板(イタ)とは何か?
株式などの売買取引における、買い手が買いたい、売り手が売りたいと希望する値段(「指値」)を「気配値(けはいね)」という。「板」とは、買いと売りの気配値を値段ごとに並べ、それぞれの注文数量(株数)を一覧にしたものだ(下図)。
板の中央には値段(気配値)、それぞれの値段の左側には売り注文の数量、右側には買い注文の数量が表示される。
板にはすべての値段が表示されるわけではなく、表示される値段を超える値段の注文数量は「OVER」に、下回る値段の注文数量は「UNDER」にまとめて表示される。例えば上の板からは、551円以上の売り注文が9,800株あることがわかる。
板は、証券会社の注文画面や投資ツールなどで確認できる。
板(イタ)はどんな時に役に立つ?
板を見れば、現在の株価の水準と需給状況を一目で確認できる。
売買が成立しやすい銘柄であるかを判断する目安として
売り・買いともに多くの注文がある状態を「板が厚い」、注文が少ない状態を「板が薄い」という。
株数が多い取引や、小さな値幅で短期間に利益を狙う「スキャルピング」や「デイトレード」には、板が厚い銘柄が向いている。取引が活発に行われており、希望する値段で売買が成立しやすいからだ。
一方で板が薄い銘柄は取引が少なく、希望する値段で売買できないリスクが高いといえる。株数が多い取引や成行注文を入れる際は注意が必要だ。
上値の重さ、下値の堅さを判断する目安として
現在の株価よりも下に多くの買い注文が入っていれば、一般的に買いたい投資家が多く、株価は下がりにくいと判断できる。このような状態を「買い板が厚い」という。反対に売り注文の多い状態は「売り板が厚い」といい、株価が上がりにくいと判断できる。
板(イタ)は常に変化していることに注意
板は、あくまで現在の株価の水準と需給状況を示しているもので、常に変化している。大きな買い注文があり底堅いと思っていても、その注文が取り消されたり、それ以上に大きな売り注文が入ったりして株価が下落することもある。
自分に有利になるよう、成立させるつもりがない注文を出して他の投資家に惑わせる「見せ板」という行為もある。見せ板は禁止行為だが、単なる注文の取消しとの区別が難しいため、注意が必要だ。
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