(本記事は、佐藤 祐一郎氏の著書『小さくても勝てる!』の中から一部を抜粋・編集しています)

IT化でコミュニケーションのスピードアップに取り組む

小さくても勝てる!
(画像=ndabcreativity/stock.adobe.com)

● iPad、ボイスメールをフル活用

コミュニケーションのツールについても説明をしておきましょう。

現場がある仕事というと、古い会社だと思われるかもしれませんが、たとえば日報報告はiPhone、iPad で済ませます。文字を打ち込む必要はなく、音声入力です。そのほうが速いです。「帰社して自分のデスクで日報を打つ」などということは、昭和の化石時代の習慣です。社内の決まりとしては15時から18時の間に日報を入れればよいことにしています。

一方、営業サポート部は業務上のコミュニケーションが中心です。営業マンへの電話が外部からかかってきた場合は、3分以内にさまざまな方法を使って担当の営業マンに連絡をつけます。返事がない場合は二の矢、三の矢を放ちます。

また、メンバーはEGで見ると赤顕性と緑顕性で、人の気持ちがよくわかり、かつきちんと確実に業務をこなしてくれます。特性を活かして最適なパフォーマンスを発揮してくれています。

釜田弘美が率いる営業サポート部は、経理・総務の仕事が中心で、塗料販売の栗本寛久を除くと、メンバーは女性3人です。リーダーの釜田の下に内間市枝と田中知子がいて、テキパキとミスなく、経理と営業事務をこなす大変優秀な事務の軍団です。ダブルキャスト、トリプルキャスト化も進んでいて、誰か1人が休んでも難なく業務が進む体制をつくりあげました。

しかし、ペーパーレス化はまだまだ進んでいません。

コロナ禍で、毎日ではないとしても、テレワークが必須になったことで、問題点が明らかになってきました。印鑑が必要な書類が多く、この優秀な事務軍団をもってしても、ただちにペーパーレス化・IT化が進まないのです。

社員からの毎日の日報、業務報告とは別に、社員が毎週1回、小山社長の著書『仕事ができる人の心得』(CCCメディアハウス)の一節を読み、その感想をボイスメールで送ることにしています。そして、上司がコメントをする。コミュニケーションは相対で行うことが理想ですが、いつでも相対でできるわけではない。それでも回数を意識して増やしていくことが欠かせません。回数を増やすことにより、考え方をだんだんと統一することができるのです。それがあってこそ、相対したコミュニケーションもストレスなく行うことができます。

以前は社員同士の考え方に食い違いがありました。特に、他社の考え方で育ってきた中途入社の社員がいるときなど、そのことがもとで口論になったこともありました。ところが、ボイスメールでの日々のやりとりを行うようになって、そのような行き違いもすっかりなくなりました。

新卒社員については、内定者の時代から、さまざまなことの感想をボイスメールに入れてもらうようにしているので、入社時に考え方の行き違いはほとんどなく、スムーズに溶け込んでもらっています。

なお、日報に目を通すことはもちろん、社員のボイスメールをすべて聞くのは社長である私の大事な仕事です。多い時で1日1時間半。特別な時には1日に50本以上になります。エネルギーを要しますが、社員の理解のためには必要なことだと思っています。

小さくても勝てる!
佐藤祐一郎(さとう・ゆういちろう)
阪神佐藤興産株式会社 代表取締役社長
1957 年、兵庫県尼崎市出身。大阪府立寝屋川高校、関西大学を経て、清水建設に入社。日本ペイントを経て、1984 年、父が創業した阪神佐藤興産に入社。 1996 年より現職。同社は、大手ゼネコンが競合にもかかわらず、ほぼ負け知らずと話題。整理・整頓・清潔が徹底された明るい雰囲気の現場見学会も好評。

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