◉実感として感じる米国景気の回復
2012年のFPAカンファレンスは、10月29日~11月2日の4日間で開催されました。場所はサンアントニオと言う米国南部に位置するテキサス州の主要都市になります。テキサス州は、他にはダラス、ヒューストンと言った都市がありますが、テキサス州は国で2番目の面積・人口・経済規模を保有し、その中でサンアントニオは州内で2番目の都市となります(ちなみに州内1番はヒューストンです)。
最初にテキサスに着いて感じたのは、人々の明るさでした。
サンアントニオが観光都市であるとも影響していると思いますが、街の人々の表情は一様に明るく、経済状況について簡単にアリングしても、前向きな(景気が良い)回答が多かったです。
ちなみにテキサスでの最大の産業はエネルギー(石油、天然ガス採掘)であり、エクソンモービルなどの石油メジャーも多く存在します。現在のエネルギー産業の景気に付随するように、経済が好調なのかもしれません。
【参考】
シェール革命の動向と予測vol1〜主要各国への影響を比較してみた〜
◉FP業界も景気に支えられる形で活性化
さて、FPAカンファレンスは年に1回開催される、米国FPが教育、交流の為に集まるイベントです。また、米国がFP業界で世界最大であることも影響し、米国だけではなく世界各国から(私のように)参加する人もいます。
私は今回3回目の参加でしたが、例年に比べて特に感じた特徴や変化を取り上げてみます。
まず、最も強烈な印象は、米国のFP業界の景気はかなり回復しているということです。米国FPのメイン業務は、上記したように顧客の資産に対する一任勘定アドバイスです。つまり顧客の資産を預かり、運用指示をする仕事がFPのメイン業務となっています。
多くの事務所ではRIA(Registered Investment Advisor)という一任勘定の登録を行い、年間フィーとして顧客の預かり資産残高の1%程度をもらうケースがほとんどです。
そのため3年前の2009年に参加した時にはリーマンショックの影響が大きく、とても雰囲気が落ち込んでいました。当時はその後の回復イメージも湧いていない状態です。
しかし、2012年は既に米国株価も高値回復をしている影響か、会場では力強い業界の回復を感じました。
スポンサーとして参加している企業も、心なしか運用会社(ファンドを作っている会社)の参加が目立ち、株式を中心にして見ると米国経済の回復力を目の当たりにしまます。
◉観光資源を上手く開発するサンアントニオ
金融の話題から少し離れますが、感じることの多かったサンアントニオ市の観光資源についても触れさせてください。
サンアントニオ市は年間1,000万人以上もの観光客が訪れる、米国でも有数の観光地です(何故か日本から訪問する人は少ないようです。遠いからでしょうか?)
特に市内を流れる水路は「リバーウォーク」と呼ばれ、最大の観光スポットになっています。聞いてみると1960年代から綺麗に整備した結果だと言う話でした。50年程度かけて、観光資源を生み出していったと言えます。
個人的には日本の方が過去からの(あるいは天然の)観光資源には恵まれていると思います。サンアントニオ市の事例を研究して、10年~数十年かけて観光都市として整備される都市が登場して欲しいと思います。