日本国内の不動産信託である「J-REIT」への投資に関心のある方も多いでしょう。J-REITは分配金利回りが高いことで知られており、このことに魅力を感じている投資家は多数います。しかし、その利回り一点だけで安易に投資をするのはリスキーです。利回りが高い理由や、リスクを抑えるREITそのものの仕組みを、購入前に理解しておく必要があります。

当記事ではJ-REIT投資をお考えの方に向けて、そのメリットとデメリットを解説したうえで、J-REIT投資を始めるのにおすすめの証券会社をご紹介したいと思います。すでに証券会社の口座をお持ちの方にもとってもメリットのある情報なので、ぜひ最後までお読みください。
 

目次

  1. J-REIT(Jリート、上場不動産投資信託)とは?
  2. J-REIT投資のメリットとデメリット
    1. J-REIT投資のメリット1:分配金利回りが高い
    2. J-REIT投資のメリット2:流動性が高い
    3. J-REIT投資のメリット3:実際に不動産投資をするよりも管理コストがかからない
    4. J-REIT投資のメリット4:少額から投資が可能
    5. J-REIT投資のメリット5:リスク分散効果が得られる
    6. J-REIT投資のデメリット1:投資家の意向通りの不動産ばかりではない
    7. J-REIT投資のデメリット2:不動産を実際に所有しているわけではない
    8. J-REIT投資のデメリット3:不動産投資と同様のリスクも
  3. J-REITに投資する方法は?
    1. J-REITを購入するまでのステップ1:証券会社に口座を開設する
    2. J-REITを購入するまでのステップ2:購入資金を入金する
    3. J-REITを購入するまでのステップ3:J-REITを購入する
  4. J-REIT投資を始めたいあなたのための証券口座の選び方
  5. どの証券会社が向いている?有力証券会社を紹介
    1. 有力証券会社1:SBI証券
    2. 有力証券会社2:楽天証券
    3. 有力証券会社3:au カブコム証券
    4. 有力証券会社4:マネックス証券
  6. 自身の投資スタイルや証券会社の手数料、使い勝手などをふまえて、口座を開設しよう

J-REIT(Jリート、上場不動産投資信託)とは?

J-REITとは不動産投資信託であるREITの一種で、証券取引所に上場されている銘柄群のことです。J-REITの頭についているJは日本を意味するJapanの頭文字です。このことからもわかるように、J-REITはすべて国内の不動産で運用されているのがひとつの特徴です。

J-REITは投資法人が運用主体となり、投資家から集めた資金で不動産を購入、運用します。それによる収入と売却益を投資家に対して分配金として支払う仕組みになっています。この仕組みは投資信託とまったく同じなので、REITは不動産投資信託と呼ばれており、J-REITは上場不動産投資信託ともいいます。

ただ、一口に不動産といっても、投資対象はさまざまです。J-REITの銘柄群はどのジャンルの不動産で運用しているのかによって分類されており、その分類には以下のようなものがあります。

  • オフィス特化型
  • 商業施設特化型
  • 住宅特化型
  • ホテル特化型
  • 物流施設特化型
  • ヘルスケア施設特化型

これらのカテゴリーにまたがって複数タイプの不動産で運用している複合型(2つのタイプを複合)、総合型(3つ以上のタイプを複合)といったJ-REITもあります。
 

J-REIT投資のメリットとデメリット

投資家にとってのメリットがとても多いといわれるJ-REITですが、どんなメリットがあるのでしょうか。ここではJ-REITのメリットとデメリット(リスク)について解説します。

J-REIT投資のメリット1:分配金利回りが高い

J-REITの最大の魅力は、分配金利回りの高さといえます。2020年9月18日時点のJ-REIT全体の分配金利回り平均は4.19%です。

利回りの高さには、ある仕組みが関係しています。J-REITの各銘柄を運営している投資法人には法人税が課税されます。しかし、不動産から得られた収益のうち90%以上を投資家に分配すると法人税が掛からない制度があるため、企業のように内部留保をする必要がありません。そのぶん配当を多くすることができるのです。

J-REIT投資のメリット2:流動性が高い

J-REITはREITのなかでも証券取引所に上場されている銘柄群なので、株やETFと同じような感覚で手軽に売買ができます。現金化したい場合にもすぐにそれが可能なので流動性が高く、現物不動産のように「なかなか売却できない」といったリスクがありません。

また、株などと同じ感覚で売買ができるため、指値注文など希望の価格になった時にだけ注文を発動できるなど、購入時にも投資家の意向を反映しやすくなります。

J-REIT投資のメリット3:実際に不動産投資をするよりも管理コストがかからない

実際に不動産投資をする場合、物件を管理するためのコストが発生します。その点、J-REITは投資法人が管理を行うため、投資家は基本的に金融商品として「持っておくだけ」です。J-REITの保有で発生する不動産の管理コストなどはないので、保有期間の長短による有利不利もありません。

