OJTとOFF-JTのメリット・デメリットまとめ

OJTとOFF-JTはいずれも企業の教育手法だが、実はそれぞれにメリット・デメリットがある。より適した教育手法をとり入れるために、経営者や担当者は以下のメリット・デメリットをしっかりと確認しておこう。

OJTとOFF-JTの違いとは? それぞれのメリットや使い分け方、教育効果を高める3つのコツを解説

OJTの最大のメリットは、通常業務を通して職務の遂行能力を身につけられる点だ。実務に役立つ知識・スキルに絞って伝達しやすいため、うまく運用すれば短期間で一人前の従業員を育て上げられる。

一方で、OFF-JTは集団教育に適した方法なので、企業の一体感や団結力を強める手段としても活用されている。ただし、社外研修をする場合は大きなコストが発生することもあるので、その点に注意しながら計画を立てなくてはならない。

なぜいまOFF-JTが必要なのか? 実施する企業が増えた背景

厚生労働省が発表した「能力開発基本調査(令和元年度分)」によると、OFF-JTに費用支出した企業の割合は年々増えてきている。確かにOFF-JTのメリットは魅力的だが、なぜ金銭的なコストをかけてまでOFF-JTを実施する企業が増えてきているのだろうか。

主な要因としては、各業界で嘆かれている人材不足が挙げられる。終身雇用制度が崩壊しつつある現代の日本では、多くの業界で人材の流動性が高くなっているため、部下を指導する立場の人材が足りていない。

つまり、本来はOJTを実施したくても、人的リソースの問題で諦めている企業が増加しているのだ。

また、IT技術やIoTが発達した影響で、研修やセミナーが「オンライン化」されている影響も大きい。ネット環境さえあれば研修・セミナーを受講できる時代になったため、OFF-JTは以前に比べると時間・場所を限定されにくくなった。

内容によっては通勤時間やプライベートの時間も活用できるので、企業にとっては人材教育をより効率的に進めやすい環境になったと言えるだろう。

OJTとの使い分けも重要に

OJTとOFF-JTは対になるものだが、どちらか一方が不要になることはない。前述の通り、OJTにもOFF-JTにも魅力的なメリットがあるため、目的に応じて使い分けることが重要になる。

では、それぞれの教育手法がどのようなケースに適しているのか、ここまでの内容も踏まえて簡単にまとめておこう。

OJTとOFF-JTの違いとは? それぞれのメリットや使い分け方、教育効果を高める3つのコツを解説

OJTとOFF-JTをうまく使い分けるには、最初に人材教育の「目的」を明確にすることが必要だ。また、教育の対象になる従業員の数や知識レベル、教育を受け終わった後の配置によっても適した選択肢は異なるので、自社の現状を整理することも重要になる。

つまり、中長期的な視点で人材教育を考える必要があるため、目先のメリットにとらわれないよう注意しておきたい。