政府の方針で労働時間が短縮される中、タイムマネジメントの重要性が増している。タイムマネジメントは単なる時間管理ではなく、業務の進め方を工夫して生産性を高める手法だ。どのような施策が望ましいのか、本記事では最適化のためのポイントを紹介する。

目次

  1. タイムマネジメントとは生産性を高めること
    1. タイムマネジメントの重要性
  2. タイムマネジメントを最適化する方法
    1. 1.目標設定を正しく行う
    2. 2.優先順位の高いタスクにリミットを設定する
    3. 3.特に優先度が高い場合はタイムブロッキングをする
    4. 4.勤務時間を従業員に決めさせる
  3. タイムマネジメントを行う5つのステップ
    1. 1.目標設定
    2. 2.タスクのリスト化
    3. 3.タスクの優先順位付け
    4. 4.スケジューリング
    5. 5.評価と見直し
  4. タイムマネジメントを成功させるポイント
    1. 10分以上かかるタスクを見える化する
    2. 休憩でタスクを区切る
    3. 整理整頓する
  5. タイムマネジメントに便利なツール3選
    1. Backlog
    2. Clock it!
    3. Trello
  6. 適切なタイムマネジメントで生産性の向上を
今さら聞けない マネージャーのためのバランススコアカード基本知識
(画像=VitaliiVodolazskyi/stock.adobe.com)

タイムマネジメントとは生産性を高めること

タイムマネジメントとは、業務への意識を変えて生産性を高めることだ。簡単に言い換えると、これまで1時間でこなしていた業務量を、工夫やスキルによって2倍や3倍に増やす施策を意味する。

直訳では「時間の管理」だが、業務に費やせる時間は平等かつ限られている。そもそも時間自体は管理できないため、タイムマネジメントでは「業務のやり方・進め方」を変えることになる。

なお、納品などの予定に合わせて時間を調整することは、一般的に「スケジュール管理」と呼ばれる。

タイムマネジメントの重要性

タイムマネジメントが重視される背景には、「情報技術の発展」と「労働時間の短縮」がある。

さまざまな情報技術が発展したことで、従業員ひとり一人がこなす業務には変化が生じている。顧客対応と同時にデータを入力したり、専用の端末で在庫管理や発注をしたりなど、当然のようにマルチタスクをこなすようになった。マルチタスクは効率的な方法に見えるが、あまりにも作業プロセスが複雑化すると、現場が混乱してしまう場合もある。

また、2005年に「労働安全衛生法等の一部を改正する法律」が成立して以来、政府はさまざまな業界で労働時間の短縮を図っている。労働時間が減ると従業員の負担は軽くなるが、企業にとっては労働力の損失につながるだろう。

参考:厚生労働省「労働時間等の設定の改善

情報技術の発展と労働時間の短縮は、今後もあらゆる業界で進むことが予想される。特に人材を雇用する余裕がない企業にとって、タイムマネジメントの改善は喫緊の課題ともいえる。