タイムマネジメントを最適化する方法
タイムマネジメントを改善するには、会社でどのような施策を進めればよいだろうか。ここからは、タイムマネジメントを最適化する5つの方法を解説しよう。
1.目標設定を正しく行う
施策の方向性を誤らないために、まずは目標設定を正しく行う必要がある。「なぜタイムマネジメントをするのか」が明確になっていないと、優先順位の低いタスクに力を入れたり、効率を求めて質が低下したりなどの弊害が生じるためだ。
タイムマネジメントの改善はあくまで手段であり、ゴールとなる目標は別の部分にある。目標の例としては、たとえば「1人あたりの作業量を30%減らす」「人材コストを20%削減する」などがある。
チームや部署で業務を行う場合も、組織単位で明確な目標を設定しておきたい。目標にはできるだけ数値を盛り込み、関係者全員がイメージしやすいように工夫しよう。
2.優先順位の高いタスクにリミットを設定する
優先度の高いタスクにタイムリミット(時間制限)を設定すると、作業全体の品質と効率を上げる効果が期待できる。
多くの場合、従業員がこなすマルチタスクには優先順位がある。たとえば、コンバージョン(売上)につながる商談用の資料と、社内イベントに関する資料の作成では、明らかに優先順位が異なるはずだ。
しかし、単にマルチタスクを与えるだけでは、こなしやすい業務から手をつける従業員もいるだろう。本来であれば品質が求められる作業や、スケジュールの差し迫った作業などを優先しなければならない。
このような時間の使い方ができる仕組みを整えるだけで、タイムマネジメントは改善される場合がある。
3.特に優先度が高い場合はタイムブロッキングをする
タイムブロッキングとは、特定のタスクに割く時間を確保するために、ほかの業務を一定期間ブロックすることである。ブロックされている期間はひとつのタスクに集中できるため、うまく活用すれば業務の質を高められる。
従業員の全タスクを管理することは難しいが、タイムブロッキングは対象のタスクとリミットの設定だけで行える。
4.勤務時間を従業員に決めさせる
フレックスタイム制など、勤務時間を従業員に決めさせる方法もタイムマネジメントの改善につながる。脳や身体の働きが最も活性化する「ピークタイム」は、個々の従業員によって異なるためだ。
ピークタイムに合わせて勤務時間を選べるようになると、従業員はより集中しやすくなり、ストレスも軽減されることが予想される。ただし、チームとしての稼働が求められる業務もあるため、フレックスタイム制などの導入範囲は慎重に検討したい。