2000年から日本株への投資を始めたたぱぞうさん。2010年頃のドル安・円高局面をきっかけに資産を米国株にシフトし、現在は米国株を中心におよそ4億円の資産を築くことに成功している。前編では、今後も米国の人口が増え続けること、その人口増加などを背景に経済成長が続くこと、それによって米国株も長期的な上昇を続く可能性が高いとの見方を紹介。後編でも引き続き米国株が有利な点を挙げ、たぱぞうさんが唱える「米国株最強説」に迫る。

日本株より米国株に投資すべき6つの理
(画像=PIXTA、ZUU online)

たぱぞうさんプロフィール

たぱぞう TAPAZOU
月間100万超のPVを誇る投資ブログ「たぱぞうの米国株投資」を運営。2000年から日本株投資を始めるも資産を大きく伸ばせずにいたが、2010年から米国株投資をスタートすると、その後は順調に資産を拡大。2016年~2017年にかけて資産は1億円を突破し、現在は不動産や太陽光発電への投資を含めて金融資産は4億円を超える。基本的な資産運用術をブログで公開するほか、投資顧問会社のアドバイザーや米国株セミナーなど多方面で活躍中。著書に「図解でよくわかる米国株投資」(きずな出版)ほか。

株主の権利を守る法整備でも米国が先行

前編では、たぱぞうさんの投資においては「国」「時期」「対象」が重要との見方に触れ、人口増加や経済成長を背景に、米国株が投資に値する国であることを紹介した。たぱぞうさんは、それ以外にも米国株の強みをいくつか挙げている。たぱぞうさんが次に口にするのは「法整備」である。

「確かに、人口増加などを背景とした経済成長は投資上の強みになります。ですが、それだけで判断するのは危険です。投資する国を選ぶうえで見逃してはいけないのが法整備。企業が成長したり、株主の権利がきちんと保護されたりするような法律が整備されていないと、長期で安心して投資することができません。法整備には、企業の成長を後押しするような税制や、投資家にとって不可欠な企業の情報開示なども含まれます。経済新興国の人口増加や経済成長は魅力ですが、法整備の面で劣る分、長期で投資するにはリスクが高いと言わざるを得ません」

日本では2015年、金融庁によって「株主の権利の平等」や「適切な情報開示」などが定められた「コーポレート・ガバナンス・コード」が策定された。この前後から企業や投資家の間でコーポレート・ガバナンス(企業統治)という語がようやく意識され始めたと言っていい。一方、米国でコーポレート・ガバナンスという語が用いられ始めたのは1980年代半ばである(用語として使われ始めたのはこの頃からのようだが、第二次世界大戦以前から企業統治に関する法整備や議論自体はあった)。その後、2001年から2002年にかけてエネルギー大手エンロンと通信大手ワールドコムの粉飾決算が明るみとなり、米国のコーポレート・ガバナンスはより強化されていく。

また、トランプ政権下で法人税が35%から21%程度(州法人税は州によって変化)に引き下げられたことも記憶に新しい。これ以前、米国はOECD加盟国の中で“最も法人税が高い国”だったが、現在では日本より低い水準にまで下がっている。ちなみに、日本の法人税率は資本金が1億円を超える企業では23%程度だ。

「人口の増加や経済成長だけで株価が上がり続けるならば、経済新興国の株価指数は高値更新を続けることになりますが、実際はそうなっていません。理由の全てではありませんが、新興国の法整備が不十分なことが、株価の長期上昇を妨げる要因になっていることは確かだと思います。米国は自社株買いが非常に盛んで、株主価値を上げようとする企業が多いのも魅力です」

産業を牽引するプラットフォーマーがズラリ

たぱぞうさんは、さらに米国株が他の国の株式に比べて有利な点を挙げる。