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マネックスFXは、ネット証券大手のマネックス証券が提供するFXサービスである。マネックス証券にはマネックスFX PLUSというサービスもあるが、マネックスFXで取引をするメリットはどんなところなのか。デメリットも含めて解説していこう。

目次

  1. 1,マネックスFXの特徴は?基本情報を紹介
    1. マネックスFXの特徴は安心感と始めやすさ
    2. マネックスFXの基本情報
  2. 2,マネックスFXのスプレッドやスワップポイントは?
    1. 主要取扱通貨ペア別スプレッド
    2. 主要取扱通貨ペア別スワップポイント
  3. 3,マネックスFXの4つのメリット
    1. メリット1, 1万通貨までのスプレッドが狭い
    2. メリット2, 1,000通貨から取引が可能
    3. メリット3,レバレッジの設定が自分で決められる
    4. メリット4,外貨出金ができる
  4. 4,マネックスFXの3つのデメリット
    1. デメリット1,取引量が増えるとスプレッドが広がる
    2. デメリット2,スワップポイントが弱い
    3. デメリット3,通貨ペアが少ない
  5. 5,マネックスFXとマネックスFX PLUSの違いは?
    1. 違い1, 1万通貨以下の取引は概ねマネックスFXの方がスプレッドが低い
    2. 違い2,マネックスFXはレバレッジ設定が選択できる
    3. 違い3, FX PLUSはトレードカルテFXが使える
    4. 違い4,FX PLUSにはオートレール注文がある
    5. 違い5,マネックスFXとFX PLUSは口座の種類も違う
  6. 7,マネックスFXはどんな人におすすめ?

1,マネックスFXの特徴は?基本情報を紹介

マネックスFXのメリット・デメリットは?FX PLUSとの違いなど特徴を紹介
(画像=マネックスFX公式サイトより)

それでは、マネックスFXの特徴や基本情報を見ていこう。

マネックスFXの特徴は安心感と始めやすさ

マネックスFXの特徴としては「安心感」と「始めやすさ」が挙げられる。マネックスFXは、東証一部上場企業のマネックスグループ株式会社の子会社、マネックス証券が運営している。100%の信託保全なので万一マネックス証券が破綻した場合でも投資家の資産が守られるので安心だ。また、最小取引単位やレバレッジなど初心者にも配慮した設定で、FX未経験者でも始めやすいFXサービスと言えるだろう。

マネックスFXの基本情報

マネックスFXの会社情報とFXサービスの取引ルールを下記に整理した。

<マネックスFXのサービス基本情報一覧(2021年4月20日現在)>

会社情報 会社名 マネックス証券株式会社
FX商品名 マネックスFX
設立年月日 1999年5月1日
資本金 122億円(2020年12月末現在)
自己資本規制比率 329.2%(2020年12月末現在)
口座数 26万8,811件
(2021年3月現在・重複を除いた数)
取引金額/営業日 4,603億9,400万円(2021年3月現在)
信託保全 ・三井住友信託銀行または日証金信託銀行
(顧客証拠金口)にて区分管理し100%信託保全
・日本投資者保護基金加入
口座 口座開設手数料 無料
口座維持費 無料
入出金 入金方法 クイック入金(7金融機関)・銀行振込
クイック入金手数料 無料
銀行振込手数料 ユーザー負担
出金手数料 日本円:無料、
米ドル・ユーロ:一律2,000円
(金融機関により外貨取扱手数料あり)
出金日数 日本円:平日15時までの請求で翌営業日の午前中
米ドル・ユーロ:同4営業日後
取引 取引時間 夏時間:月曜AM7:00-土曜AM5:55
冬時間:月曜AM7:00-土曜AM6:55
※火曜〜土曜:早朝15分間バッチ処理時間あり
取引通貨ペア 合計16通貨ペア
最小取引単位 1,000通貨
注文1回あたりの取引上限 200万通貨
注文の種類 ファスト、クイック、指値、逆指値、
トレール、一括決済、各種複合注文
(IFD、OCO、IFD/OCO)
※使用可能な注文種類はツールにより異なる
最大レバレッジ倍率 25倍
(レバレッジ1倍/2倍/5倍/10倍/25倍で設定可能)
取引手数料 インターネット取引:無料、
現物受渡決済:米ドル・ユーロ・
円の場合1千通貨単位につき200円、
証拠金間両替取引:提示価格に20銭加減算
保証金率 4%
スリッページ あり
ロスカットルール 30%、40%、50%(初期設定)、
60%、70%、100%の中から選択可能
※レバレッジ25倍の場合は50%以上
ロスカットアラートメール 証拠金維持率が初期設定の50%の場合、
90%でプレアラート、70%でアラート
利益にかかる税金 雑所得として申告分離課税20.315%
取引ツール ブラウザツール
MonexFX SPEED Lite
MonexFX SPEED
スマートフォンアプリ
MonexFX SPEED for Smartphone
キャンペーン なし(2021年4月20日時点)
※マネックスFXのホームページから筆者作成(2021年4月)

