THE OWNER特別連載「経営者のお悩み相談所 〜経営コンサルタントが一問一答!〜」第十一回目は「PRのために何回もメディアに出るのはしつこい?アプローチすることに躊躇しています。」という経営者のお悩みについてお答えします。
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【今回のご質問】
前職の会社が、かなりメディアに採用されていましたが、 自分自身が露出しすぎている感があって、新しい起業をした今、 さらに自分のストーリを出すにしろ、新しさを感じられないのではないか、とメディアにアプローチすることに躊躇しています。 以前と同じように露出をしてもよいのでしょうか。
【ご回答】
露出してください(キッパリ)。ニュースバリューがあるかどうかは、メディア側が判断するものと思います。もしかしたら躊躇する原因が他にあるかもしれません。良く考えてみることをお勧めします。
ご質問ありがとうございます。何か躊躇することがある時、どう考えるかというご質問かと思います。取り上げる価値があるかどうかはメディア側が判断することかで、こちらで遠慮する必要はありません。ただ、躊躇しまうのには、他に原因がないでしょうか。よくよく考えてみることをお勧めします。
ニュースバリューがあるかどうかは、メディアが判断する
ニュースとしての価値があるかどうかは、メディアの判断です。発信側が考えることではなく、情報を拡散する側がどう思うか、情報を見る側が必要としているかということです。従って、発信に躊躇する必要はありません。こちらからは積極的に情報を発信しても、メディア側がニュース価値なしと判断すれば、取り上げられません。そういうわけで、世の中では各企業や組織がニュース価値の大小に関わらず、こぞってニュースリリースを出しています。
営業の場合でも似たような話があります。営業担当者がこの商品はお客さんには必要がないだろうと言って、商品の紹介をしないのです。必要かどうかはお客さんが判断する話なのに、営業担当者の勝手な判断で、お客さんの商品購入が阻害されています。勿論、商品は売れません。どうでしょうか、おかしいと思いませんか。
少し違う例を説明してみましたが、メディアにアプローチしない理由はありませんので、積極的にアプローチしてください。
本質的な気持ち
ところで、質問者の方には躊躇する原因が他にありませんか。経営コンサルタントという仕事柄、何故そう思うのかというのは、とても気になります。実は、これは私たちの仕事にとってはとても大事なことです。なぜなら、ある事象について何故対応しないのか、何故対応できないのかというのが提案の出発点になるからです。
例えば、自己資本比率が低い企業があったとしましょう。自己資本比率は計算してみれば直ぐに分かります。そのことを指摘しても価値を感じてくれる経営者はいません。自己資本比率を改善するために従業員持株会社を提案するとします。それはそれで価値ある提案かもしれません。但し、何故、自己資本比率が低いことに対して何も手立てを打たなかったのかという思考がないと、提案しても当該企業で受け入れ可能な案かどうかは不明瞭ですし、根本的な解決になりません。そこで、できない原因を明確にし、その対策を提案する訳です。
そういうわけで、質問者の方がどの点で躊躇しているのか、しっかり考えてみることをお勧めします。自分の本当の気持ちを知るためには、過去を内省する方法があります。重要な決断を下した時のことを思い出し、現在の地点を再確認する訳です。一人で旅行に行って考える時間を取ることもお勧めします。
・・・これだけだと、どちらかというとカウンセリング領域で、経営コンサルティングにならず、この場にご質問下さった意味もなくなってしまいます。ここでは類似の話として、経営理念を固める方法論を紹介したいと思います。自分の考えを固めるという意味では、自分の本当の気持ちを知るということと共通点があります。
ご存じの通り、経営理念は経営者の価値観、哲学、動機などを文言で表したものです。社員や利害関係者に経営者自身の考えを示すツールです。自分の考えを何の準備もなく伝えようとすると時間が掛かる上に、うまく伝わるかも分かりません。そこで、あらかじめ自分の考えを文言にまとめておきます。起業したばかりであれば、起業の動機でも同じ意味です。
下記に私がコンサルティングの現場で使っている経営理念策定テンプレートを掲載します。もしかしたら、メディアに露出することをためらう理由が見つかるかもしれません。
経営理念策定テンプレート
如何だったでしょうか。ご参考になったでしょうか。ご不明な点があれば、ご質問を受け付けておりますので、遠慮なくご質問ください。(提供:THE OWNER)