J-REIT投資のメリット4:少額から投資が可能

投資法人が購入している不動産物件は億単位のものがほとんどですが、J-REITはそれを小口化した商品なので、市場で売買されている投資口価格で1口から購入できます。2020年9月18日現在の価格を見ると、最も価格が高い「日本ビルファンド投資法人(8951)」が1口あたり62万円、最も安い「インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)」で1万4,150円です。

最も高い銘柄であっても62万円から投資が可能なので、現物不動産の投資規模と比べると桁が違います。J-REITは少額から不動産投資を始めたい人に最適な商品といえるでしょう。

J-REIT投資のメリット5:リスク分散効果が得られる

実際の不動産と違い、J-REITでは複数の不動産物件を所有して、そこから賃料収入や売却益を得ています。複数の不動産を所有してリスクを分散するとなると、個人投資家レベルではなかなか困難です。しかし、J-REITはすでにリスク分散が図られた投資商品です。そのJ-REITをさらに複数保有することでより高い分散効果が得られますし、そのための費用は個人投資家も十分購入可能なレベルです。

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このように数々のメリットがあるJ-REITですが、ここでデメリット(リスク)も見てみましょう。

J-REIT投資のデメリット1:投資家の意向通りの不動産ばかりではない

J-REITは多数の不動産物件が組み合わさり1つの金融商品となっています。そのため、商品に含まれる不動産がすべて投資家の意向通りのものとは限りません。不動産の詰め合わせパックのような商品なので、そこに「自分なら買わない」と思うような物件が含まれていることもあっても、投資対象から外したり、ほかに目をつけた物件を加えたりするなどカスタマイズすることはできません。

J-REIT投資のデメリット2:不動産を実際に所有しているわけではない

実際に不動産投資を行う場合、入居者がつかず空き家になってしまったら「自分が住む」というような選択肢もあります。しかしJ-REITの場合はあくまで小口化された証券を保有しているだけなので、現物の不動産のように扱うことはできません。

J-REIT投資のデメリット3:不動産投資と同様のリスクも

不動産に付きまとうリスクは多々ありますが、J-REIT投資でも同様に避けて通れないものがいくつかあります。

・リスク1:金利上昇リスク

1つめは金利上昇リスクです。投資法人は投資家からの出資だけでなく融資を利用して不動産を購入しているケースもありますが、金利が上昇すると資金調達コストが増大して収益を圧迫する恐れがあります。

・リスク2:自然災害などによる不動産の価値低下

2つめは、自然災害や火災などによって投資法人が保有している不動産がダメージを受けてしまうリスクです。賃貸に供することができなくなると賃料収入が途絶えるだけでなく、資産価値も毀損するため、収益悪化が分配金の減少、さらにはJ-REITの価格下落につながります。

ただし、J-REITにはリスク分散効果があるため、こうした不動産特有のリスクが現実になった場合であっても、すべての物件に被害が及ぶことは避けられると思われます。

J-REITに投資する方法は?

ここでは、J-REIT投資を始めるための具体的な方法をご紹介します。まだ証券会社の口座をお持ちでない初心者の方を想定して、そこから始めてJ-REIT投資を実践するまでの手順を解説します。

J-REITを購入するまでのステップは、次の3つです。

J-REITを購入するまでのステップ1:証券会社に口座を開設する

J-REITは上場している銘柄群なので、株の売買ができる口座があれば同じ方法で売買が可能です。すでに証券会社に口座をお持ちの方であればその口座からでも購入可能ですが、まだお持ちでない方は、まずは証券会社に口座を開設しましょう。

J-REITは証券口座であれば売買可能です。ただ、実際に売買をする際にはネット経由が多くなると思われますので、ネットでの売買機能に優れ、手数料の安い証券会社を選ぶのがよいでしょう。証券会社の選び方については、後述します。

J-REITを購入するまでのステップ2:購入資金を入金する

J-REITの購入に必要な資金を口座に入金します。J-REITの価格はすでにご紹介したように数万円から数十万円程度なので、購入したいJ-REITの銘柄の価格に購入希望口数を掛けた金額を入金すれば、証券取引所が動いている時間帯に購入可能になります。

J-REITを購入するまでのステップ3:J-REITを購入する

J-REITを購入する方法は株と同じです。銘柄を指定して成行や指値などを設定して買い注文を出すだけです。不動産の購入ではありますが、登記の必要はありません。保有しているJ-REITを売却する時も株と同じで、成行や指値の売り注文を出すだけです。

なお、J-REITに投資する方法は「証券取引所でJ-REITを購入する」というだけではなく、いくつかの方法があります。ここでは主に3つあるJ-REIT投資の選択肢をご紹介します。リスク許容度や投資スタイルなどによって異なりますので、購入の際の参考にしてください。