1,000通貨から取引ができるのは大きな魅力。またレバレッジが1倍、2倍、5倍、10倍、25倍の中から自分に合ったものが選べる点や、ロスカットも30%、40%、50%、60%、70%、100%から選択が可能になっている点など、自分に合ったリスクに合わせたトレードができる。

2,マネックスFXのスプレッドやスワップポイントは?

FX口座を作る前に、気になるスプレッドや、スワップポイントは押さえておきたい。主要通貨ペア別にチェックしていこう。

主要取扱通貨ペア別スプレッド

マネックスFXのスプレッドは多くのFX会社と違い、注文数量に応じ変化する。1,000通貨から取引ができ、1,000通貨刻みで増やしていけるが、1万通貨以下、100万通貨以下、200万通貨(注文1回あたりの取引上限)以下でスプレッドが変わる。

<通貨ペア別スプレッド>

通貨ペア スプレッド
1,000〜1万通貨 〜100万通貨 〜200万通貨
USD/JPY 米ドル/円 0.2銭 0.3銭 0.5銭
EUR/JPY ユーロ/円 0.4銭 0.5銭 1.0銭
AUD/JPY 豪ドル/円 0.5銭 0.6銭 1.0銭
NZD/JPY NZドル/円 1.0銭 1.5銭 4.0銭
GBP/JPY ポンド/円 0.9銭 1.3銭 2.0銭
CHF/JPY スイスフラン/円 1.8銭 2.5銭 5.0銭
CAD/JPY カナダドル/円 1.7銭 2.0銭 5.0銭
HDK/JPY 香港ドル/円 1.9銭 2.8銭 2.8銭
SGD/JPY シンガポールドル/円 1.0銭 2.0銭 5.8銭
ZAR/JPY 南アフリカランド/円 1.0銭 2.0銭 4.0銭
EUR/USD ユーロ/米ドル 0.3pips 0.4pips 1.0pips
GBP/USD ポンド/米ドル 0.8pips 1.2pips 4.0pips
AUD/USD 豪ドル/米ドル 0.8pips 1.0pips 3.0pips
TRY/JPY トルコリラ/円 9.4銭 10.2銭 10.4銭
CNH/JPY 中国人民元/円 1.6銭 1.7銭 1.8銭
MXN/JPY メキシコペソ/円 0.4銭 0.6銭 0.9銭
※マネックスFXのホームページから筆者作成(2021年4月)
※ 原則固定※例外あり

1万通貨までの少額取引を行うならば、魅力的なスプレッドと言えるが、1万1,000通貨を超えてくると魅力はガクッと落ちる。自分がどのくらいのボリュームで取引をしそうかによって、魅力に感じるかどうかが変わってくるだろう。

