日本の株式市場のオープン時間は、平日の9時~11時30分と、12時30分~15時まで。忙しいビジネスマンとしては、この時間にトレードするわけにはいきません。ですが、“億り人”はなにも専業トレーダーの特権というわけではありません。忙しいビジネスマンの中からも資産1億円を達成する投資家はたくさんいます。では、彼らはどのような投資手法で資産を増やしているのでしょうか。金融情報会社・カブ知恵の藤井英敏さんにお話を伺いました。

目次

  1. ビジネスマンにはスイングトレードが最適
  2. いったん下がった銘柄には、戻り待ちの投資家が増える

ビジネスマンにはスイングトレードが最適

金融
(画像= deagreez/stock.adobe.com)

「専業トレーダーはマーケットと向き合う時間はたくさん取れますが、それが必ずしも大きなアドバンテージになるわけではありません。というのも、いまでは便利な発注方法がたくさんあるからです。精神的にも本業で稼いでいるというのは強く、ある種、余剰資金を投資して『お金』に働かせるという発想こそ、ベストでスマートな考え方だと思います。超短期売買を繰り返すのは難しいかもしれませんが、2~3日もしくは1週間単位で売買するスイングトレードがいいでしょう」(藤井さん)

株式投資には、1日のうちに細かい売買を何度も繰り返す「スキャルピング」、1日で決着をつける「デイトレード」、数日から1週間程度の「スイングトレード」、そのほかに数ヵ月間保有する「中長期投資」や数年間に渡って値幅を狙う「長期投資」などがあります。どれもメリットやデメリットがありますが、“億り人”を目指す多くのサラリーマントレーダーが実践しているのがスイングトレードです。

「私自身、100万円の元手を3年足らずで4,400万円にしたのですが、これもスイングトレードが中心でした。銘柄はマーケットで注目されている材料やテーマ性でピックアップします。旬のテーマがどのようなものかは投資情報サイトなどでも紹介されていますので、すぐに分かるはずです。

スイングトレードで重要なことは、とにかく含み損を抱えたまま放置しないことです。また、下がってきたところで買い増す『ナンピン買い』も危険です。損切りはチャートの節目などを参考にしていますが、投資初心者であれば、10%下がったら売りというようにあらかじめ撤退の価格を決めておくのがいいでしょう。ネット証券などでは、『ここまで下がったら売り』という逆指値注文が使えますので、銘柄を購入後すぐに注文を出しておけば、働いている間も自動的に売買が行われます」

購入した銘柄や気になる銘柄があれば、「Yahoo!ファイナンス」や取引しているネット証券の投資情報ツールに登録しましょう。株価の動きは気になりますが、仕事中に何度もスマホをチェックしていては本業に差し支えます。ですから、あらかじめ指定した株価に達したときにメールで通知してくれるアラート機能などを活用しましょう。常に株価をチェックしていると、ついつい買いたくなって余計な売買をしてしまうこともあります。株価をチェックするのは仕事を終え帰宅してからで十分です。

いったん下がった銘柄には、戻り待ちの投資家が増える

最後に、「上げ100日、下げ3日」という相場格言をご紹介しましょう。これは、株価変動のスピードを表したものです。一般的に、株価はジワジワと時間をかけて上がることが多い半面、いったん下がり出すとそのスピードは速いということを表した格言です。

いったん下がった株価は、次に上昇した時に売ろうと待ち構えている投資家が多いため、上値が重くなる傾向にあります。ですから、「また上がるはず」といった根拠のない考えはとても危険です。投資家が資産を大きく減らしてしまう最も多い原因が「含み損」によるものなのです。

「1銘柄の含み損が、それまでの利益をすべて溶かしてしまうことは珍しくありません。株は買いより売りのほうが難しいと言われています。下がった銘柄はさっさと見切って、もっと資金効率のよい銘柄に乗り換えるのが1億円への近道です」(藤井さん)

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