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不動産取引における指値交渉は、家電量販店での値引き交渉とは訳が違う。具体的にどういったことに注意をして指値を入れれば交渉に成功するのか。今回は、マンション購入に関して、指値交渉に入る前に注意すべき二つの要素を紹介します。


指値を入れる意味とは

みなさんは、家電量販店で買い物をする際に、いわゆる「値切り」交渉をした経験はお持ちだろうか。最近では、量販店ごとに凌ぎ合いの熾烈な争いをしているので、他社の安いチラシを持参すればかなりの確率で値下げに応じてくれるようになった。

マンションを購入する場合はそう簡単にはいかない。冷蔵庫を安く買うために、量販店で店員さんと交渉するのとは大きく違ってくる。では、どのようなことに気をつければ購入価格を安くすることができるだろうか。

マンション売買の世界では、いわゆる「指値」によって交渉するのが一般的。指値とは、簡単に言えば「〇〇万円なら買う」と売主側に打診することである。マンションの場合は、この指値の入れ方次第で交渉の行方が大きく変わってくる。今回は、指値に関して、知っておくべき2つの要素を紹介していく。


指値の成功確率を上げるためにできること

自身に有利な交渉を進めるにあたって、「市場の動向」を知ること、「オーナー側の事情」を考慮することが重大な要素となってくる。

市場の動向は、経済状況という大きな動向と、物件の近隣相場、募集中物件の動向という比較的小さな動向に分けることができる。オーナー側の事情を最終的に判断する材料として、近隣物件相場からの差異を考慮することが多いため、以下では小さな動向について触れる。

近年ではインターネットの普及により、購入予定の物件の市場動向、つまり市場価格が容易に得られるようになった。マンションの場合、購入予定の部屋以外の価格を知ることはそこまで難しくない。売主も市場価格を見ていることは十分に考えられ、売出し中の物件が市場価格に比べ明らかに高い価格設定している場合、次に考えなければいけないのが「オーナー側の事情」だ。

一般的に物件価格を市場価格より高く設定している場合のパターンとして

・強気なオーナー
・急いで売るほど切迫した状況ではない
・相場に無頓着である
・すでに指値が入ることを見越している

といったことが多い。

とりわけ、売買を強く希望するオーナーに関して言えば、

・不動産屋からしつこく営業されて強引に売らされている
・ローンの返済が厳しく、売却を検討している
・賃借人や管理組合と何らかのトラブルがあって早く手放してしまいたい
・資産運用として、買った値段よりも高ければ売る

という事情が見受けられる。

オーナー側の事情を把握することは「指値が通用するか否か」に直結してくる。上記の例でいえば、資産運用の一環で売買を考えている人の場合、損が出る形での指値は難しくなってくる。指値が通りやすいオーナーの例としては、早急の資金繰りのために売買を希望されている場合である。不動産屋によっては、購入の気持ちがある人に対しては、ある程度の情報開示には応じてくれることもあるため、購入する意思を相手にちゃんと伝えることは重要だ。


高利回りを作り出すために

指値を成功させ、高利回りを自分で作りだすために一番必要なことは、「焦らない」ことだ。指値交渉は心理戦で、焦ったほうが負ける。逆に、相手を焦らせることができれば、指値は受け入れられる可能性が高くなる。焦らないためには、いくつか候補の物件を見つけ、一つがダメでも大丈夫、と余裕を持った精神状態で交渉に臨むことも肝要だ。

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