主要取扱通貨ペア別スワップポイント

中長期で保有する場合に大きく関わってくるスワップポイント(1万通貨単位、1日あたり)も見てみよう。

<通貨ペア別スワップポイント>

通貨ペア 買い 売り
USD/JPY 米ドル/円 1円 -41円
EUR/JPY ユーロ/円 -31円 1円
AUD/JPY 豪ドル/円 0円 -30円
NZD/JPY NZドル/円 0円 -30円
GBP/JPY ポンド/円 0円 -30円
CHF/JPY スイスフラン/円 -34円 4円
CAD/JPY カナダドル/円 -20円 -10円
HDK/JPY 香港ドル/円 3円 -6円
SGD/JPY シンガポールドル/円 -13円 -17円
ZAR/JPY 南アフリカランド/円 8円 -11円
EUR/USD ユーロ/米ドル -0.41ドル 0.01ドル
GBP/USD ポンド/米ドル -0.25ドル -0.15ドル
AUD/USD 豪ドル/米ドル -0.26ドル -0.14ドル
TRY/JPY トルコリラ/円 35円 -45円
CNH/JPY 人民元/円 7円 -10円
MXN/JPY メキシコペソ/円 5円 -8円
※マネックスFXのホームページから筆者作成(2021年4月)

3,マネックスFXの4つのメリット

冒頭で触れたようにマネックスFXの特徴としてまず会社の安心感や始めやすさが挙げられるが、実際に口座を利用するに当たってのメリットを具体的に4つ挙げてみよう。

メリット1, 1万通貨までのスプレッドが狭い

マネックスFXは注文数量に応じてスプレッドが決まる形で、注文数が少ないほどスプレッドが狭い。他社と比較すると、1万通貨までは競争力がある印象だ。

スプレッドが狭いFX会社の中から4社をピックアップし、1万通貨でのスプレッドを比較した。

<マネックスFXと競合4社のスプレッド比較>

会社名 米ドル/円 ポンド/円 ユーロ/米ドル
マネックスFX 0.2銭 0.9銭 0.3pips
SBI FXトレード 0.1〜0.2銭(95%) 0.79銭(96%) 0.38pips(96%)
GMOクリック証券 0.2銭 0.7銭 0.4pips
外為どっとコム (0.2銭) 0.7銭
(1.0銭)
0.3pips
(通常0.4pips)
外貨ex byGMO 0.2銭 1.0銭 0.4pips
※各社ホームページより筆者作成(2022年3月14日時点)
※外為どっとコム:原則固定※例外あり、キャンペーン期間中(2022年3月5日(土)午前3時まで)のスプレッド、カッコ内が通常のもの

世界で最も取引量の多いユーロ/米ドルでは、比較した5社の中では最狭、米ドル/円やポンド/円など日本での取引量が多い通貨ペアでも魅力的な水準と言えよう。

メリット2, 1,000通貨から取引が可能

取引通貨単位が小さいことは、少額投資ができるFX会社を探している人には大きな魅力である。現状、業界的には1万通貨が基本なので1,000通貨から取引が可能なことはマネックスFXの大きなメリットと言えよう。

メリット3,レバレッジの設定が自分で決められる

マネックスFXは、レバレッジを1倍、2倍、5倍、10倍、25倍から自分で設定することができる。25倍が自動設定されていて動かせないFX会社の場合は、レバレッジリスクを抑えたいなら自分で計算した上で十分な証拠金を入金する必要があるが、トレードを繰り返すうちに意図した倍率とずれていく可能性もある。最初にリスクコントロールを考えておきたい人には嬉しい機能である。

メリット4,外貨出金ができる

出金は日本円のみというFX会社が多い中、米ドルとユーロで出金できるのは嬉しい。さらに、レバレッジ1倍が利用できるため、海外旅行好きの人にとっては外貨預金感覚でFXを行うことも可能で、通貨分散を意識してポートフォリオを組むこともできる。日本円、米ドル、ユーロの両替手数料は20銭のため負担は少ない。ただし、出金手数料が一律2,000円かかり、金融機関によっては外貨取扱手数料がかかるのでチェックは必要だ。

4,マネックスFXの3つのデメリット

マネックスFXのデメリットは何か。自身の投資スタイルに影響するものかどうか、確認しておこう。

デメリット1,取引量が増えるとスプレッドが広がる

1万通貨までの取引であればいいのだが、1万1,000通貨を超えるとスプレッドが広がり、100万通貨を超えるとさらに広がる。

ある程度経験値が上がり、資産が増え、取引量を増やしたいと思った時に、スプレッドの広がりは気になり、他の口座が魅力的に感じてしまう可能性はある。

デメリット2,スワップポイントが弱い

スワップポイントについて、他のFX会社と比較すると、買いも売りも他社とは開きがある印象だ。外国通貨の中長期保有のメリットはないと言えるだろう。

<米ドル/円の1万通貨時のスワップポイント/日>

会社名
マネックスFX 1円 -41円
SBI FXトレード 6円 -10円
GMOクリック証券 5円 -8円
外為どっとコム 5円 -30円
外貨ex byGMO 5円 -30円
※各社ホームページより筆者作成
※スワップポイントは2021年4月16日から19日の実績に基づく

