2021年3月11日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日10日(水)の米ドル/円は、一時108.90円台まで上昇したものの、109円台を回復する事は出来ずに108.30円台へと反落した。NY市場に入り、日銀が翌週の金融政策点検で「長期金利がより柔軟に動く方法を検討」と報じられると円が強含んだ。さらに、米2月消費者物価指数(CPI)で食品とエネルギーを除いたコアCPIが予想外に鈍化した事から米長期金利が低下するとドル売りに傾いた。なお、米10年債入札も無難に消化され債券相場の波乱要因になる事はなかった。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の一連の米国債入札は本日11日(木)の30年債で一旦終了となる。30年債入札が極端に不調な結果とならない限り、米長期金利が急騰するリスクは低下したと見て良さそうだ。このため、米ドル/円が109円台を回復して反発する可能性も低下したと考えられる。一方、入札通過で長期金利が低下するようなら108円台を割り込む可能性も出てくるだろう。ただ、来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が予定されている事から、市場には次第に様子見ムードが広がりそうだ。米ドル/円は、ひとまず108円台を中心とするレンジ相場に移行するのではないだろうか。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。