暗号資産(仮想通貨)ステラ(XLM)を発行するステラ開発財団(SDF)は2日、米Circle社が発行するステーブルコイン・USDCとの統合が完了したことを発表した。
USDCは米ドルに裏付けられたステーブルコイン。ステーブルコインにおける時価総額順位はテザー(USDT)に続いて世界で2番目である。
ステラは昨年、15億以上のトランザクションを処理したブロックチェーンネットワークである。今回、統合されたことにより誕生した「Stella USDC」は、USDSをステラのブロックチェーン上で取引できるように組み合わせたものである。
Stellar USDCはすでにステラが提供する分散型取引所(DEX)で6つの暗号資産と取引が可能である。またStellar USDCは、ステラの提供するウォレットによって保管・送金が可能となっている。
USDCはイーサリアム(ETH)、アルゴランド(ALGO)、ソラナ(SOL)のブロックチェーンでの取引が可能である。しかし現状では、主に供給量のほぼ全てがイーサリアムネット上で使用されている。
今回ステラはUSDCにおいて4番目のブロックチェーンになる。USDCを発行しているCircle社のCircleアカウントにより、それぞれのブロックチェーン上にあるUSDCを無料で相互移動可能である。ウォレット提供会社や金融機関などにもこれらの機能のAPIが提供されるという。
ステラの送金は約5秒と非常に高速である。またUSDCはグローバル市場において一定規模の流動性を持っているため、今後、USDCの利用者や企業は特に国際送金等の分野で恩恵を受けることに期待できる。
今回のリリースでは、「企業、開発者、小売店ユーザがすぐ使える構造になっている」という特性に触れ、さらに「ステラを基盤とする既存のビジネス、USDCの既存パートナーのネットワーク、そして支払いの最適化、特に国境を越えた取引を目指す将来のフィンテックに新たなビジネスチャンスをもたらす」と今後の展望を述べた。
CircleはUSDCを完全に規制されたデジタルドルとして位置づけており、米ドル紙幣の代用として、日常で利用されることを目標としているという。
今後もDeFiによるイーサリアムブロックチェーンの混雑が想定されるため、ステラは負荷を分散するためのネットワークとして期待できるだろう。(提供:月刊暗号資産)