・J-REITの購入方法1:証券取引所でJ-REITを購入する

1つめは、当記事でここまで解説してきた方法です。証券取引所で売買されているJ-REITに注文を出して購入する、もっともシンプルな投資法です。

・J-REITの購入方法2:J-REIT投資信託

J-REITは投資信託の一種なのですが、投資信託のなかにはJ-REITを運用資産としているものがあります。少々ややこしいですが、「J-REITの詰め合わせパックのようなもの」とご理解いただければと思います。J-REITはそれぞれの運用不動産が異なり、オフィス型や住居型といったように運用する不動産の種別も異なります。特定のJ-REITを選ぶのが難しいと感じる場合は、こうした複数のJ-REITが詰め合わせになっている投資信託がおすすめです。

J-REITを運用対象とする投資信託は上場されているわけではないので、証券会社によって取り扱いの有無があります。投資信託を通じたJ-REIT投資をお考えの場合は、投資信託の取り扱い本数が多い証券会社を選ぶのも1つの判断基準になるでしょう。

・J-REITの購入方法3:REITのETFを購入する(指数全体等)

先ほどの投資信託は、それぞれの銘柄で運用に組み込むJ-REITの内訳が異なります。そのため、何を組み込んでいるかによって運用実績は変動します。一方、J-REIT全体に投資したいという方もおられるでしょう。そんな方に適しているのが、J-REIT全体の値動きを指数化した「東証REIT指数」と連動するETFです。

ETFとは、上場している投資信託のことです。ETFは市場にある、さまざまな指数と連動するように運用されており、その中には東証REIT指数と連動する銘柄もあります。こうしたETFを保有することでJ-REITの全銘柄に分散投資をしているのと同じ効果が得られます。そのため、よりリスク分散を図りつつ、J-REIT全体の投資効果を得ることができます。

J-REIT投資を始めたいあなたのための証券口座の選び方

先ほどから証券会社選びの重要性について何度か触れてきましたが、J-REIT投資では証券会社選びが重要です。さまざまなJ-REIT投資の方法を考慮すると、どのような投資スタイルをとるにしても、以下の条件を満たしていることが重要といえるでしょう。

(1)手数料が安い
(2)取引ツールが使いやすい
(3)投資信託の取り扱い本数が多い

これらを考慮するとネット系の証券会社が有望です。そのなかでも有力と思われる証券会社を、確認していきましょう。

どの証券会社が向いている?有力証券会社を紹介

J-REIT投資を始めるのにあたって、それに適した証券会社はどこか?ここではJ-REIT投資にフォーカスして、これから始めるのに適した証券会社をピックアップしてみました。

有力証券会社1:SBI証券

ネット証券の大手として多くの実績を有する証券会社です。手数料や使い勝手、取り扱い投資信託の本数など、あらゆる面においてバランスの取れた証券会社なので、初心者が口座開設で迷った時の有力な選択肢となりそうです。

有力証券会社2:楽天証券

1位のSBI証券と並び称されることの多い、こちらもネット証券の大手です。取引に応じて楽天グループで広く採用されている楽天スーパーポイントが貯まるため、楽天グループのサービスを使う機会が多い人にとってはお得度が増すでしょう。また初心者向けの情報発信に力を入れており、「トウシル」というメディアサイトをはじめ、さまざまな形で情報発信を行っています。

有力証券会社3:au カブコム証券

ベンチャー系が多いネット証券のなかで、auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループに属しているメガバンク系です。そのスケールメリットをいかしてシステム管理の自社完結や初心者向けサポートなどに強みを持ちます。特に初心者向けサポートには豊富なノウハウがあるため、証券外務員の有資格者がサポート対応をするなど、サポートの質が高いことに定評があります。

有力証券会社4:マネックス証券

米国株の取り扱いに強みを持つマネックス証券ですが、ネット証券ならではの手数料の安さなどでJ-REIT投資の有力な選択肢にも十分なりうる証券会社です。取引ツールの使いやすさに加えて、それをサポートする体制も整備されているので初歩的な質問であっても丁寧に対応してくれる点にも強みがあります。手数料については10万円以下なら100円、30万円以下であっても250円なので、J-REIT投資のコストを安く抑えることが可能です。

自身の投資スタイルや証券会社の手数料、使い勝手などをふまえて、口座を開設しよう

J-REITは上場しているため、株取引が可能な証券口座であれば基本的にどこでも購入が可能です。「どこの証券会社からでも買える」となると、証券会社選びの重要な比較ポイントは手数料や取引ツールの性能、使い勝手ということになります。口座開設は無料なので、まずは数社に口座を開設してみて、実取引以外の操作を体感してから好みで選ぶのもよいのではないでしょうか。
 

田中タスク
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、自らの投資スタイルを確立。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

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