新型コロナウイルスの影響で、さまざまな企業が倒産に追い込まれる事態となっています。飲食店や旅行・観光関連業への影響ばかりが取りざたされがちですが、思わぬ業界にも負の影響が波及しています。
2021年3月29日、日本相撲協会の2020年度決算にて、過去最大となる50億2,600万円の赤字を計上したことが分かりました。
「コロナで入場券が売れない」国技の危機
相撲協会の赤字は、新型コロナウイルスの影響による観客数の制限や入場券の売り上げ不振が原因です。2020年は相撲協会にとって苦難の年となりました。春場所は無観客、夏場所は中止となり、7月以降の本場所も、観客数を定員の半分ほどで開催していました。さらには地方巡業も実施できていません。
いつ明けるとも分からぬコロナ禍による影響は今後もしばらく続く可能性が高いことから、相撲協会は2021年度も30億円以上の赤字を見込んでいるといいます。
3年で100億円の資産の減少を想定
日本相撲協会は、2020年からの3年間で100億円程度の資産の減少を見込んでいます。その後は黒字に転換できるように計画を立てているとのことですが、減少が見込まれる100億円もの資産を回復させるためにはそれなりの年月が必要になるでしょう。
新型コロナウイルスによる影響まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大から1年が経ちました。このウイルスによって窮地に追い込まれているのは、相撲協会だけではありません。新型コロナウイルスによる影響を大きく受けた業界や企業についてあらためて見ていきましょう。
百貨店
コロナ禍でEC関連事業が急伸する中、百貨店は苦戦を強いられています。また、コロナ禍が明けた後もテレワークの拡大等、社会変化によって百貨店への来店数は今後も減少する可能性が高く、厳しい状態が続くとみられています。
アパレル業界
百貨店と同様、ECの利用拡大で来店数が減少する他、少子化によるニーズの減少によって市場自体の縮小が予想されています。コロナ禍以降、閉店・倒産したアパレル企業も多く、今後も予断を許さない状況です。
外食、観光・宿泊、航空業界
コロナ禍による影響を真っ先に受けたのがこれらの業界でしょう。外出自粛や緊急事態宣言によって、街中から人の姿が消え、県や国を超えるような移動がはばかれるようになりました。外国人観光客の大幅な減少は、国内の地方の観光地に大打撃を与えています。
企業の倒産件数は
東京商工リサーチの調査によると、新型コロナウイルスに関連する倒産は累計1,328件(2021年4月12日時点)に上るとのことです。2020年9月以降は3ヵ月連続で倒産件数が100件を超えており、事態は深刻さを極めています。
あらゆる業界に波及する新型コロナウイルス
新型コロナウイルスは、世界経済に大きな影を落としました。ウイルス自体は2年~3年で収束すると予測されていますが、経済の回復にはそれ以上の年月が必要でしょう。
日本の国技にまで影響を与える新型コロナウイルスに、人類が勝利する日はいつ訪れるのでしょうか。
(提供:YANUSY)
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