デメリット3,通貨ペアが少ない

様々な通貨に興味を持つ人にとっては16通貨ペアというのはやはり少ない。特にドルストレート(米ドルを含んだ通貨ペア)に興味がある人には物足りなく感じるだろう。

5,マネックスFXとマネックスFX PLUSの違いは?

マネックス証券では、マネックスFXとマネックスFX PLUSがある。両者の違いを比較してみよう。

違い1, 1万通貨以下の取引は概ねマネックスFXの方がスプレッドが低い

マネックスFX PLUSは原則固定スプレッド。それに対し、マネックスFXは注文数量に応じたスプレッドが適用される。メキシコペソ/円はマネックスFX PLUSの方が狭いが、それ以外の通貨ペアでは1万通貨までの取引であればマネックスFXのスプレッドの方が狭いか、同等だ。

違い2,マネックスFXはレバレッジ設定が選択できる

マネックスFXは1倍、2倍、5倍、10倍、25倍の中から、自分に合ったレバレッジを選択できるのに対して、FX PLUSはレバレッジが25倍限定。トレード前にリスクコントロールをある程度しておきたいユーザーにとってはマネックスFXは安心だろう。

違い3, FX PLUSはトレードカルテFXが使える

FX PLUSでは人工知能AIがユーザーの取引を分析し、トレーディング技術向上を支援するパーソナルアシスタントツール「トレードカルテFX」が利用できる。

ユーザーのトレーディングスタイルを5つに分類し、取引データを機械学習させることでクセや特徴を検知し、違う通貨ペアで取引をした場合のシミュレーションや苦手なチャートの形などを診断。処方箋で、ユーザーがスキルアップできるよう指南してくれる。これはFX PLUSだけのサービスだ。

違い4,FX PLUSにはオートレール注文がある

FX PLUSには、複数の新規建て指値注文と1つの決済トレール注文のセットを繰り返すことができる、自動注文「オートレール」がある。

為替の値動きに応じて逆指値(損切り)も追従するような注文方法をトレール注文といい、買いの場合、上昇時に追従し下落時は固定されるため、チャートをなかなかチェックできなくてもトレンド転換時には自動決済してくれる安心機能のついた注文方法だ。オートレールは、このトレール注文を自動で繰り返してくれる。

違い5,マネックスFXとFX PLUSは口座の種類も違う

マネックスFXはFX取引専用口座で、FX PLUSは証券総合取引口座。実はマネックスFXは元々マネックス証券が子会社化したFX会社のサービスのため、FXトレードに特化している。それに対しFX PLUSはFXだけでなく株や投信もできる証券総合取引口座をまず開く。

金融商品の1つとしてFXがあり、FXをしたい人は証券総合取引口座を開いた後でFX口座を作る2段ステップとなる。他の金融商品のトレードにも興味がある人にはFX PLUSが便利だが、FXのみに興味がある人にはマネックスFXがマッチしていると言えよう。

7,マネックスFXはどんな人におすすめ?

マネックスFXの特徴をまとめると、以下のような人に向いていると言えるだろう。

・ 少額で始めたい人
・ 1万通貨以下での取引を考えている人
・ 短期トレードに興味がある人
・ 自動売買には興味がない人
・ 外貨出金したい人

少額で始められ、取引単位が小さければ狭いスプレッドでトレードができるマネックスFXは初心者向けとも言える。いきなり始めるのに抵抗がある人向けにデモ取引も1ヶ月無料でできるので、興味がある人は試してみてほしい。

執筆・国枝ゆたか
くにえだFP事務所・代表。金融商品を売らないファイナンシャルプランナー。自身の資産形成の経験を活かしたマネーセミナーなどが人気。若年層にも金融リテラシーを身につけて欲しいという思いから、資産形成のゲーム研修をFP仲間とともに制作。

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