。産業用ロボットの「巨人」ファナックの最新動向をお届けしよう。

営業利益率は40.8%から17.5%に低下!

ファナック,株価
(画像=Jin / pixta, ZUU online)

ファナックは2015年3月期に売上高で7297億円、営業利益で2978億円、営業利益率で40.8%を記録していた。だが、その後はロボット業界等の競争激化や米中貿易戦争も影響して、2020年3月期には売上高で5025億円、営業利益で883億円、営業利益率で17.5%まで減速している。ちなみに、ファナックの営業利益率が20%を割り込んだのは1994年3月期以来26年ぶりのことだ。

株価も今年3月19日に1万2020円の安値を記録、2018年1月の高値3万3450円から64%も下落していた。

ファナック株が2年5カ月ぶりの高値を付けた理由

そんなファナックに転機が訪れたのは10月29日、2021年3月期第2四半期累計(4~9月期)の決算発表だった。