投資信託をはじめて買う場合、インデックス型とアクティブ型のどちらを選ぶか迷うかもしれません。そこで、それぞれのメリット・デメリットを比較し、はじめての購入でどのようなファンドを選ぶべきかについて解説します。

インデックス型投資信託とはどんな商品なのか

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(画像= tanu/stock.adobe.com)

インデックス型投資信託とは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などのベンチマークになる株価指数と、同じ値動きになるように設計された投資信託です。

ベンチマークとは、投資信託を運用する際に目標とする指標のことです。指数に採用されている銘柄を購入するため、指数と連動する運用を実現できます。たとえば日経平均をベンチマークとするインデックスファンドの場合、日経平均が5%上昇すれば、組み入れた運用資産も5%増えることになります。

アクティブ型投資信託とはどんな商品なのか

アクティブ型投資信託とは、市場平均よりも高い運用成果を目指す投資信託のことです。銘柄はファンドマネージャー独自の方法によって選択し、組み合わせて運用しますので、市場平均を上回ることもあれば下回ることもあります。

インデックス型投資信託のメリット・デメリット

インデックス型投資信託のメリットは、信託報酬が安いことです。インデックス型は組み入れ銘柄に関する調査・分析の手間がないため、アクティブ型よりも信託報酬が低く設定されています。値動きもベンチマークになる株価指数と連動するため、初心者にもわかりやすいのがメリットです。日経平均であれば、ニュース番組などでも速報値を確認することができます。

デメリットは、短期間に大きな利益を上げるのが難しいことです。インデックス型は市場の平均値を目標とするファンドであり、中・長期の運用で大きな成果を目指します。したがって組み入れ銘柄が値上がりしても、短期で売却することはありません。また、インデックス投資は採用される株価指数が限られているため、選択できる商品が少ないのもデメリットです。

アクティブ型投資信託のメリット・デメリット

アクティブ型投資信託のメリットは、インデックス型を上回る利益を得られる可能性があることです。インデックス型は、ベンチマークにしている指数以上に上がることはありません。一方アクティブ型は、組み入れ銘柄の選択がよければ、大幅な値上がりが期待できます。

デメリットは、インデックス型に比べて信託報酬が高めに設定されていることです。ファンドマネージャーが独自に調査・分析するコストがかかるため、割高になります。また、設定したテーマが相場の流れから外れた場合、大きく値下がりするリスクがあるため注意が必要です。

結局どちらが有利なの?

では、結局インデックス型とアクティブ型では、どちらが有利なのでしょうか。「エコノミストOnline」の報道によると、2009~2018年の10年間で849本のファンドの運用成績を比較したところ、以下のような結果が出ています。

  • 全体の勝敗:インデックス型が453勝396敗で勝利
  • 平均運用利回り:インデックス型が10.03%、アクティブ型9.93%で、わずかながらインデックス型が勝利

(出典:エコノミストOnline)

長い目で見るとインデックス型が有利ですが、その主な理由は信託報酬の違いです。投資信託協会が発表した「投資信託の主要統計等ファクトブック」によると、インデックス型とアクティブ型の信託報酬は以下のとおりです。

  平均 最大 最小
インデックス型投資信託 0.51 1.7 0.03
アクティブ型投資信託 1.2 2.38 0.05

(単位:%、出典:投資信託協会「投資信託の主要統計等ファクトブック」)

平均するとアクティブ型を買った人は、2倍以上の信託報酬を支払うことになります。その意味では、はじめからハンデがあるといえるでしょう。ただし、上記のように運用利回り自体に大きな差はなく、アクティブ型の運用成績も優秀といえます。

最終的にはその人の運用方針によって選ぶことになりますが、はじめて投資信託を買う場合は、まずはわかりやすいインデックス型を購入するのがよいかもしれません。